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雨の散歩


今日はどうしても出したい手紙があって、買い出しと同時に車で出掛ける予定だったけど、相方が片付けたいことがあったので、私がひとりで歩いて行くことになった。

小雨が降っていたので一応傘を持って、今日は音楽を聴きながらリュックを背負って出掛ける。1人で買い物に行く時には必ずこのスタイル。両手が空くのが嬉しいから。2曲ほど聴いたところでマスクを忘れていることに気が付いて、急な坂道を引き返し、再び。

今日のお供はスピッツの「醒めない」。このアルバムはとても好きだ。ライブでも聴いている曲が多いから、ああこの音はてっちゃんが、ここで崎ちゃんのドラムがね、聞こえにくいけど田村っちのベースの音がね、、、とか思い出しながら、すっかりライブに行った時のような気持ちになりながら歩く。

基本、傘をさすことが少ない。私は外出時は帽子を被っているので、あんまり気にならない程度の雨の時は傘をささないことが多い。でも今日は傘をさしてみた。いつもと違う行動をしたいと思ったからだ。

たいてい散歩がてら出掛ける時は天気の良い日の昼下がりって時間が多いのだけれど、今日は夕方5時過ぎという、暗くなり始めた時間だった。こういう時間を避けていたけれど、意外と良いものだなぁ〜と思った。
いつもの畑の横を通った時の、土を起こした匂い。きっと近いうちにまた新しい苗を植えるんだろうな。音楽を一時停止すると雨の音がする。この時期特有の春の匂いもまた。
アスファルトに溜まりかけた水に、街灯の明かりが映ってキラキラしていた。ああ、こういうのを見るのはいつぶりだろう。とても綺麗だった。横断歩道の白の部分だけをピョイピョイっと歩く。

横断歩道で信号を待つ時には、出来るだけ視界を良くして後ろの方に立つ。突っ込んでくるかもしれない車を注意深く見ている。後ろから来る車の気配を常に気にして振り返る。あいもかわらずそうしている自分が面白い。

国道沿いに 洋服の青山 があって、そこに少し前からオダギリジョーと賀来くん(賀来賢人)の垂れ幕みたいなものが掛かっている。いつもそこを通るたびに「私はオダギリジョー派だな」って意味もなく思っていたんだけど、今日に限っては「やっぱり賀来くんがいいな」と思う。オダギリジョーは少しアンニュイで難しそうだし、年齢が近い方がいいかなぁーって思ってたけど、賀来くんの方が穏やかな感じするなぁ〜って、まぁそもそもどうでも関係ないことなんだけども。笑
ああ、日によって好みも違うのねと、今日の発見だった。ちなみに今までの勝算はオダギリジョー99に対して賀来くん1 だけれど、これからは賀来くんの勝率も上がってくることだろう。なんの話じゃ?これは。笑

スーパーでお買い物。こういう時でもいつも重いものを買ってしまいがちな私は、今日は要注意ということで、気にしながらカゴに入れる。卵が安かったのでつい買ってしまったが、入れるマイバッグがリュックなのを忘れていた。再度自分でリュックに詰め直す時に、なんだか「私が無事にみんなを連れて帰るよ」的な、不思議な気持ちになって、私と買った食品が同志になったような気持ちになる。

すっかり暗くなって、てくてく歩く帰り道。スピッツの音楽はずっと鳴り続けていて、雪風 が流れる。大好きな曲。少し泣きそうになる。
その後の こんにちは はライブでもとても好きで飛び跳ねたくなる。もうすっかり暗いから、ひと気がなければ多少跳ねてもいいでしょう。リズムをとりながら、暗い空を見上げたら、まだ葉っぱの付いていない木の枝が大きく広がっていて心地いい。歩いて良かった。私はずーっとこうやって歩きたい。杖をついても歩けるように。

そんなこんなの雨のお散歩。
いい時間だったなぁ。また行こう。







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