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Study71.3回の実験を終えて、れんこんの性質をまとめてみる。

れんこんポタージュの実験を今年に入って3回行ってきたのですが、結果に振り回され状況がごちゃごちゃしてきてしまいました。このnoteでは、次の実験に進む前にこれまでの結果から学んだ「れんこんの性質」についての整理と、次回の実験で考慮しておく条件をまとめていきます。

皮にはやっぱりタンニンが多い。

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れんこんポタージュ最初の実験でれんこんをピンク色にしてしまい、「皮つきで調理したことが原因かもしれない(皮にタンニンが多く、加熱前に取り除く必要がある)」と予想したのですが、次の実験では皮なしで加熱したにも関わらずピンク色になってしまいました。このことから、皮にタンニンが多い訳ではないのかも知れないと考えたのですが... 

野菜検定公式テキスト」にこんな記載がありました。

ネバネバ成分のムチンと皮や節に含まれるタンニンが胃腸のはたらきを整えるので、(略)

やはり皮にタンニンが多いと記載があります。考察は間違っていなかったのですが、皮を取り除いても変色は止められませんでした。身の部分に残っているタンニンが「加熱方法」によって反応したり反応しなかったりしています。(炒めでは変色しないが、蒸しでは変色する)

ゆっくり加熱すると酵素が働いてしまう?

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そこで、次に酵素の働きに注目してみました。タンニンが変色するメカニズムは、タンニン(ポリフェノール類)がれんこんに含まれる酸化酵素と空気中の酸素と出会うことで起きます。(「西洋料理のコツ」より)

この酸化酵素が、ゆっくり加熱されると活発に活動するのでは?と考えました。

そこでネット上で酵素活性のグラフを探してみると、どれも加熱と共に活性度が上がり、一定の温度で失活(活動が0になる)します。つまり、ゆっくり加熱してしまうと酸化酵素が活発に活動する時間が長くなってしまい、変色の原因になっている可能性があります。

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また、「西洋料理のコツ」によると、「酸化酵素はタンパク質からできているため、80℃以上の高温になると、~酵素の活動が止まる。」という記載もあります。

まるごと蒸すと、ゆっくりと内部に熱が伝わるため酵素の活動が活発な時間が長くなってしまい、一方で小さくカットし炒めた場合は、素早く80℃以上に熱されたため酵素の活動がすぐに失活した可能性があります。油と共に炒めていたので、さらにれんこんの温度は上がりやすくなっています。

塩が活性をおさえていた?

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また、「西洋料理のコツ」には「塩がポリフェノール酸化酵素の活性をおさえる」という記載もあります。炒める際、米油・塩と共に調理していたことも、酵素の活性を抑えていた可能性があります。

酢水で酵素の活性を抑える。

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これまで行っていなかったのですが、酢水で酵素の活性をおさえていこうと思います。小さくカットして炒めれば変色はしないのですが、仕上がりがねっとりしてしまい舌触りが少し悪いように感じていました。酢によってねばり成分のムチンの性質を抑えられるため、「酢水につける」という工程を追加していこうと思います。

次回の実験でクリアしておきたい新しい条件をまとめました。

1、酢水につける
2、と共に加熱する
3、素早く加熱できる切り方調理法を選ぶ

少し頭が整理できてきたので、次回の実験にむけて準備をしていきたいと思います。次回もおたのしみに*

(れんこんポタージュが完成できるか不安になってきました...)

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