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囲碁普及大作戦-昭和からの脱却

囲碁をこよなく愛する筆者が、囲碁の普及を真剣に考え、問題となっている真因を考え、それに対する具体的解決案を提示するnoteです。

1.はじめに

私が日頃、通院している病院で仲良くさせて頂いているZ世代の技士とありきたりの日常会話をした。

技士「○○さん。今日どうされたのでしたか?」

自分「最近、日本囲碁界の事ばかりを考えて、どうしたら良くできるのかを真剣に考えているんですよ。」

自分「そこで、行きついた仮説の結論が、時代は既に令和になっているに日本囲碁界はスポンサー、運営者、ファンの主体が常に『団塊の世代(昭和の象徴)』を中心に動いているという事なんです。」

自分「今の時代、ありとあらゆる会社や組織、そして娯楽まで伸びている業界というのは、若い人が参加して前線に立っている世界じゃないですか。」

技士「何か、わかります。病院もそういう所ありますね。囲碁ってお爺ちゃんの趣味ってイメージです。」

病院業界でも世代交代できていない病院が多くあり、70近い頑固なお爺さん医師が前線に立ち、若い下の人の意見を一切聞かずに若い人達が爺様医師に気を遣い配慮している。そのような病院では、新しいサービスやQOLが向上せずに病院では対応が難しい高齢の患者ばかりを扱う羽目になる。そして、団塊の世代ばかりをターゲットにした病院は、非常にコストとスタッフに負担が掛かり、次第に優秀な医療スタッフ達が転職してしまい、負のスパイラルに陥る構造が有ります。

自分「貴方(Z世代)の世代は何流行っているの?」

技士「麻雀ですかね。MリーグとかYoutubeとか」

Mリーグ開幕当初からMリーグnoteや麻雀系noteを記載してきた反面、最近は日本囲碁界を何とかしたいという気持ちの方が強いので、この反応には嬉しくもあり、悔しくも感じ切ない感情が一瞬芽生えた。

自分「そうだよね。グラビア系の綺麗な姉さんや若くてイケメンの雀士が出演されているからね。それで、イベント系も充実していてファンが気軽にそのMリーグに出演されているプロ雀士と麻雀打てたり、写メ撮れるもんな。」

技士「それと、麻雀は強い人にたまに勝てたりするじゃないですか。」

自分「そうだよね。麻雀は運が絶好調の時には、プロ雀士にも稀に勝てるかも知れないもんな。囲碁は、ハンデつけても強い方が必ず勝つゲームだからね。」

2.日本の世帯別人口ピラミッド

日本はご存じの通り、「つぼ型」であり70~74歳の方々の団塊の世代が10数年前までは一番人口の多い世帯であった。最近では、団塊の世代Jrである50歳前後の世帯が一番多い。

このグラフは、常に囲碁界が市場の分析をするにあたり、頭の片隅に置かなくてはいけない資料です。

例えば、団塊の世代に対する囲碁普及率が10%だとすると団塊の世代の囲碁人は、886万人×10% = 88.6万人となります。
もし、団塊の世代Jrに対する囲碁普及率が5%だとすると団塊の世代の囲碁人は、940万人×5% = 47万人となります。

ヒカルの碁世帯(30~34歳) が囲碁普及率が8% だとすると
620万人 × 8% = 49.6万人

何となく、過去の大会に参加した私のミクロ視点の体感と合致する感じがする。そして、団塊の世代Jrとヒカルの碁世代を足すと明らかに団塊の世代の囲碁人口を超えている。潜在的には、ヒカルの碁世帯が団塊の世代Jrより大きな囲碁人口だと思う。

では何故、囲碁は爺様の競技なのだろうか?

3.何故囲碁は爺様の競技

ヒカルの碁世代は、現在30~35歳位の世代だと考えれます。そして、社会で一番忙しい世代とも言えます。会社では中堅もしくは部下数名を抱える役職者になっている人も多くおり、一番仕事の忙しい時期だとも言えます。
更には、この世代は既に既婚者であり小さなお子様の子育てをしている世代だとも言えます。

平日月曜日から金曜日まで大概残業続きで仕事をし、週末は家族サービスに追われる日々。たまの休日は、ご家族で買い物やレジャー、外食、子供達が興味ある娯楽の付き合いなど。とてもじゃないが、ヒカルの碁世代の囲碁人であっても、ご家族を持たれた世帯は囲碁を1日楽しむゆとりが有りません。

