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Mリーグ2022レギュラーシーズン第11週

Mリーグが開催されてから早3ヶ月近くが経とうとしている。
気が付けば今年のMリーグも来週1週間でラスト1週間という所まで来た。

それでは、今週のMリーグを振り返ろう。

1.今週のチームポイント

1.ABEMAS 453.4 pts(▲9.4 pts →)  
2.風林火山  209.6 pts (▲49.5 pts →)
3.麻雀格闘倶楽部  159.0 pts(▲35.4 pts →) 
4.Pirates 95.7pts(+102.7 pts →)  
5.雷電  ▲44.3 pts(+41.0 pts →) 
6.サクラナイツ ▲189.9 pts(▲41.6 pts →)  
7.ドリブンズ ▲308.3pts(+90.9 pts ↑1)
8.フェニックス ▲375.2pts(▲98.7 pts ↓1) 

2.今週のチーム状況

Pirates躍進
ドリブンズ踏み止まる・フェニックス陥落

今週のMリーグは、全体として女流選手が良くも悪くも暴れた週だった。

渋谷Abemasは、多井選手が下落を食い止める鉄のゴールキーパー振りを発揮しており、チームが大幅に下落するのを食い止めた。トップチームが高い基準で下落するのを抑えているのは、Abemasの強さに象徴されている。

2位の風林火山は小休止的な下落幅であり、気にする必要が無いだろう。

3位の麻雀格闘倶楽部は、ここ2週間下落気味で200pts以上を継続する事が何故かできていない。

4位のPiratesは、先週に続き今週も瑞原・小林の連勝により100pts以上を稼ぎだし遂に上位3チームの後ろ姿が見え始めた。そして、ここ2週間の働きを鑑みてもチームの一体感が非常にでており、レギュラーシーズントップの渋谷Abemasにジワリと近づいている。

5位の雷電は、本田選手の牽引力が素晴らしく5位を堅守する。

6位のサクラナイツは、ここ2週間張りが無く、サクラナイツファンはモヤモヤしていると思う。

そして、万年8位だったドリブンズが久しぶりに90pts加算して、ボーダー争いにギリギリ踏み止まれる現実的なポイントに復帰した。

フェニックスは、今まで根気良く踏ん張っていたが堰を切ったように大幅なマイナスとなり、非常に厳しい状況に追い込まれるポイントとなり最下位となる。

恐らくですが、今の上位陣の働き振りから視ても終盤戦のセミファイナル進出のボーダーラインは、-100~-150pts位になる事が予想されます。

2-1. ABEMAS

頼れるエース多井

今週のAbemasは、松本2位、多井1位、白鳥4位、多井3位と多井選手が踏ん張った事により先週から大きく崩れることを阻止した。
2022年12月16日(金) 第2試合 小林・多井・魚谷・瀬戸熊戦は、小林選手が狂暴になっている中の多井選手のラス回避の立ち回りは秀逸だった。

ミット打ちトレーナー白鳥翔選手が少し崩れる。
白鳥選手のMリーグに置ける役割を少し触れておきたい。白鳥選手は、日本プロ麻雀連盟所属であり、ここ数年間同じ所属団体の女流選手のミット打ちをしている。ミット打ちとは、ミットを両手に着用し鍛えたい選手に両手でボクサーのストレートやジャブなどのパンチを受けたり、たまに攻撃の隙をついてミットで反撃したりする。
白鳥選手と女流選手が同卓している試合では、白鳥選手は受けを重視した上で、女流選手に元気なリーチを打ってこい、俺が全部受け止めてやるぞということをMリーグの大舞台でやっている。
これは、非常に高い防御力と高い技術があってできる事です。
勿論、白鳥選手だけでなく佐々木、滝沢、勝又、近藤、村上などの選手も行っている。その上で、男性ガチ勢と女流ガチ勢(主に伊達・瑞原選手)の対戦はミットでなくグローブを付けてガチでやれる事を全力でやります。

ここ2週間白鳥選手が崩れているのは、ミット打ちのトレーナーではなく一ガチ選手としてグローブを付けなければいけない時期だという事でしょう。即ち自団体の女流のトレーナより自チームのポイントを確保する事を優先したい。

