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姫ファンタジーストーリー5

「姫さま~姫さま~!!」朝から婆の声がお城に響き渡ります。

鳥たちが一斉に飛び、お城とその周囲は騒然としました。

姫さまは「婆ば、ここよ~捕まえてごらんなさい♪」と、若い娘の声がします。

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「あはははは~♪おほほほほ~♪」それはそれは楽しそうです。

「姫様!危のうございます!」婆ばは冷や汗が手のひらに滲み、声が裏返るのを感じながら天井近くのそこを見上げた。

姫は、天井のシャンデリアの上に楽し気に登り、ざわつくお城の住人たちを見下ろしていた。
姫のドレスは、それは優雅にふわふわの毛に覆われており、それこそ琥珀色の輝きを窓から差し込む朝日の中で放っていた。

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これが、初めて森から来た時には何の教養もなく、お手洗いの方法も分からなかったような姫の今のお姿です。
それは、最初からお城でお育ちになったように気品に満ち溢れ、それでもどことなく野性的な魅力があった。

婆ばはどうしたものかと、腕組みをした。
「あ!ボン様にきてもらって、この状況をどうにかしてもらいましょう」といい、ボン様の寝所の方へ走り出しました。

その頃、ボン様は、入念に身支度を行い、顔を洗っている途中でした。
「ばたん!」寝所の扉が勢いよく開き、そこには血相を変えた婆ばが立っていました。

「分かっているよ、婆ば」とボンは軽く笑いながら、「まったく、最近の姫ときたら・・・」と、のんびり服の皺を伸ばしたりほこりなどを払っている。
「分かっているんなら、早くおいでませ!」婆ばは真っ赤になって「ボン様しかあの姫に届く者はこのお城にはおりません!」と言った。

婆ばはボン様の背中を押して、寝所から広間へとボン様を引っ張って行った。ボンは「婆ば、血圧が上がりますぞ」と笑いながらされるままにされていた。

広間のシャンデリアの上にいる姫が、バランスを取りながら寝そべったり向きを変えたりするたびに、シャンデリアが大きく揺れ、人々は「ああ~」と口を開けて見上げているしかなかった。

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そこへ、広間の扉が大きく開いて婆ばとボン様登場。
それを見た姫は

「あっ!ボンお兄様あ~」と声を上げ、華麗に身をひるがえして「ぴょ~ん」!!と天井近くから飛び降りたから、一同の者たちはビックリ!!

そんな者どもを気にも留めず、ボン様と姫は朝の挨拶を交わした・・・。

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周りのものはホッとしながらも、そのあいさつの様子にほのぼのとした気持ちになり、ボン様と姫様の婚礼の準備に取り掛かるのであった・・・。

明日はお披露目の婚礼式典。

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あれから、姫とボン様の功績は目覚ましいものがあり。ボン様の良き伴侶として、姫様も習いながら、その運動能力を発揮して王様から何度も表彰を受けたのでした。

「そなたたちは、互いに手を取り合い、助おうてこの国の守護として、末永く国民を守ってくれ。」
「はい、王の中の王様、お誓い申し上げます!」ボン。
「ボンお兄様と、お守りいたします。」姫、

誓いあい、指輪の交換をした。

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明日は披露宴、国を挙げてのお祝い、国民の祭日だ。

ボン様、姫様の存在が国民にとって大いなる安心を与えてくれた。

「おめでとう~」「おめでとう~!」お城の周りには、一目ボン様と姫を見ようと詰め掛けた人たちで押し合いへし合い。


婆ばはその様子を目を細めて眺めていた。

ふと、背後に気配を感じて婆ばが振り返ると、そこには王様が立っておられた。「これは、王様」と慌てる婆ばの肩に手を置き。王様は言った。

「婆ば、いやグレース・・・。そなたに伝えたいことがある。私の妃として、この国を一緒に新しくして行って欲しい。」

「えっ!」婆ばは慌てて「このような婆ばに、王様もご冗談が過ぎます」赤面して否定した。

しかし、王様は「そなたはワシの3歳下じゃ。婆ばという呼び名自体が、そうさせておるのじゃ。今日から、そなたはグレースと呼ばれるようにしよう」と膝まずき、手を取ってその手の甲にキスをした。
婆ばは、嬉しくて涙が出た。
王様にお仕えして40年、いつも王様のお近くでそのお仕事を支えてきた。先のお妃さまがお亡くなりになったときも、精一杯お支えしたことなど走馬灯のように思い出された。「もう妃の喪も明けたのじゃ・・・あれから、10年経つぞ。」と、遠い目で思い出されているようでした。

そして、民衆の前に立たれると「静まれ!」と威厳をもって「妃を迎えるぞ!」と言い、婆ばの手を高くかざして、「明日からグレースと呼ぶように。」と、おっしゃった。

民衆は大喜びで、互いに抱き合い涙を流している者もあった。「グレース!グレース!」と歓声の中、王様は民衆に手を振り応えた。

明日は王様と新しいお妃の、そして、ボン様と姫の合同結婚披露宴です。
「さぁ、ボーッとしてないで、私たちは仕込みにかかりましょう!」と、料理長のタヌゥーが女性たちを見事に仕切って、張り切って美味しいお酒と美味しい料理を振る舞う準備をしています。

ドレスコードは、お着物、ドレスどちらでも構いません。

皆様のお越しをお待ちしております。

≪おわり≫

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