Study88_1.【トマトの基本を押さえよう!】トマトは肉の代用にすらなりうる/トマトの香りは、エキゾチックと青葉の香り加熱方法によってバランスが変化
今回のテーマは「トマト」。野菜Laboが販売している、東広島野菜をつかったポタージュスープ「朝のひとくちめ」の2023年夏のレパートリーにトマトポタージュを加える予定です。そのため、今回の最終目標は「おいしいトマトポタージュをつくること!」商品化に向けて進めてまいります。
まずは文献調査
トマトは多くの方にとって馴染みの深い野菜なのかなと思いますが、改めて「成分」「香り」「調理による変化」「保存方法」に項目を分けて根本から理解していきましょう。
今回も大好き「マギー キッチンサイエンス -食材から食卓まで- 共立出版」を手元に情報を集めていきます。世界中で広く使われている野菜なだけあって、これまでの野菜より多くの情報が載っておりとっても長めの記事になりそうな予感。どうぞ最後までお付き合いください。
トマトは肉の代用にすらなりうる(トマトの成分・構造)
トマトの素晴らしいところはなんといってもうま味成分の「グルタミン酸」が多く含まれるというところですよね!昔味の素の工場見学に伺った際、トマトの旨み成分の段違いな量がグラフに表されている展示を見て感動したのを思い出します。
ここにきてものすごいことが書いてありました。「肉の代用にすらなりうる」ってすごい強いメッセージですね。日々野菜と向き合いながらも、お肉が感じさせてくれるうま味の強さって本当に強烈だな、と思うことが多くあります。とはいえ、お肉を入れないカレーやスープでトマトを潰して炒め尽くしてから煮込んだときの満足感のあるおいしさは、きっとそういうことなのですね。トマトは偉大です。ポタージュに向けた気持ちも膨らみます。
トマトの甘味・うま味・香りの多くは果肉に含まれ、ゼリー状の部分には甘味と酸味があるのですね。酸味を取り除くためにゼリー状の部分を取り除いてしまう、なんていうレシピもありますよね。今回は丸ごと使いたいので、それぞれの成分構成を理解した状態でどう向き合うか、ということを頭に置いておきたいと思います。
有機酸は、梅干しやレモンに含まれる「クエン酸」やお酢の主成分である「酢酸」などのこと。ちなみに「有機」という言葉は炭素(C)を基本とする化合物につくワードです。ペクチンは、混ぜると牛乳をプルプルにしてしまう「フルーチェ」を、フルーチェたらしめている成分ですね。セルロースとヘミセルロースはどちらも細胞壁に含まれる繊維質です。
トマトの香りは、エキゾチックと青葉の香り
加熱方法によってバランスが変化
トマトの香りを構成している2種類の香りが紹介されていました。
こう分解して説明してもらうと、確かにそんな香りがする!と気づきます。フレッシュトマトの「青葉」刈草の匂いってありますよね。「朝のひとくちめ」は小さなお子様によろこんでもらえることが多いのですが、もしかしたらこの「青葉」の香りは苦手な子も多い可能性があります。一方でこの「青葉」の香りをつけるため、より香りの強い葉っぱの部分を香りづけに使うシェフもいるそう。好みによりそうですね。この辺はしっかりレシピづくりの過程で意識していきたいところです。
「香りの消し方」についてもヒントが書いてあり、加熱すると弱まるとのこと。そしてトロピカルフルーツ,エキゾチック,麝香(じゃこう)の香りは持続性がある様子。こちらの香りを残しつつ、「青葉」の香りとどんなバランスで仕上げるかがポイントになりそうです。
またしてもおもしろいことが書いてありました。要点をまとめると、
ざく切りにしてフライパンで強火加熱と、ペーストにしてからフライパンで弱火加熱、どのくらい差が出るものなのかやってみたいですね。
つづいての記事では、トマトと加熱温度の関係性についてまとめていきます。お楽しみに*
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