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Mリーグ2022レギュラーシーズン第9週

今週は、日本が、優勝候補のドイツに続き、スペインまで2-1で勝ち、トーナメント進出を決めたサッカー日本代表の応援と話題で圧倒された1週間だった。そんな週でもMリーグ2022レギュラーシーズンは熱い試合が展開されていた。

1.今週のチームポイント

1.ABEMAS 561.2 pts(+102.0 pts →) 
2.麻雀格闘倶楽部  206.9 pts(+140.6 pts ↑1) 
3.風林火山 202.3 pts (▲46.2 pts ↓1) 
4.Pirates ▲115.6pts(▲14.1 pts ↑1)  
5.フェニックス ▲123.4pts(+35.2 pts ↑2) 
6.雷電  ▲142.7 pts(▲49.3 pts ↓1) 
7.サクラナイツ ▲195.8pts(-93.6 pts ↓1)  
8.ドリブンズ ▲392.9 pts(▲74.6 pts →)

2.今週のチーム状況

AMEBAS 独走
麻雀格闘倶楽部・風林火山 安定
ドリブンズ 最下位独走


今週のMリーグは、渋谷ABEMASが安定した強さを発揮して遂に500ptsオーバーを突破した。トップチームは有無を言わさぬ強さを魅せつけた方が良い。

風林火山は、ABEMASとの直接対決が2戦ありましたが、首位奪還とはならなかった。麻雀格闘俱楽部は、ここ2~3週間下落気味でしたが、佐々木・高宮の2連勝によりプラス2桁に復帰した。

4~7位のPirates、フェニックス、雷電、サクラナイツは選手の状態とチームポイントは、混戦気味。中盤戦では、この4~7位のチームが上昇するのか下落していくのかが振り分けられる大事な局面となるだろう。

8位のドリブンズは、先週に続き今週もどんよりした成績で、今のペースだと年末時点で8位当確ランプが灯る恐れがあり、巻き返しが必要です。

2-1. ABEMAS

麻雀星人 襲来

今週のABEMASは、白鳥2着、日向2着、松本2着、多井1着とABEMASらしい強さを発揮した。

2022年12月1日(木) 第1試合 瑞原・松本・内川・亜樹戦における松本選手は、本来トップを獲り切らなければならない得点だった。瑞原選手の面前混一チートイツの「發」待ちの黙聴に対して、満貫を放銃してから一気に崩れて2着となった。瑞原選手が上手かったというのもあるが、5万点オーバーから失速したのは、充実している松本選手にしてはらしくなかった。

2022年12月1日(木) 第2試合 岡田・瑠美・多井・鈴木優戦では、久しぶりに登板した麻雀星人こと多井隆晴選手の麻雀は美し過ぎた。

麻雀を強くなりたい人達に強調したいのが、南局。
初期手牌で赤2、567の三色が伺える好手牌。
その過程において、5m赤5m7mを外して14p待ちに手牌を進行させている所を兎に角味わって欲しい

この手順を素直に打てる人は、そういません。

多くの打ち手は、赤5m7mと567の3色に拘って、最終系の待ちが間6m待ちになっている。勿論、多井選手は赤と3色の合計3飜がピンフ1より高いことは、100も承知だ。

多井選手は、最終系が258sでリーチを掛けられる手順になるならば、赤5m7mを採用していただろう。即ち間6pと間6mがソウズより先に埋まる手順になっていたならば。

自摸の手順から、2p、6p自摸と筒子の勢いが有り、その間に萬子は一切引いてこない。自分の手牌の枚数と河の情報から判断しても萬子は場に高そうな牌種である事が推測できる。それらの事を複合的に判断して、2pを活かした14p待ちに変化させた手順は、美し過ぎる手順だった。

・飜数(ドラや手役)に捉われずに伸びている牌種を活かすこと。
・カンチャン・ペンチャン・単騎より両面待ちが和了易い。
・ドラ傍や赤に近い47、36待ちより14や69待ちの方が優秀。
・早い巡目で5mを切ると6の筋(36待ち,69待ち)は他家から警戒される。
・無理して高打点を獲る必要性が無い点棒状況では、和了易さを優先する。
・和了易さは、間接的な守備となっている。(リーチを掛けてから早い巡目で和了する事で、他家の反撃を予防する。)
麻雀は、和了って初めて加点される。(和了なければ聴牌料のみ)

と最速最強の麻雀星人のノウハウが凝縮した1局だった。

この試合は、繰り返し再生で何度も多井選手目線で勉強して下さい。この試合の多井選手の考え方や判断基準は、非常にレベルが高いので教材として非常に優れています。是非、何度も見直して1手1手自分で「何切る」をやって、多井選手と貴方の手順の違いを浮き彫りにすると良いでしょう。