2-2. 風林火山

瑠美爆発

今週の風林火山は、亜樹4着、勝又3着、瑠美1着、松ヶ瀬4着と瑠美選手の7万点オーバーのトップが輝いた週だった。
病明けから久しぶりの登板した瑠美選手は、運気に溢れていた。

ドラが毎局続々と集合し、手も本手が寄ってくる。それを持ち味の中央に寄せて本手好きドラ好きがマッチした上で冷静に黙聴牌で和了6回を決めきる。

2-3.麻雀格闘倶楽部

高宮 ボディ麻雀

今週の麻雀格闘倶楽部は、佐々木3着、伊達4着、滝沢3着、高宮1着と高宮選手のボディ麻雀が輝いた週だった。

2022年12月15日(木)第2試合 松ヶ瀬・堀・園田・高宮戦。高宮選手目線からみると対戦相手は、松ヶ瀬・堀・園田と各団体の上質選手であり格上です。
高宮選手が、このガチ勢3名に対して、総帥前原雄大プロ張りにボディ麻雀(理屈ではなく自分の攻撃姿勢を主張する麻雀)をやり続けてガチ勢3名を倒し切った。

松ヶ瀬選手の親番に対して、真冬の寒いこの時期に高宮選手がボディ麻雀をやり過ぎて、ビキニどころか裸になってしまった。隠すのは「白」のみ。
この時に私は、これって武田久美子さんの貝殻並みじゃーねーかと思ったのは、昭和世代の私以外にもいただろう。

この貝殻単騎、否白単騎を和了った時の松ヶ瀬選手の表情に深みがあって面白かった。

今回の高宮選手の表現方法は、判断が難しいです。攻撃に参加続けることは、麻雀として最も大切な事です。それと同時に守備を考えない麻雀は、噛み合いがずれると簡単にラスを引く麻雀になるので、初心者の方々は裸になるのは、1年に1回程度で良いでしょう。

また、12月13日(火) 第2試合 村上・伊達・多井・勝又戦は今週のベストバウトです。伊達選手は、僅差の4着になってしまったが内容が非常に良かったので来週以降の活躍に期待したい。

麻雀格闘倶楽部は、滝沢・伊達選手が少し頑張りたい。ここ2~3週間の得点推移が上位チームのそれではない。エース寿人選手が少し停滞(淡白気味?)で、これから三連覇の係る鳳凰戦の工程も重複してきます。
油断していると5~6位の争いに巻き込まれる恐れが有るので、来週と年明けは気を引き締めていきたい。

2-4.Pirates

またまた連続トップ
チーム一丸

今週のPiratesは、先週に続きチーム一丸となって、プラス100pts越えを成し遂げた。2週間で合計200pts以上の加点となり、遂に上位チームに名乗りを挙げてきた。トップチームAbemasが多井選手を除き停滞気味なのを考慮しても全8チームで一番乗っているチームでしょう。

仲林3着、鈴木優2着、瑞原1着、小林1着とラス無トップ2回の上げ潮。

この瑞原選手の安定感と小林選手の上昇気流に仲林選手と鈴木優選手がトップを獲りだしたら、想像しただけでもゾクゾクします。

2022年12月16日(金) 第2試合 小林・多井・魚谷・瀬戸熊戦は、点数差以上にそれぞれの選手の気持ちの入った打牌が明確に見え、今週の見返す試合の1試合に入れたい1試合です。この日の小林選手は、勝負強く複数局の聴牌合戦に競い勝ちまくっていた。小林選手は、ここまでの中盤戦は一時期マイナス200pts前後をうろついていたのが2連勝により、原点付近まで復帰まで復帰した。エース小林の復調により一気にチームに風が吹き出しています。

2022年12月16日(金) 第1試合 本田・魚谷・瑞原・白鳥戦

この試合は、先週末時点での個人スコア1位の本田選手と2位の瑞原選手との絶好調対決だった。本田選手が絶好調振りを東場で示し優位になった南3局西がドラで西4枚が親番の瑞原選手の初期手牌に存在する。暗槓するとなんと頭予定の8p2枚もモロ乗りする。合計6枚の表ドラを抱えた親のリーチは、リーチ時に山に6枚も存在する和了牌。
勿論、全選手ベタ降りする。この親の倍満24000点が自模れなかったのが、本田選手の絶好調に僅か届かなかった。麻雀の不思議を感じた瞬間でした。

