映画鑑賞記録(2023-No.019)

2023/11/11「火の鳥 エデンの花」

ディズニープラスにて、全4話「火の鳥 エデンの宙」というタイトルで9月から既に配信されている作品の別エンディング編集盤、らしい。
らしい、というのも私自身が配信版を観てないから。
(今後も観る予定はないです。)
なので、劇場版とどうエンディングが違うかは知りません。
上映館数もだいぶ少なく、私がよく行く映画館では上映予定はなくて、ちょっち車を走らせて、海辺の映画館での鑑賞となりました。

そもそものところ、故・手塚治虫さんの「火の鳥」の12編のうちの「望郷編」が原作になっているとのこと。

漫画の「火の鳥」に魅入られて子供の頃から何度も読んでいたので、個人的に公開前の時点から期待過多だったように鑑賞後の今にして思います。

さてさて、今回は劇場公開から1週間が経ってもいますので、内容にネタバレ込みで、いつもの如く思ったことをつらつらと。
前置きとして、たぶんネガが多く含まれる可能性があります。
あくまでも、私個人の感想でありますので、平にご容赦を(苦笑

まず真っ先に触れるとしたら、声優陣、かな…
誰がどうのとは言わないでおきますが、各人の力量の良し悪しの差がありすぎて、聴いていて居心地が悪かったです。
プロの声優さんが脇をかためる分、際立って粗が目立つことになってしまってる様に感じました。
客の入りからしても有名俳優の起用で客が呼べるだなんて幻想を見るのはやめてほしいものだ、と今作にも同様に思った次第。
ただ、シティーボーイズの御三方(大竹まことさん、きたろうさん、斉木しげるさん)は巧い起用だと、個人的には思います。

火の鳥の造形もなぁ…個人的には不満があるんよなぁ…

物語りの内容については、原作者が不在で(当然ながらに、既に鬼籍に入られてますから)…監督の解釈だったり、尺におさめる為だったりで設定がいじくられ、物語りに込められた本来の思惑から乖離した内容で構成されている、と…大袈裟とは思いますが、そう思えてしまって…こういう改変って、業界的に当たり前なことかもしれないのですが…
原作が好きな分、めっちゃモヤモヤしますね…
原作者と、本作の監督である西見祥示郎さんの思惑は、全く同じにはならない、そう念頭に置かないと、モヤモヤがずっと出続けるばかりでした。

(しかしながら、原作を読んでるか読んでないかで捉え方が全くもって変わってしまうってのは、今尚原作未読のままの「ジョゼと虎と魚たち」のアニメ映画にもった好感とは真逆のベクトル・バイアスなのだろうな、とは思うのですが…人の心って、難しいですね(苦笑)
(追記:20231114)
そのアニメ映画版「ジョゼと虎と魚たち」がクリスマス直前に、秋葉原にてタムラコータロー監督による舞台挨拶付きでの上映会が…

また、ジョゼ虎の聖地的な箕面(みのお)でも11月下旬に上映も含めて色々とあるようです。

おっと、盛大に脱線してしまった(苦笑・確信犯w)
(追記、終わり))

もう少し、ネタバレありで、細かい違いをピックアップしていきます。

・ヒロインが彼氏の死に目に居合わせない。
 →人生が好転しそうな時に訪れる不幸。その表現がやや控えめに?
・ムーピーと結ばれる対象が違う。
 →恐らくは尺の都合かな。原作と比べて1世代分、話しが飛んでます。
  監督の思惑から、この1世代分の話しで描かれる内容が、この映画
  には不必要と判断されたのかな、と。
  確かに、かなりデリケートな内容が原作のここに含まれてたけども。
・サポートメカ(シバ)を破壊する人物が違う。
 →上記の、1世代飛ばすことにあたっての余波みたいな感じかな?
  破壊するにあたっての理由・原因も違ってます。
  本作では向け先のない怒りのはけ口に。原作は嫉妬の対象、かな。
  ここの乖離は顕著に感じました。
・コムと、ヒロインの最後の描かれ方が違う。
 →本作の売り?なのかな?
  配信版とも違うとして宣伝されておりましたから…
  ここの乖離こそ決定的なモヤモヤの理由でもありまして…
  西見監督が、手塚治虫さんの火の鳥から受け取ったものが
  コレなのかな、と…
 →最後の描かれ方が違うことで、火の鳥シリーズではそこそこの
  重要な立ち位置にある牧村の描かれ方が…雑?


改めて、私個人の感想をまとめると…
(私が好んでやまない)手塚治虫さんの作品、としてではなく…
手塚治虫さんの作品に感銘を受けた西見監督の、リスペクト作品、として…
そういう感覚で観ないと、だな、と感じました。
以上、諸々加味して総括すると、二次創作、って観方なら許容範囲、か。

(追記:20231114)
手塚治虫さんが亡くなられてから来年で35年、本作が「火の鳥」に触れる1等1番目って人も少なからず居るだろうことは想像に難くありません。
となると、本作が「火の鳥」に対する基準点になる人も居るのだな、と。
後先の幸不幸を思うより、佳いとこを上げられたらいいのだけど…
私には難しい…それほどに原作のが好きと記憶に刷り込まれています。
私のネガに触れても尚、本作の佳い点を見失わない人には、どうか一言でも多く佳い点を広めてほしいと、他人任せも甚だしいですが、願う次第です。
(追記、終わり)

ともあれ、原作の「火の鳥」をまた読み返したいという欲求が湧いたことこそ、本作の鑑賞で得た最大の収穫なのかな、と♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?