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【国家資格キャリアコンサルタント】合格後を見据えた受験戦略ー第20回試験結果反映ー

当ブログでは、国家資格キャリアコンサルタントの「試験情報」「過去試験の傾向」「合格後のこと」などを試験機関別にまとめています。

これから受験される方の、受験方針のご参考になりますように。

そして合格された方へ、
改めて資格取得者に求められる要件を確認し、今後の方針の参考になりますように。また、試験の最新状況を確認することで、ご自身の受験を振り返り、気持ちを新たにしていただくきっかけとなりますように。

20回試験結果

各試験団体の直近5回の試験結果を確認します。受験者数は減少傾向です。
※第20回実受検者数:
CC協議会3,085人(前回比166人
JCDA 1,968人(前回比167人) 、

【CC協議会】

【JCDA】

※(  )はCC協議会との差

【傾向】

〇受験者数はCC協議会が減少に転じたことで全体として減少傾向となった
〇学科は過去5回で2番目の合格率と平均点。
〇CC協議会の実技は平均点+1点が命運を分けた
〇同時合格率は、JCDAが9.7ポイント高い。
〇学科・実技共に合格率、平均点はJCDAの方が高い
〇受験資格では、養成講座終了者の方が実務経験者より合格率が高い
〇JCDA実技試験では、養成講座終了者と実務経験者の合格率は27ポイントの差がある。

▽詳細は各試験団体HPでご確認ください
CC協議会第20回試験結果
JCDA試験第20回試験結果


21回受験情報

【合格基準】

<キャリアコンサルティング協議会(以下CC協議会)>

学科:100点満点(2点×50問)で70点以上の得点
実技:150点(論述50点|面接100点)満点で90点以上の得点
*但し、論述は配点の40%以上の得点、かつ面接は評価区分「態度」「展開」「自己評価」ごとに満点の40%以上の得点が必要

CC協議会受験要項

<日本キャリア開発協会(以下JCDA)>

学科:100点満点で70点以上の得点
実技:150点(論述50点|面接100点)満点で90点以上の得点
*但し、論述試験の満点の40%以上の得点、かつ面接の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要

JCDA受験要項

合格基準における「得点」は試験機関共通です。

実技は配点が分かりづらいですが、
論述20点未満、評価(A,B,C)のC評価が足切りとなります。

注意!)JCDAの評価区分について、上記3つ「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」に加え、合否結果通知では別に「振り返り」「将来展望」の評価が加わります。


【評価区分】

以下、「試験範囲(試験機関共通)」に使われている文言を使用して、それぞれの試験機関が定める評価区分において必要とされることを整理します。

内容をしっかり理解していきましょう。

=================
 態度(CC協議会)/傾聴(JCDA)
=================

〇相談者に対する受容的・共感的態度および誠実な態度
〇傾聴と対話
〇相談者との関係構築
〇相談を行うにふさわしい物理的な環境、相談者が安心して積極的に相談ができるような環境を設定することができる
〇相談を行うに当たり、受容的な態度(挨拶、笑顔、アイコンタクト等)で接することにより、心理的な親和関係を相談者との間で確立することができる
〇相談者の相談内容、抱える問題、置かれた状況を傾聴や積極的関わり技法等により把握・整理し、当該相談の到達目標、相談を行う範囲、相談の緊要度等について、相談者との間に具体的な合意を得ることができる


=================
 主訴・問題の把握(JCDA)
=================
〇傾聴と対話を通して、相談者が抱える課題について相談者と合意、共有することができる
〇相談者の相談内容、抱える問題、置かれた状況を傾聴や積極的関わり技法等により把握・整理することが適切にできる


====================
 展開(CC協議会)/具体的展開(JCDA)
====================

〇様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するよう相談を進めることができる
〇情報提供、教示、フィードバック等の積極的関わり技法の意義、有効性、導入時期、進め方の留意点等について理解し、適切にこれらを展開することができる
〇相談過程のどの段階にいるかを常に把握し、各段階に応じた支援方法を選択し、適切に相談を進行・管理することができる
〇自己理解の支援
〇仕事理解の支援
〇自己啓発の支援
〇意思決定の支援
〇方策の実行の支援


