野菜が大好きだけど、お肉もお魚もいただく理由。栄養素や将来的な身体への影響についての研究結果をもとに。
「朝のひとくちめのポタージュは、植物性食品のみでつくっているんです」とご紹介すると、(あなたは)ベジタリアン(もしくはヴィーガン)ですか?と聞かれることがあります。
その度に、「動物性のものも食べますよ〜」とお答えするのですが、その背景にはこれまでにインプットしてきた情報があり、その総合的な判断としてそうしている、というのがあります。
今回は、ちょうど信頼のおけるまとまった情報に出会うことができたのでご紹介してつつ、「何をどれくらい食べるのか?」という選択の参考にしてもらえたらと思います。
まず野菜だけ食べる、ということの身体への影響をみていきましょう。
菜食で摂取が増える栄養素もあれば、不足してしまう栄養素もある
イギリスの肉食者 33,883 人と非肉食者 31,546 人のグループにおけるライフスタイルの特徴と栄養素摂取量について調べた、菜食主義者に関する世界最大の研究の 1 つよると、菜食により摂取が増える栄養素と、不足する栄養素が示されています。
ヴィーガンは肉食者よりも飽和脂肪酸の摂取が半分未満になった、とされていて、これはいいことのように思えます。
また、摂取が増えた成分も多くありますが、減った成分も多くありました。その中でも、ヴィーガン・ベジタリアンは「ビタミンD」が、特にヴィーガンは「カルシウム」も不足しやすいと言われています。「ビタミンD」の不足は本当によく見かける情報です。
ビタミンDは、魚類、きのこ、乳製品、卵に含まれているとされています。きのこ以外は動物性の食品なので、菜食にすると不足しがちになってしまうようです。
余談ですが、ビタミンDは日光を浴びることでも生成されることで有名ですが、日焼け止めを塗ってしまうとその効果は出なくなってしまうようです。美容を気にかける方にとっては、美肌のためには「とにかく日焼けはしないこと!」と第一優先にされている方も多いのではと思うので、悩みどころです…さらに植物性食品オンリーになってしまっては、さらに心配です。
なので個人的には、毎日の日焼け止めは絶対に妥協できないので、動物性の食品を食べない時でも「きのこ」は食材に選ぶように心がけています。
菜食はダイエットのためならよいかも
話が少し外れましたが、では、その摂取成分の違いは体にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
イギリスの肉食者、魚食者、ベジタリアン、ヴィーガンの 38,000 人の食事と肥満指数を調べた研究によると、高タンパク質と低繊維摂取(つまり高タンパクなお肉の摂取の多さと食物繊維の多い野菜の不足)は、BMIの増加と最も強く関連する要因としています。
つまり、魚食者と菜食、特に菜食の中でもヴィーガンは「ダイエットに良い」ということが読み取れます。体重が軽くなるということはわかったのですが、それは健康につながっていくのでしょうか。
長い目で見たとき、病気への影響はあるのか?
肉食者・魚食者・菜食者と病気の発生について論文をもとにまとめた書籍によると、菜食・魚食者は普通食者(肉も食べる)と相対的に「心筋梗塞」「糖尿病」「がん」の発生率が低く、菜食者の「脳卒中」「骨折」の割合は高かったとされています。(佐々木 敏 (著)(2023)行動栄養学とはなにか?)
菜食によって発症率が高くなる病気と、低くなる病気があるのですね。また、ベジタリアンと魚食者が同じような傾向を持っていることにも触れていました。
そういえば、子どもにとって菜食はいいの?
子供の植物ベースの食事についての長期的な傾向、健康への影響、緊急の実践推奨と研究のロードマップ についての研究によると、まだ推奨はできなそうな内容が書かれていました。
推奨している国があるというのは驚きでしたが、リスクもまだありそうです。摂取している脂質の内容は良い傾向がありそうですが、その他のリスクも無視できません。一概に植物性食品を推奨することはできなそうです。
さて、まだまだ話したりませんが今回ここまで。
次回はもう少し具体的に、どんな選び方していけばいいのか?という考え方について掘り下げていこうと思います。次回もお楽しみに*
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