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【国キャリ】論述試験|第15回の出題形式4つの変更点から分かる、キャリアコンサルタントに求められる資質とは。

物議を呼んだ、第15回論述試験。
当日、机上で問題用紙をめくった受験生の、血の気がサーーーーーッと引く音が聞こえてくるようでした。。。

コロナの影響で、第15回の試験が延期となった間に、
試験機関であるキャリアコンサルティング協議会は、国家資格キャリアコンサルタントに求める要件を改めて問い、記述試験でより正確にそのスキルを測る方法を模索し、これまでの問題形式を見直しました。

延期された期間の有意義な活用により、CC協議会実施 国家資格キャリアコンサルタント試験(論述試験)は改善された、と言えるでしょう。


▽14回までの「論述問題への取り組み方」はこちら記事を参考にどうぞ。 ​
逐語録形式の問題から、学ぶポイントは多かったです!
出題形式が変わったので試験対策にはならない可能性もありますが、実務に活かせる内容です。


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<問題用紙はCC協議会ホームページより入手してください>
過去3回分のみダウンロードできます。
https://www.career-shiken.org/about/learninfo/
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それでは早速、変更された内容を見ていきましょう。


【変更点1】出題形式

第14回以前:【逐語録】
   ⇩⇩⇩⇩⇩
第15回:【事例記録】

👆POINT👆
これまでは対話形式の逐語録でしたが、15回は作成途中の事例記録、として、キャリアコンサルタントが相談者の話した内容をベタ打ちで記録したものとなっています。キャリアコンサルタントの発言も記録されています。
第14回まであった(中略)がなくなり、CLの現在の状況が確認できる内容のみ記録されたあとは、(以下略)とされています。


【変更点2】展開

大きな変化は、展開。第14回までは,逐語録の中で問題の把握と整理ができ、目標を設定し、さらに今後の進め方を提案し合意を得るところまでキャリアコンサルティングが進行しています。
また、言い換え、ポジティブリフレーミングなどの技法を使った関りが確認できる回もあり、目標達成に向けて前向きな気持ちになる関り(具体的な方策の実行)も読み取れます。

傾聴と対話を通した信頼関係の構築は前提としてあると考えた上で、第15回では、問題の把握を目的とした質問(質問に答える中で自己理解が深まっていると言えなくはないものの)にとどまり、それ以上の展開はありません。

これまでは今後の方策についてある程度の方針がすでに決められている中で2つの提案を行い、さらに具体的な引出しを持っているか、またそれを進行するスキルがあるかどうかを問われていましたが、

今後は、何を目標とするか、また、それをどのような方針で進めるかについてキャリアコンサルタントが考える幅が広がり、見立てのスキルが問われるようになった、と言えます。

キャリアコンサルティングのプロセスとしては、以前より一歩手前のスキルを確認するは問題になったと言えるでしょう。



【変更点3】配点

▷第14回以前
設問1/10点
設問2/10点
設問3/30点 
   ⇩⇩⇩⇩⇩
▷第15回
設問1/10点
設問2/10点
設問3/①10点
    ②10点
設問4/10点 

👆POINT👆
配点が細分化されました。採点者も採点しやすくなったかもしれません。


【変更点4】設問内容


<1.相談内容の要約に関する設問>

▷第14回以前
設問1相談内容の要約(2行/10点)
 ※逐語録のCCの発言の空欄埋め。CLの発言を受けた内容に留まる
   ⇩⇩⇩⇩⇩
▷第15回
設問1相談内容の要約(2行/10点)
 ※面談記録全体を通して把握できる、相談者が相談したいこと。

👆POINT👆
CLが言ったことを要約するにとどまらず、本質的に相談したい内容を把握できるかどうかを問われる設問となりました。


<2.キャリアコンサルタントの「質問の意図」に関する設問>
▷第14回以前
 なし
   ⇩⇩⇩⇩⇩
▷第15回
設問2キャリアコンサルタントが行った質問の意図について記述(2行/10点)

👆POINT👆
キャリアコンサルティングの中で行われる対話における、キャリアコンサルタントの質問の重要性ついて、その意図を把握できるかどうかで確認する設問が新たに加わりました。


<3.相談者の「問題」に関する設問>
▷第14回以前
設問2キャリアコンサルタントとして考える、相談者の「問題」(4行/10点)
   ⇩⇩⇩⇩⇩
▷第15回
設問3(1)CLの問題(2行/10点)とその根拠(3行/10点)について、CLの言動を通じて具体的に記述せよ。

👆POINT👆
「相談者の抱える問題の把握」については、試験範囲の細目にも何度も出てくる重要項目
です。これまではその問題を「どのように記述するか」の自由度が高かったところ、「問題」とその「根拠」と細分化されることで回答しやすくなりました。「CLの言動を通じて」「具体的に」から、事例記録に記述されている内容を引用する形で回答することが明確になりました。


<4.展開に関する設問>
▷第14回以前

設問3(1)提案の要点を2つ(各1行)
(2)この面談での今後どのような働きかけを行うか、具体的に記述せよ。(7行)/30点
   ⇩⇩⇩⇩⇩
▷第15回
設問4今後どのような方針で進めていくか記述せよ。(6行/10点)

👆POINT👆
場面設定と関係構築、問題の把握後の、目標設定~自己理解の支援~仕事理解の支援~自己啓発の支援~意思決定の支援~方策の実行の支援について、自由な見立てが可能となりました。
要点を押さえつつ、これまで必要と考えれていた具体的な方策の実行に惑わされずに、CLの支援ができるスキルがあるかどうかを問われています。


まとめ


国家資格キャリアコンサルタントの合格に必要なことは、具体的な方策についてあれがいいかも、これがいいかも、と提案できることよりも、その前の段階で、問題を把握できるだけの関係構築ができ、そして何を目標にするか一緒に考え、共有し、その達成に向けて共同作業ができ、さらに行動の動機付け、勇気づけができる、というCLと関わる基本姿勢が備わっているかどうかが問われているのかもしれません。
また、論述試験という試験形式から、言語の整理能力も求められる必要な要件の1つと言えますね。
さらに、問題中で「展開しない」という大きな変更点から、キャリアコンサルタントが自分で考え、見立てることが求められています。設定する「目標」は、途中で変わることもあり、はじめから「正解の目標」があるわけではないことも、今回の改変の背景にあるように感じてます。

第15回の回答例は、準備ができ次第UPしますね。


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