=====================
 自己評価(CC協議会)/振り返り(JCDA)
=====================

〇キャリアコンサルタント自身が相談支援の過程と結果について自己評価することができること

==========
将来展望(JCDA)
==========

〇キャリア形成支援者として、自己理解を深め、自らのキャリア形成に必要な能力開発を行うことの必要性について、主体的に理解すること


【日程・開催地域】

学科・実技論述試験の日程は両機関同じですが、開催地域が異なります。
受験生の都合により、どちらかの日程しか受けられない、という方もいらっしゃると思いますので、要チェックです。

なお、複数の日程がある地域の場合、受験日程を選べるわけではありませんのでご注意を。

▽開催地域は各試験団体HPでご確認ください
CC協議会 試験日程/試験地区
JCDA試験 日程/試験地区


【論述試験】

論述試験では、JCDAの方が平均点が高い結果(+2.5点)が出ています。

両試験機関ともに、「記述式解答(事例記録を読み、設問に解答する)」ですが、出題形式が大きく異なりますのでご確認下さい。
 ◆取り組みやすさ
 ◆難易度
 ◆過去問の収集のしやすさ
など、各団体の試験内容をご自身で確認してください。
論述試験の内容で試験機関を決めた、という方も多いです。出身の養成校から受験する試験機関を指定される場合もあります。

▽各機関の過去問掲載ページ
CC協議会過去問
JCDA過去問

▽CC協議会の論述解説についてはこちらの記事でご確認ください
 ※JCDAの論述の解説は行っておりません。


受験資格が「実務経験の方」へ

<!要確認!>
両試験機関共、受験資格による合格率には見逃しがたい差が生じています。
いずれも養成講習終了者の合格率が高く、
その差は、
学科6.8%(CC協議会)11.4%(JCDA)、
実技では5.7%(CC協議会)27.3%(JCDA)、となっています。
過去5年間、この傾向は変わっていません。

▽実務経験での受検資格▽
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の 経験を有する方。
一方的な情報提供や、会社の人事部の採用業務、ではなく、1対1で行われるキャリア相談、またこれに準ずる少人数のグループワークの運営がそれとみなされます。客観的な証明書の提出も必要。

CC協議会受験資格

試験では、実務経験3年の評価は厳しめ、と言わざるを得ない状況です。

実務経験の受験資格で受験される方は、新たに自ら学ぶ心づもりで準備にかかりましょう。実技に関しては特に、ご自身の支援現場での実務経験による「対人支援のくせ、偏り」が身についてしまっていることが考えられます。客観的な評価を得られる場所に身を置き、キャリアコンサルタントの基本姿勢を前提として自らの支援を振り返ることが必要となります。

特に、実務経験者のJCDA受験の合格率が、40.1%(試験結果表の紫の枠)と、他と比較すると圧倒的に低い数字となっています。

JCDAはキャリアカウンセラー資格としてCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格の認定を行っており、その資格認定の養成講座を開催しているのが、株式会社日本マンパワーです。マンパワーの養成講座を受講され、JCDAで受験された方が評価を得やすい試験になっている可能性が否定できません。

養成校では、知識講習と実技(ロープレ)の学習・実践の機会が少なからずあり、またキャリアコンサルティングで活用するアセスメントなどを受験者自身が体験し、自己理解を深める機会を得ていることも特徴です。幅広い属性に対応するため、課題ごとの特徴や方策などについても学んでいること、養成校終了後にはともに学びあう同期生がいることによる心理的サポートも大きいかもしれません。

とはいえ、3年間以上のご自身の実務経験を振り返り、実践での相談者との関りを振り返ることができるのは、養成校修了者に勝るアドバンテージです。キャリアコンサルティングを体系的に理解するには十分な経験を積んでいるはずです。試験に備え、準備をしましょう。


合格後のこと

【登録・更新】

合格後、国家資格を名乗るためには国家資格キャリアコンサルタントwebサイト登録センターで登録をする必要があります。登録すると、キャリコンサーチというキャリアコンサルタント検索システムに自分のプロフィールを掲載することができます。

キャリアコンサルタントに仕事を依頼したい企業や団体、個人からオファーを受けられるシステムです。私の場合、2018年の登録から今までで5回ほどオファーがあり、そのうち1件は現在も継続して受託しています。

