自己流分析方法

お久しぶりです。あっつベルです。久々の記事、いろいろと迷いましたがこのタイミングで私なりの分析について書いていこうと思います。執筆段階でのメソッドですので、また活動を続けていくうちに変わっていくと思います。それを踏まえたうえで最後までお付き合いください。

分析を始めたワケ

まず手始めに私が分析に目覚めるきっかけをお話しします。

時は2020年初頭、世界が未曽有の大災害に襲われるほんの少し手前、私は社会人である兄から「本棚に入らない」との理由で要らなくなった本を大量に実家の書斎に収めるために渡されました。その中に数冊混じっていたのがサッカーに関する書籍。たしかこの辺りだったと記憶しています。

それが運命の分かれ目、その本を読んだ私はサッカーを『戦術的に』観ることにどっぷりと浸かり欧州サッカー界が再び動き出すのに合わせてサッカーの沼にズブズブと落ちていきました……

その後なんやかんやあってナポリを愛し大学で分析スタッフとして働き始め今に至りますが長くなるので割愛。ということで早速分析の話をしていきましょう。

分析ってなに?どういうことするの?

というとんでもない見出しをつけました。思い付きです。

「分析」とひとくちに言ってもその内容はピンキリです。プロクラブの専門のチームが複数の映像や分析ツールを用いて行うものから、私が普段サッカーをみてノートを取ったりツイートをしたりするレベルまで、様々なスタイルがあります。その懐の深さ、サッカーどころかスポーツ未経験者ですら楽しむことが出来るという部分に私は「分析」の魅力を感じています。

また、とある方のとある記事で分析には3種類あると書かれていました。『簡易分析』『詳細分析』そして『リアルタイム分析』です。読んで字のごとく映像のみを用いて簡易的に行うもの、メソッドを持ち分析ツールを扱ういわば専門家によるより精密なもの、そして試合を観ながらリアルタイムで分析するものの3つです。

上記2点を踏まえて、今回は初歩的な簡易分析について書いていきたいと思います。簡易分析はハイライトを見たり、プレイヤーならば自分の試合映像を見ながら簡素に、かつポイントを絞って分析し結論を出すことが出来るからです。ほかの分析方法の自己流メソッドについてもいずれ書き留めたいと思います。

分析の方法

いよいよ実際のメソッドに入っていくわけですが、サッカーに限らず分析する際には「基準点」が必要だと思っています。基準が明確でなければ何が成功で何が失敗なのか判別がつかないのでね。というわけで今回はオーソドックスな『スペース』に焦点を当てた分析をしていきたいと思います。その他も近いうちにやります。多分。

分析の基準点を見つけたらまずはその場面の映像から基準点がどれくらい分布しているか読み取ります。わかりやすく画像があった方がいいと思うので、以下YouTube セリエA公式よりスペツィアvsナポリから画像を拝借していきます。

スクリーンショット (3)

0:35秒、画面に映るのが青いユニフォーム、ナポリの狙うゴール。こちらを向いたナポリの選手から前向きのナポリの選手にパスが出されます。ここで原則に沿ってスペースを探してみましょう。

スクリーンショット (4)_LI

汚い字と雑な線で申し訳ありません。この画面から見えるスペースに番号を振りました。では次に、各スペースは相手にとってどれほどの危険性があるのか・どう使うのがいいのかについて考えていきます。

まず、1のスペースは、ゴール前で相手の2CBの間に空いた空間です。ここにボールホルダーが直接ボールを運ぶのは難しいですが、画面外から走りこむ選手へのスルーパスなんか刺さりそうだなぁ......くらいで大丈夫です。

次に2のスペース、落ちてきたSHとCBの間のスペースです。一見すると使いづらいスペースに見えますが、走りこんでくる味方にスルーパスを合わせるもよし、自分でカットインするもよしの意外と使い勝手のいいスペースになっています。余談ですが、SBとCBの間に空くこのようなスペースを「チャンネル」と呼び、攻撃側は狙うべきスポットになっています。詳しくはググってください。

最後に3のスペースについて。ここは敵がおらず大きなスペースが空いています。しかし、敵がいないということは守備の優先度が低いということ。ゴールからも遠いので積極的に使う場所ではありません。

ということで3つのスペースを確認したところで、『人・ボールが動くことで起こる変化』に着目して続きを見ていきます。

スクリーンショット (7)

0:39、あえて3のスペースに入り、前にいた選手も絞ることで後ろからオーバーラップするスペースが生まれました。このような状況が動くことによって、次々と場面は切り替わり、スペースも変わっていきます。ここを時には動画を止めながら確認することこそが『簡易分析』における大事なフェーズだと私は思います。

スクリーンショット (8)

0:41のシーン、グラウンダーのクロスが上がる場面です。ここでも下図のように相手の視野の外でスペースを見つけて入り込んでいます。

スクリーンショット (8)_LI

ゴール前で5人に囲まれながらもぽっかりと空いたスペースとマイナスで相手選手の背中を取った選手と理想的な位置に選手が配置されています。このゴールへの嗅覚は素晴らしいです。

スクリーンショット (9)

最終的にはゴールの目の前でクロスに合わせ、得点しています。

目まぐるしくボールと人が動き、刻一刻と状況が変わる中でピッチの中からすべてを見通すことは難しいです。しかし、このようにプロの試合を見たり、自分自身の試合を振り返ることで自分の引き出しを増やすことが大切だと思います。

終わりに

今回は『スペース』に焦点を当てた『簡易分析』の一例を取り上げてみました。この記事を読んだ皆さんもぜひ推しチームや自分の試合から分析を始めてみてはいかがでしょうか。意外と奥が深くて面白いですよ。

近いうちに他の分析方法についても書くつもりです。

では今回の記事はここまで。また次の記事でお会いしましょう。それでは。

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