2-5.雷電

萩原魂
本田 MVPへ一直線

今週の雷電は、萩原2着、萩原4着、本田1着、瀬戸熊2着と本田選手のトップに萩原・瀬戸熊の2着が支えた週となり、プラス40ptsの加点となった。
萩原選手は、気合いの2連投をしたが初トツプには至らなかった。

今週の本田選手は、1試合出場して1試合トップ。個人スコアも364ptsと単独首位。リーチ、鳴き、攻守の切替、牌の選択何を取っても自信に満ち溢れている。今週の本田 vs 瑞原 の直接対決は非常に見所満載でした。本田選手と瑞原選手は、このまま来週そして来年もMVP候補として良い成績を叩いて欲しい。

最強位を獲得した瀬戸熊選手は、147待ちの一気通貫が必殺技になりつつある。

2-6.サクラナイツ

内川 意地をみせる
岡田 不純と不調

今週のサクラナイツは、内川1着内川3着岡田4着堀3着とここ1ヶ月間、渋川選手以外の選手が何とも言えないがパッとしない。今週の成績は内川選手の1勝が何とかチームを支えた週となっている。

2022年12月12日(月) 第1試合 内川・仲林・萩原・近藤戦。内川・仲林・萩原の3選手が3万点台で横一線上で1~3位の着順が3900点以内の和了で決まるオーラス。内川選手に速攻ができる役牌付きの神配牌が来る。このような僅差の時には、速攻ができ手役が確定する「役牌」って本当に大きい事を再認識しました。

岡田選手は、ここ2週間内容が非情に良くない。牌の選択とか成績とかポイントとかではなく、興行を意識し過ぎた素ぶり・攻守の押し引きなどが、今後の成長を考えても今の方向性は非常に良くない。岡田選手の参加する試合は、ここ数試合必ずと言っても良いほどだらけた試合展開になっており、ゲームの進行も遅くなる。

Mリーグそしてチームの人気・興行・お金という世界は、選手は意識してはいけない。そのような薄汚い世界観はチーム運営側と金儲けしたい会社の閉じた世界でやって欲しい。選手側が興行を意識し過ぎた姿勢は、麻雀初心者でも見透かされるだろう。

もっと純粋に麻雀を強くなる。良い麻雀を打つこれだけに集中して欲しい。

2-7.ドリブンズ

チーム一丸で連対

今週のドリブンズは、セミファイナル進出のボーダーラインに何とか踏み止まった。鈴木たろう1着、村上2着、丸山2着、園田2着と全員プラスのスコアを持ち帰り、6着のサクラナイツの差は、120pts位となった。

鈴木たろう選手は、この試合のトップにより個人スコアが10.6ptsの第14位まで回復して原点復帰となる。ここ数試合の鈴木たろう選手の調子も上昇してきており、たろう選手はドリブンズ上昇のキーマンの1人だろう。

園田 左を制する者は世界を制す

ボクシングでは、タイトルを争う世界的ボクサーになると選手同士のストレートや細かい技術の差をつけるのが難しくなる。そして、長期戦になるとジャブという軽くて速いパンチで結果に差がつくという格言です。私は、麻雀でも全員が読みの精度が高くなるハイレベルな戦いでは、1000点和了という最小の和了が即ち左のジャブが麻雀を制すると思っています。

2022年12月15日(木) 第2試合 松ヶ瀬・堀・園田・高宮戦の園田選手は、高速ジャブを多く放ち、私好みの試合を展開してくれた。この試合は、高宮選手のバディ麻雀の攻撃100%と派手な和了に多くの視聴者が目を奪われた事であろう。無放銃25連勝以上を経験した自分から言わせて頂くと、この試合の園田選手の安い和了の連打の方が、麻雀の理想形の1つに近づいていると思う。

赤入り麻雀では、ドラを沢山使って手役を沢山複合して大きな点数を稼ぐ事が勝ちやすいと思われるプレイヤーがプロアマ問わず日本中に多くいる。ただ、ボクシングと同じで超強烈なストレートでも当たらなければ意味が無く、踏み込みの鋭いプレイヤーには超強烈なストレートも1000点の和了も同じです。

