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自己流分析方法その3

お久しぶりです。あっつベルです。夏休みが目前に迫り気持ちが浮かれています。記事の方は地に足つけて書いていきます。

本日は久々の自己流分析方法記事です。しばらく書いていなかったので先の2本を読みなおしながら書いています。では今回もよろしくお願いします。

前回の復習

また期間が空いたので懲りずに前回の復習をしましょう。(自己流分析方法その2より引用)

分析には大きく分けて『簡易分析』『詳細分析』『リアルタイム分析』の3つがありましたね。また、分析のステップは「1.分析の基準を見つける」「2.時間の経過で最初の場面からどう変わるか見極める」でした。簡単2ステップの連続で分析とは行われています。

ということでサクッと振り返ったところで本編に参りましょう。

今回の分析

今回はプレシーズンマッチより、アリアンツ・スタジアム(ユヴェントス・スタジアム)にて行われたユヴェントスvsアタランタから分析していきたいと思います。ユヴェントス公式Youtubeにてフルタイムハイライトがどちらも見れるので気になる方はリンクから是非。また、今回もYoutubeよりスクリーンショットを借用しています。

試合展開としてはアタランタがボールを握り、シュート数も倍以上ありながら結果は3‐1でユヴェントスに軍配が上がっています。ユヴェントスはアッレグリが再び指揮官となり、スクデット奪還にむけてギアを上げる時期であり、この試合は監督のやりたい試合が垣間見れると思ったのがこの試合を取り上げたポイントです。

ということで今回の焦点を当てるポイントを決めましょう。ずばりそれはユヴェントスの「味方の配置」です。アッレグリの第一政権ではマンジュキッチをサイドに置いてロングボールを収める起点にしたり、前線のディバラを落としてビルドアップを補助する代わりにマテュイディの推進力を活かしてボックス内に侵入させる役割を担わせるなど、有機的な配置を作る監督というイメージがあったからです。そんなアッレグリが今のユヴェントスをどう機能させたのか、観ていきましょう。

ユヴェントスの初期配置と二次配置

まず味方の配置を見るためにユヴェントスの初期配置を見てみます。

スクリーンショット (62)

ユヴェントスは4-3-3で入ってきています。この中で特徴的なのは左IHのベルナルデスキ、彼は本来ワイドでプレーするウインガー型で、昨季SBをやっていましたがIHは見たことがありません。そんな彼がどのように振る舞うのかにも注目して配置を見ていきましょう。

まずはビルドアップの場面。特徴的なシーンからその構造を分析していきます。

スクリーンショット (65)

セットプレーの直後、ブレていますが画面中央、下から二人目の白の選手(ディバラ)がCFの位置から降りてくることでボールの預けどころとなろうとしています(偽9番の動き)。それに呼応するようにアタランタも3バックの中央CBが吊り出されます。

スクリーンショット (66)

ディバラが後ろ向きにボールを受けたところから後ろでサポートを作るベンタンクールに預けます。前向きでボールを受けたベンタンクールはディバラが空けたスペースに斜めに飛び込むベルナルデスキ(画面中央の疾走する影)にスルーパスを付けました。

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この形が前半におけるユヴェントスの攻撃の主要な武器になっていました。おさらいすると、1.ディバラが中盤に落ちて後ろ向きでボールを呼び込む。2.前向きのベンタンクール(orラムジー)にレイオフパスをつける。3.ディバラが空けたスペースにベルナルデスキ(orロナウド)が入り込み、そこにスルーパスをつける。 の流れで配置が変わっていきます。場合によってはキエーザが内に絞り、大外をクアドラードが走るシーンもありました。今季のユヴェントスにおいてディバラは可変のカギを握り、攻撃の中核になると感じる試合展開でした。

続いて基本的な守備の仕方を見ていきましょう。アタランタの攻撃力もあり、基本的には押し込まれる試合展開が続きました。また、ロナウドが前にいることもあり、基本的には前からプレッシングはせずにブロックを組んで守備をしていました。以下はその一例です。

スクリーンショット (69)

基本はキエーザが右SHの位置に落ち、ベルナルデスキが左SHにずれることで4-4-2になります(場合によってはディバラが落ちて4-4-1-1)。ロナウドは最低限の限定のみで守備のタスクを軽くして、攻撃に専念させようという狙いでしょうか。ディバラもフロントスペースのケアはしつつも積極的には守備に参加せず、あくまでトランジション時の預けどころとなれるポジションにいることを優先しているようにも見えました。それ以外は通常の4-4-2ブロックのセオリー通りです。

もうひとつ守備で特徴的だったのは、アタランタに押し込む展開を続けさせ、相手を引き込んだところでボールを奪い素早くロングカウンターに行く場面です。中でも3トップの推進力は素晴らしく、1点目もCKからのカウンターをこの3人で沈めています。スプリントのスピードとパワーを兼ね備えたキエーザは常に脅威となるでしょう。

ここまでで初期配置と攻守における二次配置を確認してきました。この試合におけるアッレグリの配置のポイントはやはり先にも目を向けたベルナルデスキでしょう。初期配置ではIHに置かれながらSHやWG、時にはSTのように飛び出す大奮闘を見せていました。今季のユヴェントスはこのような配置の妙をいくつも見せてくれると思うので、これからに期待しましょう。

終わりに

適材適所の天才、稀代の戦術家であるアッレグリの手によってユヴェントスは昨季逃がした獲物を仕留めることはできるのでしょうか。先日行われた開幕節vsウディネーゼでは完璧に近い形で折り返した後、大胆なシステム変更などの結果一気に追い付かれあわや敗北といった危うい試合を繰り広げています。まだまだブラッシュアップすべき部分は多そうですが、期待のかかるシーズン、長い目でこの物語の結末を見てみましょう。

では今回の記事はここまで。また次の記事でお会いしましょう。それでは。

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