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Study74.「ズッキーニ」のアク抜きに最適な方法は?

今回はズッキーニをテーマに、夏の冷製ポタージュに向けた実験を行いました。実験内容は「アク抜きに最適な方法は何か?」についてです。

※この実験は、冷凍ポタージュスープ「朝のひとくちめ」の開発に向けて行っています。

図1

ズッキーニは「硝酸イオン」「ククルビタシン」といったアクを含む食材です。野菜Laboのポタージュはシイプルな直材かつ植物性食品のみを使って優しい味に仕上げるため、アクが強いと後味が渋くなる可能性が高くなります。そのためアクによる「苦味」をある程度取り除く必要があったのですが初めて使う食材でアクがどれほど多く含まれているのか分からなかったため、とりあえず今回は何に浸してアク抜きをすると良いのか?を実験で確かめたいと思います!

実験のために用意した条件はこちらです。
A.塩水に浸す
B.水に浸す
C.塩麹に揉みこむ
※全て10分間浸しました。

各材料に10分間浸したズッキーニを、油を引いたフライパンで透き通るまで中火で炒めました。火が通ったら、水200gを加えて水がなくなるまで火にかけました。火が通ってくると美味しそうな匂いが立ち込めてきて幸せでした!

図2

水が十分飛んだら火を弱めて豆乳(200g)と塩を加え、沸騰しないよう注意しながら3分間煮込み、ミキサーで撹拌しました。出来上がったものがこちら!

図3

(左から順に、塩水、水、塩麹)

ここから、味見による結果です。

一番「アク」が少ないのは、塩水

「水」は「塩水」と比較しアクが多かったので塩水によるあく抜きが適していると考えられました。

塩水も、十分な量に浸さないとアク抜きできない

しかし、「塩水」も少しアクを感じました。ペーストにした時、どうしても後味の「渋み」が気になります。塩水の量が不十分でズッキーニ全体が塩水に浸っていなかったことで、十分アク抜きが行われなかったと考えられます。

水分を十分に飛ばさないと、水っぽくなる

「水」「塩麹」は煮込む段階で水を十分に飛ばせていませんでした。その結果、十分に水を飛ばせていた「塩水」よりズッキーニ自体の味が薄まってしまいました。スケジュールの関係で十分に水分を飛ばせなかったのですが、ズッキーニらしさを残すため、水は豆乳を加える前にしっかり飛ばす必要があると感じます。水を十分に飛ばすには少し時間がかかってしまったので、加える水分量を減らしてみるのもいいかもしれません。

塩麹は洗い流す必要があった...

「塩麹」は、塩麹を洗い流さなかったため、最もアクによる苦みが強くなったと考えられます。塩麹につければ浸透圧の関係でアクが抜けますが、そのアクごと調理してしまったことになります...(実験の後に気づきました...)塩麹が良さそう!と思って選んだのですが、今後はアク抜き用に用いるのではなく、塩水でのアク抜き後、味付け用の塩の代用として加えてみると味にまろやかさを出してくれるかもしれません。

次回実験に向けて

これらの結果から、塩水によるあく抜きが最も適していると考えられました。しかし、今回の実験ではズッキーニ全体に塩水が浸っておらず、アク抜きが不十分でした。

そのため次回の実験では、ズッキーニ全体が浸る塩水の量を用意し、塩分濃度5%、3%、そして今回と同じ割合の1%ごとと浸ける時間を10分、20分によるアク抜きの程度を確認する実験を行おうと考えています。

加えて、塩麹のあく抜きの効果が今回の実験ではよく分からなかったので、あく抜き後塩麴を洗い流した実験も行おうと考えています。 

次回もお楽しみに。

この実験に合わせて、「ズッキーニ」をポタージュにするときに合う食材はなに?というテーマでの実験も行なっています。こちらの記事も、ぜひご覧ください。

<ズッキーニに関する過去の記事>
Study49.ズッキーニの和え物に合う切り方

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