聴牌速度を優先し、好形(待ち枚数の多さ)を優先するスピードスター的な麻雀は、正確性と回転が速くなると誰も和了さえできなくなります。この試合唯一勿体無かったのが、5mがドラで赤ドラを含めたドラ表示牌の4m待ちでリーチを掛けた局だけが脅しに頼った稚拙な攻め方だった。その局に「相手を自由に泳がす」技即ち、自分は役無聴牌を維持した上で、相手を自由にさせておきながら、自分は更にその上を行って和了できる待ちに変化させることができるようになると園田選手は、更に手が付けられなくなる選手になるだろう。この試合は、園田選手目線でも見返して下さい。

来週は年内最終週になるが、今週のプラスを無駄にしないためにもドリブンズは、最低トントンできればプラス50~80を加点したい。

2-8.フェニックス

茅森辛勝
魚谷気合いの2連投

今週のフェニックスは、近藤4着茅森1着魚谷3着魚谷4着とチーム成績が▲375.2の8位に陥落した。

フェニックスは、今シーズンで一番辛い時期になっている。この状態は、昨年の雷電に近い状況が今起きています。全員の成績を分解しても大幅なマイナスを喰らっているわけではない。ただ、トップが取れない状態が継続しているのが原因です。

来週1週間も厳しい週となる事が予想されるので踏ん張ってプラマイ0で収めて、年末年始にチーム全員で他チームに負けない神社にお参りして年明けダッシュできるようにしたい。

フェニックスの目標としては、チーム全員が0ptsの原点復帰を目標にして、レギュラーシーズン最終日までに-150前後のボーダーに飛び込む事だろう。

チーム内の誰か1人が兎に角弾けたい。

3.今週のMVP

・Pirates 瑞原明奈選手

先週から今週とPiratesが一気にチーム一丸となって上昇気流に乗ってきたのは、瑞原選手の活躍に起因する。2022年12月16日時点で個人スコア296.2ptsの第2位と絶好調の雷電本田選手の後をビタッと追いMVP争いも逃さない。
振り返れば、瑞原選手がデビューしてから今期シーズンまで非常に成長が伺えて、Mリーグの良さに繋がっています。
瑞原選手の良さは、思考が他力本願ではなく自力なんですよ。
来週そして、年明け後の瑞原選手の戦いには注視したい。

・Pirates 小林剛選手

小林選手が遂にお目覚めした。開幕から中盤戦の開始までマイナス150~200ptsをうろついてた船長もここ2週間の2連勝で遂に原点復帰。小林選手は、開幕から温い対戦カードが殆ど無く、ガチ勢とばかり対戦している。
即ち、小林選手がトップを獲るという事は、上位チームの強豪選手を抑えている事に該当し、必然的に上位チームとの差を確実に埋めている事に繋がっている。

4.今週のこの一手

・ドリブンズ 園田選手の高速鳴き高速聴牌

2022年12月15日(木) 第2試合 松ヶ瀬・堀・園田・高宮戦第2試合 南3局1本場

この局面における園田選手の1500点のみ1本場付きで1800点更に供託2000点も込みで3800点となる。この3800点の加算が効いてオーラスの跳自摸による2着浮上となった。

私が伝えたいのが鳴きを推奨しているわけではない。
自分に与えられた手牌から現実的な手役と打点そして、河の情報から目の前のやれる最大の事をやりきる麻雀が美しいと感じるだけです。
Mリーグはライト勢の視聴者が多く、ドラや手役が重なり高打点にスコープがあたり易い傾向になりますが、この速度感も感じられるようになると麻雀がもっと面白くなると思います。

焦り過ぎずゆっくり面前で手を高くしていく事も必要だし、安い点数でも周囲に放銃の危機感を発生させる早めの聴牌も重要だという相反する事象にMリーグ達がどちらに舵を切るのかというのも見所です。

5.その他

2022年12月16日終了時点の個人スコアとなります。

Mリーグファンの皆様ご注意下さい。今年のMリーグは、なんと12月23日(金)という例年に比べて比較的早い段階で、年内終了します。Mリーグロスにならないためにも来週の試合を見納めしておくべきでしょう。

寒さが本格的に増している時期なので、体調管理には気をつけ良い年越しを送りたいですね。

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