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いろんな人がいる


年齢を重ねたから分かること。
いや、分かった気でいることなのかもしれない。
本当のところはきっと永遠に分からない。


昨日、ゼロの紙さんが「いちばんすきな花」というドラマの感想を書いてくれた。

このドラマの話を誰かとしたかった。
でも誰ともできずに、というか、思うところが多過ぎて言葉にできなくて。


一番最初に見た時に「ああ、こういうドラマ、来たか!」って思って、
私にはビシバシ響いてくるドラマでテンポも出演者も好きなんだけれども、
でもこのドラマはきっと、訳わかんないって思う人、多いんだろうなぁ〜って思って
初回を観た後ググったら、やっぱり批判というか、こういう人たちって意味不明とか面倒くさいっていうネガティヴな感想も多くって、やっぱりなぁと少し悲しくなったのだった。

まぁ、いろんな人がいるから。趣味嗜好もそれぞれで。
今その気分じゃないとか、そういうのもあるしね。
それはそれでいいんだけれども。

◻︎

遥か昔。笑
高校時代にクラスマッチがあった。
クラス対抗の体育祭みたいなもので
私達が2年生の時に男女混合のバレーボールで決勝まで進んだことがあった。
普段、男子と女子はあまり仲が良くもなく、クラス全体で盛り上がるような雰囲気ではなかったのに、この時ばかりは異常な盛り上がりで。
なんか 一致団結 みたいになってて、応援して泣き出すような女子まで出てきて。

私は別に 冷めた女子高生 だったわけではないと思う。
でも。
あの時、急になんだかものすごい違和感を感じてしまって
周りの盛り上がりとは真逆の方向に
どんどん自分の気持ちが冷めていくのに気が付いてしまった。

なんだコレ?
ここでこんな風に冷めてる私は間違ってるの?

そう思ったら、応援はしているけれど
熱狂的に見える他の人達の姿がなんだか怖くなってしまって
頭も気持ちもどんどんと重くなってしまった。
応援してるはずなのに、応援してるふり をしてるような気持ちになって
自分は嫌な人間だという気持ちが大きくなってしまった。

結局優勝は逃して準優勝となり、それでもクラスは大いに盛り上がって
この後打ち上げに行こう!という流れになって。

あー私は行けないや って思った。
こんな冷めた気持ちのまま、この雰囲気に居続ける自信がない。
なんだかものすごい罪悪感で、自分が駄目というか、悪いような気持ちになって。
でもその 訳の分からない感情 を伝える言葉もなくて、
「残念だけど今日はどうしても大事な用事があるから帰るね」と伝えて
ひとり、家の方向に向かって歩き始めた。

学校の坂道を下って、右の坂を上ると校門付近に集まっているみんなからは見えなくなる。
その坂を登り始めたら、涙が出てきた。
ああ、なんで私はこうなんだろう、、、って。
まだ興奮冷めやまらない、学校から聞こえる賑やかな声。

なんで一緒に喜んであげられないんだろう、楽しもうとできないのだろう。
私はおかしいのかな?大丈夫かな?こんなんで。
そう思いながら歩いていると、ひとりの友人が走って坂を登ってきた。

「大丈夫?」って。

なんかおかしいな?って気付いたらしい。
みんなには「ちょっと伝え忘れたことあるから先に行ってて」と言って
私を追いかけてきたという。
グループ は違うけど、個人的に仲の良かった子。

私は彼女に 自分の感じている訳のわからない気持ち を
きっと訳わからないままに伝えたんだと思う。泣きながら。
でも彼女は うんうん と聞いてくれて、大丈夫だよ って言ってくれたと思う。
気にしないでゆっくり休みなね ってそんな風に言ってくれたんだと思う。
思う というのは正確な記憶がないから。
でも気温も心も寒い中、彼女の存在だけが温かかった記憶がある。
ちょうどいい塩梅のお風呂のお湯加減みたいな。

彼女が気付いてくれて、大丈夫って言ってくれて
私は少し救われた。
その彼女とは今も親友。
親友と言い切れる友がいる(あんまりこういう類の言葉は得意じゃないけれど、私には確実に彼女がそうだから。これだけは私の誇りだったりする)ことは、こんな私にとってはすごいことだったりする。

私以外は全員参加したと聞いている。
すごいなぁと思う。(行かなかった、行けなかった者として)


◻︎

でもね。
今になって思う。
きっと 
そんな気分じゃなくても
一応行った人 もいれば
行って後悔した人 もいて
行ってみたら楽しかった人 もいれば
その日が高校時代で一番楽しかった人 もいるかもしれない。

そう。
どう思っていたか なんて分からない。
自分だけ なのか、 他の人も なのかも。
私が知らないだけ ってこともあるし、本心だって分からない。

いつだって その時 は リアルタイム だから
誰もが自分のことしか分かりようがなくて
その時に、その前に
どんなことを感じて、どういう気持ちになってしまったのか なんて
分かりようもなく、また本人にさえ、それが正解かどうかなんて分からなかったりして。

そして
それが 大きなこと なのか、 大したことじゃない かも
他人が決めることじゃなくて、その本人にしか分からなくて。
感じ方も受け止め方も、それは色々あっていいはずだけれど
自分と違う誰かの思いや感覚や感情 を
乱暴に捉えて扱わないように気を付けたいと
いつも思う。

◻︎

そんなことをね、また久しぶりに思ったの。
結局大人になったからって、分からないことだらけだ。
ただ、年齢の分だけいろんな人を見てきたから(一応)
本当にいろんな人がいる っていう、当たり前のことに
自分の 受け止める(受け入れるではないとしても)範囲 が広くなった
ような気がする。


これは昔も今も変わらないかもだけれど
そうじゃない人を見るとヒリヒリする。
このドラマを見ていて、それをものすごく思う。

またちょうどそんなことを別視点から考えていたから
さらに私にはググッときたのもあると思う。
その人それぞれにも、いろんな周期や変化や感情があって
やっぱり人間は なまものだなぁ とつくづく思う。

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