すると必然的に囲碁のフロントに立つ世代が絞られてきます。
・囲碁の就任式
・七大タイトルの解説会
・碁会所
・囲碁の大会
・囲碁の後援会
・囲碁のイベント
これらに一番顔を出す世代が、既に現役を引退され年金や預貯金で余生をノンビリ楽しむ世帯になっているイメージが強いです。

日本囲碁界は、今まで団塊の世代を大きなパイとしてその世代が受けるための囲碁界を構築してきました。

・新聞社経営者
・新聞社担当
・スポンサー担当
・政治家
・文科省大臣・官僚
・後援会

団塊の世代の爺様達の天の声を意識して、その世代の受けが良くその世代の意に反しない、今までの昭和のやり方を伝統・文化と言いつつ世の中が色々と変化している中、囲碁界だけは取り残されたように常に同じ表現方法を継続しています。

日本囲碁界がこの団塊の世代を中心とした鉄のヘキサゴンの長をそれぞれ意識して雁字搦めになっている事が、囲碁界の成長を妨げています。

今、日本囲碁界が健全に回復するには、若い世代の発想・文化を尊重し、若い世代が中心になって運営し、失敗してもいいから若い人達を意識した表現方法にドラスティクに表現していく必要性があります。

4.麻雀も爺様競技だった

実は、6年以上前の麻雀業界も団塊の世代を中心とした爺様競技でした。
恐らく、日本囲碁界とほぼ同じような世代別の競技人口比率だったと思います。

下町の雀荘店や場末の雀荘店にぶらりと入ると碁会所顔負けの爺様や婆様が店内に多くいました。勿論、歌舞伎町・池袋・渋谷・新橋・銀座・六本木・吉祥寺などの都心の主要駅では、仕事帰りのサラリーマンが多かったです。

それが、2018年8月7日から麻雀業界は歴史が動きました
そう、日本最高の麻雀チーム戦「Mリーグ」です。

Mリーグは、麻雀をこよなく愛す日本IT業界のビル・ゲイツことサイバーエージェント代表取締役 藤田 晋氏が周囲の力ある企業の社長達に声を掛けた事から始まった。

Mリーグも既に5年目ですが、関係者の努力は素晴らしい物があった。客観的に視て全関係者(社長、社員、プロ雀士、メディアなど)が「熱狂を外へ」をスローガンにここ5年間若い世代を中心に死に者狂いで走り続けた。

その結果、ABEMAで放映されるMリーグを視聴する人数は年数を重ねるごとにPV数は増えており、観る雀が定着した。更には、今まで爺様の癒しの場の1つだった雀荘店にも20~40歳の現役世代が非常に増えた。

そして、今まで囲碁・将棋にならぶ爺様競技の定番である麻雀は、ここ5年のMリーグを中心とした改革により、一気に若い人達中心の競技というイメージが定着した。

では、何故Mリーグがここまで成功した理由は何か?
私は一番の理由は、若い人達を中心に若い感性で競技を表現したことだと思っている。映像やプロモーションそして音声、映像、有とあらゆる要素を分解してみても若さが感じられ、昭和臭が感じ難い。

最初の投資したお金があれば誰でもできるでしょう
違います。

お金があっても、若い人達が主体で若い人達の感性を尊重しなければ成功しません。

5.麻雀とSNS

この図は、Mリーグの影響の輪を示すために普及活動に影響のある人員を示した人数である。※.人数は概算です。

1.Mリーガー32名
 麻雀業界からMリーグに出場できる選手は、32名のみです。
 32名は麻雀プロの円の中心を意味しますが、図に表記するのが困難なので図に表記できていません。

2.麻雀プロ3000名
   麻雀競技は、凡そ3000名の麻雀プロが存在します。
  麻雀プロは、囲碁や将棋と異なり、ピンキリの人が所属しています。
 ・アイドル系
 ・会社員(兼業)・アルバイト(兼業)
 ・タレント系
 ・専業(麻雀競技関連を主たる仕事とする)
ここで重要なのが、プロと呼べるのかという議論はありますが、Mリーグを積極的にSNSやYoutube等で宣伝する実働部隊が3000名いるという事です。

3.麻雀プロのファン30000名
麻雀プロ1人に10人平均のファンが付いていると仮定します。
すると3万人の実働部隊が、Mリーグや推しとしている麻雀プロの活動を応援したり、後方支援するためにTwiiterなどでリツイートしたりいいねをしたり、ツーショットの写真をアップします。

3万人の内1000~2000人の方々が、Mリーグを視聴して一斉につぶやくとYahooなどのWebサイトのトレンドに上がります。

4.纏め
即ち、活動の中心となるコアメンバーが若い世代に通用する表現方法と選手を起用し、若い人達に訴え続ける後方活動を継続してきたのが麻雀業界でありMリーグです。