チーム全員の活躍で、ABEMASは遂に500ptsオーバーを超えた。
私は、見せかけの混戦は欲していない。強いチームがベストの稼ぎをみせて、圧倒的な強さを魅せつけた方がMリーグの発展に必ず貢献すると思う。

2-2.麻雀格闘倶楽部

久々のチーム一丸
エース寿人と高宮で2連勝

今週の麻雀格闘倶楽部は、滝沢2着、伊達3着、佐々木1着、高宮1着と久しぶりにチームが一丸となって、大幅なプラスを持ち帰った。

先週は、逆2連対と魔王が休憩なのか不調期に入ったか、心配されたが今週の試合内容を振り返ると恐らく休憩だったようだ。高速リーチ、高速計算、高速申告、高速守備の切れ味は鋭かった。

12月2日(金) 第2試合 高宮、鈴木たろう、本田、東城戦において、ここ最近調子の良い本田・東城選手相手に高宮選手は、充実の6万点オーバーで盤石なトップを獲り切った。このトップにより、チームは2連勝となりチームに風が吹き始めたのかも知れない。

2-3.風林火山

亜樹  個人3連勝

今週の風林火山は、松ヶ瀬4着、亜樹1着、亜樹3着、瑠美3着と亜樹選手の個人3連勝目がチームを下支えした週だった。個人3連勝と調子が良いが、精神的に追い込まれている状況を伺えるので、もう少し肩の力を抜いてどのような結果・内容になろうとも対局を楽しんで欲しいと感じました。

風林火山は松ヶ瀬・勝又選手の強力な下支えで前半戦の乗り切ってきっていますが、松ヶ瀬・勝又選手の両選手が下振れする時期が中盤戦や終盤戦にくると思う。その下振れ時期が来た時に支えられるように瑠美・亜樹選手は、中盤戦に状態を良くしていきたい。

2-4.Pirates

白を自模れなかった小林
發で仕留めた瑞原

今週のPiratesは、小林3着、仲林4着、瑞原1着、鈴木優2着と上昇はしないもののPiratesらしくチーム全員でトントンと粘り強い週だった。

11月29日(火) 日向・小林・松ヶ瀬・近藤戦は大物手が多く炸裂した荒れ場だった。小林選手も5回リーチ5回和了5回放銃とやんちゃなスコアを残した。この試合は、久しぶりに近藤選手に手が入り捲り初トップに燃えていた。そして、小林選手も初トップに燃えており、オーラス跳満で逆転できる状況において、リーチ面前混一チートイツの跳満の白待ちを決行。リーチ時点で3枚残りで優秀な「白」が山にいない。巡目が経過すると3着目の日向選手からリーチ、更には松ヶ瀬選手も素点回復リーチが係る。
結果、日向選手の当り牌を引かされた上に、松ヶ瀬選手のリーチ棒も含めて小林選手が放銃となり、まさかの着順を落す。

小林船長は、風とか運とかを信じないデジタル派ですが、このような大逆転できそうな展開におけるときに転落は、風や運が乏しかったとしか言いようがない。

2022年12月1日(木) 第一試合 瑞原・松本・内川・亜樹戦。松本選手が東場で5万点オーバーとなり、好調な松本選手がトップを獲る展開と思われた。そんな中、南2局の瑞原選手の面前混一チートイツの手順がお見事だった。
これは、面前でチートイツを意識しなければ手にもなっていないし和了も拾えていない。食い散らかして仕掛けていたら手にもなっていないし、和了も無い上に打点も無い。「發」待ちの黙聴牌に構えていた技ありの和了が松本選手のリズムを狂わせて、逆転トップを獲ったのは非常に大きかった。

2-5.フェニックス

フェニックスの父近藤 初トップ

Mリーグの芸術家近藤誠一選手。今期の序盤戦は過去に類を見ないぐらいに近藤選手が苦労していた。10月、11月の近藤選手が手牌が悪すぎて守備重視のチートイツや国士無双を何度みた事だろうか。そして、個人スコアランキングにおいても最下位を漂うなど近藤選手の実力を考えるならば有りえない事ばかり起きていた。チームもフェニックスの父近藤に引きずられていまいち弾けていかなった。

そんな中、2ヶ月ぶりぐらいに手牌が弾んでいた。そして手牌の選択もいつもより早い決断が下せていた。手牌が弾んでいる時の近藤選手がトップを取りこぼす事は無く盤石なトップを獲り切った。

今週のセガサミーフェニックスは、近藤1着、魚谷3着、茅森2着、3着と及第点。女性陣は弾き切れてはいないが、ここ2~3週間で全員が内容を伴う爽快なトップを獲っており、近藤選手が集合してやっと中盤戦に向けて上昇態勢にできそうな気配が出始めている。