また、資格を名乗り続けるためには5年ごとの更新が必要です。

更新には、更新講習と呼ばれる「知識講習8時間以上」「技能講習30時間以上」を受けなければいけません。

国家資格キャリアコンサルンタントは継続的な自己研鑽が求められる資格であり、費用や時間を費やして知識や技能をアップデートし続ける資格であることを認識しましょう。


<技能検定>

キャリアコンサルタントとしての上位資格を目指すなら、キャリアコンサルティング技能検定受検を検討しましょう。国家資格と異なり、試験機関は「CC協議会」のみ、です。

技能検定に合格すると、5年以内の国家資格キャリアコンサルタントの更新講習が免除されます。ただし、技能検定2級は「熟練レベル」とされ、合格率は16%前後で推移しており難易度は高めと言えます。

2級合格での国家資格更新を目指してチャレンジし続け…合格できずにギリギリで更新講習を詰め込みまくる、ということにならないよう、更新計画は早めに立てておきましょう。

▽国家資格と技能検定の関係についてはこちらの記事でまとめています


<CDA>

前述の通り、JCDAはキャリアカウンセラー資格としてCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格の認定を行っています。その資格認定の養成講座を開催しているのが、株式会社日本マンパワー。

マンパワーの養成講座を受講された方は、国家資格キャリアコンサルタント試験に合格と同時に、CDAの資格取得も可能となり、2つの資格を得ることができます。また、JCDA会員として登録・入会することで、全国ネットワークを持つことができます。
※マンパワー養成講座終了後、CC協議会の試験の合格でも登録・入会可
※マンパワー以外の養成講座終了者も、CDA資格の講座を追加受講することでCDA資格取得可

このような背景から、日本マンパワーの養成講座を修了者はJCDA受験を選ぶ方が多く、また、実技試験内容がCDA資格の評価基準にも沿う内容になっていると考えられます。

※更新講習について
日本マンパワーの養成講座を修了した方は、マンパワーの更新講習を受講するとき、割引を受けることができます(一部割引対象外の講習あり)


<ネットワーク形成>

キャリアコンサルタントには、資格取得後の継続学習、自己研鑽が求められます。また相談者の利益のための最大限の努力として、他の分野・領域の専門家の協力を求めたり、スーパービジョンを受ける必要があります。
これらは、キャリアコンサルタントが一人で自立、完結できる仕事ではないことを意味します。

養成講座出身であれば、そこで出会う同志との関係構築からネットワーク形成の一歩が始まります。

また、受験対策の時に頼る有資格者の存在から、合格後のキャリコン人生に何かしらの影響を受ける方は多いです。

キャリアコンサルタントとしてロールモデルだと思う方、またキャリコンに限らず対人支援者に関わる上で頼れる方、頼りたい方が身近にいたら、資格取得後ぜひ連絡をしてみてくださいね。資質を伴う対人支援者であれば、継続して自己研鑽をする方法を知っているはずです。教えてもらいましょう。

出身の養成講座によらず、また受験資格に関わらず、国家資格キャリアコンサルタント資格取得者が参加、登録できるコミュニティ、ネットワークは地域的にも、全国的にも多種多様に存在しています。ネットワーク形成は自分次第で多様に広げることができます。

CLに、今持つリソースを様々な視点で見出し活用できるよう支援をすることもキャリアコンサルタントの役割です。まずは自分自身が体現しましょう。

キャリアコンサルタントがネットワーク形成と自己研鑽を目的として登録する団体として最も王道といえるのは、ACCNでしょう。
養成講座実施団体、更新講習実施団体など、キャリアコンサルタント資格を支える主要団体が所属し、キャリアコンサルタントの継続学習、自己研鑽の場を創出しています。


まとめ

国家資格キャリアコンサルタントは2つの試験機関により実施されますが、どちらを選んだにせよ、対人支援においてキャリアコンサルタントとして求められる能力、出題範囲などな同じです。

相談者の利益になるキャリアコンサルティングができるキャリアコンサルタントであるかどうかが評価されることに変わりはなく、ましてやCLにとってキャリアコンサルタントが受験した試験機関などどうでもよいことです。

何のための資格取得なのか、目的を見失わないように。
そして合格後こそ、真に研鑽の道が始まることを自覚しましょう(*^-^*)


第21回受験生を応援します!!


合格後自己研鑽、相互研鑽する場として互いに尊重し合う同志が集に、コミュニティを運営しています。

これから受験に挑む皆様のリソースの1つとして、ぜひご活用ください。

▽▽第21回受験生向け支援の詳細はこちら▽▽

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