日本囲碁界が生まれ変わろうとするならば、若い人への目線と感性が絶対的に必要です。日本囲碁界が生れ変わろうとするならば鉄のヘキサゴンの呪縛から解放された自由な表現をしなければなりません。

6.麻雀の聖地

都内ではMリーグの競技イメージと連動した雀荘店が幾つか存在します。

1.麻雀オクタゴン

この店の経営者は、サイバーエージェントの執行役員が担当しています。即ち、藤田社長の誇りに賭けて、最新の全自動麻雀、近代的そしてMリーグをイメージした内装、HPの構成と細かい所全てに行き届いています。

2.MLスタジアム

是非、囲碁の普及を考える方々は、Mリーグを視聴してこの2つの娯楽施設に顔を出して勉強して下さい。

そして、HPの作り・内装・接客・イベント・店主・客層・イメージなど事細かい全てを勉強して下さい。日本棋院のBigBossさとるんを筆頭に理事全員で社会勉強をするのも良いかも知れません。

7.ℐリーグを発足せよ

プロアマ混合ℐリーグとは、頭脳のスポーツを象徴するintelligenceの頭文字とIGOのIを意味します。Mリーグのようにスポーツウエアのユニフォームを着て戦うチーム戦です。

チームは、
・5人チームで構成し、チームリーダーはプロ棋士。残4名はアマチュア。
・1日合計4試合を戦い、総合結果の良いチームを優勝とする。
・チーム名は通年継続する名前を付ける。
・当日の様子は、後日Youtube動画で放送する。
・参加者のアマチュアは、参加費用とYoutubeが放送可能な方に限る。
・アマチュア参加者の名前は、本名でもハンドルネームでも良い。
・小口スポンサー(ユニフォーム代、運営費)を集め、ユニフォームにスポンサー名を印字する。
・開幕式と表彰式には、「World in  Union」をガン流し。
・尚、参加したアマチュアはユニフォームを参加賞として貰える。

真剣にやれば、できるでしょう。

これをベースとして、思考を飛躍すればやれない事は無い!

8.住み分けが大切

麻雀業界が有る程度成功している理由の1つに「住み分け」がある。
それは、
・高齢者が多く集まる娯楽施設
・20~39歳中心の若い世代が集まる施設
・40~65歳位の中年世代が集まる施設

これが雀荘店の歴史と文化の違いにより住み分けができており、若い人達が初めて参加したい場所も決まりつつある。

囲碁界は、ごっちゃ煮で碁会所=爺様というイメージがある。
これを回避するには、やはり都内でもどの世代に強いのか業界全体でカラー付けが必要になると思う。

9.オクタ碁ン

ℐリーグが人気がでれば、ℐリーグをコンセプトとした碁会所が欲しい。
日本囲碁界の「オクタゴン」否「オクタ碁ン」が欲しいです。

若い人達が、想い出作りに記念撮影をして、ℐリーグの雰囲気を味わえ野生の棋士に気軽に出会える囲碁の聖地となる碁会所が欲しい。

10.日本棋院ツーショットサービス

私が、日本棋院に所属する若い男性棋士に対応して欲しいサービスがあります。それは、女性ファン限定の棋士とのツーショットサービスです。ツイッター、インスタグラムに普及活動をする事を前提に女性ファンにサービスを良くして欲しい。

特に若い女性にサービスを良くしていると自然と囲碁界に足を運んでくれる回数が増えてきます。若い女性が業界全体で活性化すれば、自然と若い男性達も増えてきます。

不特定多数のインターネットの世界に顔を出すのは、一部の棋士にとっては、ストレスになるかも知れません。

それでも囲碁界を全力で盛り上げるためにイケメン男性棋士と美人棋士達は、表にガンガン顔に出よう。

11.結論

日本囲碁界は、団塊の世代を中心とした鉄のヘキサゴンを意識し過ぎて、表現方法が昭和のまま維持している。色々とチャレンジしたい事は、アマチュア囲碁界を踏み台・試験紙として真剣に試してみたらよい。

もし、プロアマ混合のチーム戦のℐリーグに、新しい時代に向けた表現方法が時代に会うならば、それを全面的にプロ業界に逆輸入すれば良い。

日本囲碁界の住民達よ、このnoteに記載した社会勉強をしてみて下さい。勉強になる事が多いはずです。

乱雑な文章を最後までお読み頂き有難うございました。

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