2-6.雷電

困ったら本田

今週の雷電は、本田1着、黒沢4着、瀬戸熊4着、本田2着と本田選手が1人、気を吐く。本田選手は、雷電で一番若い選手なので、黒沢・瀬戸熊選手が崩れた場合には、1週間4連戦を視野に入れても本田押しでやり切るべきだ。今、雷電は崩れかかっているので、年内プラス領域に戻すためには、本田選手の気持ちと体力次第だが連闘したい。

雷電の来週の試合は、非常に重要です。来週大幅マイナスを計上するならば、ドリブンズと身近なポジションまで下がる可能性があるので、来週は非常に踏ん張り所です。

2-7.サクラナイツ

渋川牽引
チームは下降ムード

今週のサクラナイツは、堀4着、渋川1着、内川4着、岡田4着と先週の好調から一転、不調な1週間となる。

ここ2週間渋川選手の状態が非常に良く、サクラナイツは迷ったら渋川登板で年内凌ぎたい。チームが上昇するには、内川・堀選手の連帯が必要です。

2-8.ドリブンズ

ドリブンズ 苦戦

ドリブンズは、先週に続き今週も苦戦している。村上3着、園田2着、丸山3着、鈴木たろう4着と冬の寒さを感じる着順となっている。
チーム全員が手牌が悪い中、選択が大振りになっていないか、自摸に逆らった手役や牌種を選んでいないか、鳴き・面前の切替は正しいかなど、ここ2週間で各選手の負けた理由を明確にしていかなければ、運だのみの配牌頼りになってしまう。

個々の内容を精査すれば、落としている着順が必ずあるはずなので、中盤戦では1つの順位でも上げていく事がとても重要になってきます。
年内12月末までに何とかマイナス200前後までには戻さなければ、ドリブンズは早々にレギュラーシーズン敗退の当確ランプが点灯する可能性が出てきました。

3.今週のMVP

・渋谷 ABEMAS 多井隆晴 選手

久しぶりに登板した渋谷ABEMASのエース多井。麻雀星人の名に恥じない数々の優れた技術を披露し、完璧な試合を展開した。2022年12月1日(木) 第2試合 岡田・瑠美・多井・鈴木優戦の多井選手の全選択は、何度も繰り返して1手1手の選択を味わって下さい。非常にレベルの高い教材です。

4.今週のこの一手

・Pirates 小林剛選手の待ち変え一発自摸

2022年11月29日(火) 第一試合 日向・小林・松ヶ瀬・近藤戦 南2局.
日向選手が猛烈な勢いで筒子の染めてを目指して仕掛ける。
小林選手が、この形で聴牌した瞬間に黙聴牌を始める。この時点の手役は平和ドラの2飜である。そして、4ソウ自摸により、7ソウと入れ替えて高め一盃口の1飜も見えてきた。多くのプロは、7ソウを切りリーチとするだろう。ここで小林選手が選択したのは、なんと5s切りリーチ。

平和・高め一盃口のほぼ2飜を捨てて、リーチを決行。
次巡1ソウを一発で自摸り、満貫となる。

普通のプロやアマチュアは、7s切りリーチで問題無い。小林選手の経験豊富なコンピューターが、1sと1mを狙いに定めた方が和了易いという判断をした至極の「今週のこの一手」でした。

※.この技術は、膨大な経験と河読み、山読みの技術が高い選手ならではの技術です。経験の浅いプロやアマチュアは、7s切りリーチで問題有りません。

5.その他

2022年12月02日終了時点の個人スコアとなります。

©https://m-league.jp/

ご覧の通り、ABEMAS全員がランキングし、チームとしての強さが伺える。
全体的に昨年より個人スコア上位者がまったりしている。全体を刺激するために、上位10名の選手は、隙あれば個人連勝により、個人スコアとチームポイントの両方を上げてMリーグを盛り上げていきたい。

10月から開催されたMリーグレギュラーシーズンも2ヶ月が経過して、既に中盤戦に突入している。年内プラス域にいるチームは更に上昇し、マイナス域にいるチームは年内にプラス域に持っていきたい。

サッカーワールドカップが開催されており、Mリーグ視聴者を引き付けるのが難しい期間になっていますが、選手が命ある重みのある打牌を選択しブラボーな試合内容を展開していけば、試合に熱が帯びていくだろう。

今週末から寒気が訪れて、本格的な冬が到来しています。
暖かい恰好をして、温かい鍋などを食べて、風邪など引かぬようご自愛ください。その上で、Mリーグ視聴ライフを楽しもう。

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