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アイスコーヒー

猛烈な暑さが若干収まり、雲が掛かった天気と晴天が1日で変わる今日この頃。10年前に指導した業界の後輩が私の容態を心配してくれて、久しぶりに飲みませんかという誘いを頂きました。

私は都内で人と待ち合わせする時には、30分以上前から現地に到着するように心がけています。最近はウォーキングで体調を整えているお掛けでかなり血圧などが安定していますが、慌ただしいギリギリの激しい動きをするとリスクが高くなるので、電車の遅延も含めて早めに現地に向かい、空いた時間でぶらりと探索するのが楽しみの一つとなっています。

当日は、20分前後街を散歩して街の様子や変化を感じていたのですが、意外と暑さが厳しく一息つきたくなりました。近場のファーストフードや喫茶店を探すとルノーアルを見つけ、懐かしさに引かれ店に入りました。

店内に入ると今を時めくビジネスマンが、恐らく打合せなどに利用されていました。そして、コーヒーを挽く20代後半の男性店員もイケメンでスマートで店の雰囲気を向上させていた。

お店に入ると20代前半のモデルさんと勘違いするような可愛らしい女性店員が、滴る雫から水の冷たさが直ぐに伝わる程の御冷をテーブルに綺麗な所作で置いてくれた。

女性店員「ご注文は」

自分「アイスコーヒー1つ」

女性店員「△△と□□が御座いますが、如何いたしましょう?」

自分「???? アイスコーシーでお願いします。」

女性店員がコーヒー好きやルノアール好きな方々には、理解できるカタカナ用語を流暢に説明されたが、私には理解できなかった。私のコーヒー用語は、「ミルク」「ガムシロ」「アリアリ」「ブラック」という用語しか知りません。

注文を受けた女性店員の美しい笑みが、自分のイケメンさに恋心を頂いたのかと勘違いしましたが、本格的なコーヒーを飲める店に通いなれたビジネス戦士達とは異なり、受け答えが田舎者のような感じにほんわかした感じだった。

1~2分程度で先程の綺麗な女性店員がアイスコーヒーをテーブルに置き、最後に伝票を裏返しに置いていった。闘病後初の5年振りの本格的なコーヒーは、香りが豊かである割に味はスッキリしていて非常に飲みやすく、キンキンに氷で冷えたコーヒーは火照った身体には最高に美味しく感じました。

コーヒーを満喫しているとメニューを視ずに注文したので、最近の喫茶店の相場を理解していなかった。そして裏返しにされた伝票を確認すると

700円

久しぶりの衝撃を受けた。
お金の無いバイト時代に飲み仲間で歌舞伎町のポン引きに遭い、1杯2000円(Tax20%,サービス料20% 即ち2800円前後)のウーロン茶をホステスに注文された時以来の衝撃だった。

消費税も気が付けば0、3、5、8、10%と上がり更にはここ最近では戦争を引き金としたエネルギーの高騰や輸入品の高騰、そしてアメリカの金利上昇が引き金で円安になり、その結果更に輸入品の仕入れ値が高騰し、輸入品を原材料とする物価が全て上昇している。

私の認識では、喫茶店でもコーヒーは350円から高くても550円ぐらいが相場だと思っていた。ルノアールは昔から高級志向の洒落た店というイメージは変わらないので他店より若干高級というイメージだった。

それが、遂に700円!!!

松屋でカルビ定食が頼める値段だし、普段夕飯で用意するトマト、レタス、鳥の胸肉が一式買える値段と同等。

いつの間にか、貴族のドリンクになっていたルノアールのコーヒー。

今世界でも日本でも有とあらゆる国で紙幣と物の値段との関係がインフレ気味に変化しようとしている。恐らくだが国内に出回る紙幣量も増える傾向にあり、相対的に物価に対する価格も上がる傾向にあるのは理解しているのだが、身近なアイスコーヒーの値段が定食屋の夕飯代ぐらいまで上昇しているのには非常に驚いた。

ルノアールはサービスも最高に良いし、コーヒーも美味しいし、店内の雰囲気も素晴らしく、店員のマナーも良く落ち着いた時間を過ごせる。多分私の方が、コロナの影響による外出抑制や闘病生活で外出量が激減していたのもあって、外で起きているちょっとした変化のスピードに感覚がついていけてなかった。

コーヒーを半分程飲み切ると後輩からLineがきて、駅近くのキヨスクに10分以内に到着するメッセージを受け取った。アイスコーヒーは半分残っていたが、後輩の待ち合わせに遅れないために会計をして直ぐに店を後にした。

後輩と合流して、ある程度食べログで評価の高い店で飲食をしました。レモンを1個分ぐらいカットしてそのままジョッキに入れたレモンサワーが650円位だった。

久しぶりにお会いした後輩は、非常に元気で私の昔の話を楽しそうに話していた。昔新人だった後輩との談話は、非常に刺激的な内容でモチベーションを高めてくれた。

1杯700円のアイスコーヒーやレモンサワーは、浦島太郎状態の私には衝撃的でしたが、値段以上に多くの学びがあり、久しぶりに血気盛んな元気だった自分を思いだし、色々と勉強させて頂きました。

1杯の冷たいアイスコーヒーは記憶に残る想い出となった。

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