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野菜のおいしい食べ方実験

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野菜を触って眺めて調理して食べるのが好き。人に元気でいてほしいから、私が好きな野菜を届けたい。野菜の本質を見つける野菜実験→おいしく食べるレシピ→届けるためのデザインを一貫して行… もっと読む
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記事一覧

Study88_5.おいしいトマトのポタージュをつくる(加熱前のトマトのカット方法によっても甘味の出かたが全然違う!)

前回は下調べを経ていよいよ1回目の実験を行い、「加熱温度による風味・テクスチャー・味の違いはどのくらい出るのか?」を確認していきました。今回の実験テーマは「トマトのカット方法による味の違い」を確認することです。 この記事に関連した「トマト」の記事はこちらから ▶︎Study88_1.【トマトの基本を押さえよう!】トマトは肉の代用にすらなりうる/トマトの香りは、エキゾチックと青葉の香り加熱方法によってバランスが変化 ▶︎Study88_2.【トマトの基本を押さえよう!】ペクチ

Study88_4.おいしいトマトのポタージュをつくる(加熱温度によって風味・テクスチャー・味の違いがものすごく出る!)

前回まで記事では、トマトの「成分」「香り」「調理による変化」「保存方法」に項目を分けて根本から理解していきました。今回からは、いよいよ実際の実験に移っていきます。 一連の流れを全て確認したい方は、下記過去の記事をご覧ください* ▶︎Study88_1.【トマトの基本を押さえよう!】トマトは肉の代用にすらなりうる/トマトの香りは、エキゾチックと青葉の香り加熱方法によってバランスが変化 ▶︎Study88_2.【トマトの基本を押さえよう!】ペクチンによって状態が目まぐるしく変わ

Study88_7.【総まとめ】トマト料理の酸味・甘味・香りを自由自在にあやつろう!お肉などのソース・カレーソースに使うなら、「強火」「油あり」。白身魚・サラダのドレッシング・デザートなどに使うときは...?

この実験結果を参考に生まれた商品はこちら!↓ トマトシリーズ最後の記事です*これまで、3つの下調べ記事と3つの比較実験を行なってきました!実験を経て体感したことをまとめると、以下ように整理されました。 パッとこちらを眺めて感じることは、要するに「トマトはとても複雑」ということですね。やはり奥深い… 突然読んでも分からない方が多いかも知れませんので、一連の流れを全て確認したい方は、下記過去の記事をご覧ください* ▶︎Study88_1.トマトは肉の代用にすらなりうる/トマ

Study88_6.おいしいトマトのポタージュをつくる(炒めるの時の油の有無でフレッシュな酸味がでたり、コクに差が出る!)

前回の実験では、カット方法によりトマトペーストの「色」「味」「テクスチャー」にも変化が出てくることが分かってきました。今回の実験テーマは「炒めるの時の油の有無による風味の違い」を確認することです。 一連の流れを全て確認したい方は、下記過去の記事をご覧ください* ▶︎Study88_1.トマトは肉の代用にすらなりうる/トマトの香りは、エキゾチックと青葉の香り加熱方法によってバランスが変化 ▶︎Study88_2.ペクチンによって状態が目まぐるしく変わる/酸性の煮汁で煮ると硬く

Study88_2.【トマトの基本を押さえよう!】ペクチンによって状態が目まぐるしく変わる/酸性の煮汁で煮ると硬く仕上がる塩水で煮ると早く柔らかくなる

前回の記事では、トマトの構成成分や香りの種類についてまとめていきました。今回は、加熱方法について踏み込んでいきます。 トマトの加熱温度固形トマトを硬く保つには低温加熱 ペクチンの作用と関係してる ジャガイモは煮崩れを防ぐために低温で煮る、と聞いたことがありますが、トマトも煮崩れを心配するタイミングがあるのですね。だいたいの場合刻んで水分を飛ばしてしまうことが多かったので新鮮な視点でした。そしてまたしても登場してきた「ペクチン」。「ペクチンがカルシウムイオンで架橋される」と

Study88_3.【トマトの基本を押さえよう!】オーブン焼きで何百種類もの新たな風味分子が生まれる/加熱のしすぎで風味は落ちる

前回の記事では、トマトの加熱方法によるトロミの変化についてまとめていきました。今回は、焼き方の違いによる変化について踏み込んでいきます。 蒸す、焼く、オーブンで焼く、は 酸性な環境に置かれるので硬く仕上がる 「煮込み」だけではなく、焼きの話に派生してきました。「焼き」は水分でふやけないから硬く仕上がるのかな、くらいに考えていたのですが、自らの弱酸性の細胞液に晒されることも硬い仕上がりに繋がっているのですね。また、「蒸す」際の蒸気がやや酸性、というのも新発見でした。 オー

Study88_1.【トマトの基本を押さえよう!】トマトは肉の代用にすらなりうる/トマトの香りは、エキゾチックと青葉の香り加熱方法によってバランスが変化

今回のテーマは「トマト」。野菜Laboが販売している、東広島野菜をつかったポタージュスープ「朝のひとくちめ」の2023年夏のレパートリーにトマトポタージュを加える予定です。そのため、今回の最終目標は「おいしいトマトポタージュをつくること!」商品化に向けて進めてまいります。 まずは文献調査トマトは多くの方にとって馴染みの深い野菜なのかなと思いますが、改めて「成分」「香り」「調理による変化」「保存方法」に項目を分けて根本から理解していきましょう。 今回も大好き「マギー キッチ

論文深読み1.蒸しニンジンのおいしさは、甘味の量よりもジューシーさが大切

今日読み込むのは、2009年に発表された堀江秀樹さんと平本理恵さんによる「ニンジンの蒸し加熱による甘味強化」の論文です。考え方が近いかもしれないと思ったのが、文頭で「さらに野菜の消費拡大を図るには,野菜をより一層おいしく, 楽しく味わうことが重要と考えられる。」と書かれていること。野菜のことを理科学的に評価している論文は多いのですが、結局それっておいしいの?と思うことが多くあり、この実験に関しては「官能評価」と「理科学評価」の両方から分析を行なっていることがとてもワクワクしま

Study86_10【レシピ】サクッとジューシーな「ひらきなめこの唐揚げ」のつくりかた

今回の実験について坂ノ途中公式アカウントでも取り上げて頂きました。 公式オンラインショップでもご紹介頂いています* 9回の下調べと実験を経てやっとレシピが完成しました! このレシピが完成するまでの「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから Study86_1.下調べ編 Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編 Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2 Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編 Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編 S

Study86_9.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには(揚げる温度と時間は?編)

これまでに行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから Study86_1.下調べ編 Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編 Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2 Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編 Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編 Study86_6.揚げる時の衣は何つける?編2 Study86_7.揚げる時の衣は何つける?編3 Study86_8.生と冷凍どっちがいい?編 いよいよ仕上げの実験にとりかかります。前

Study86_8.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには(生と冷凍どっちがいい?編)

これまでに行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから Study86_1.下調べ編 Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編 Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2 Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編 Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編 Study86_6.揚げる時の衣は何つける?編2 Study86_7.揚げる時の衣は何つける?編3 前回までは、ひらきなめこに合う「衣」の種類を実験してきました*「米粉」「片栗粉」「大豆

Study86_7.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには(揚げる時の衣は何つける?編3)

これまでに行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから Study86_1.下調べ編 Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編 Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2 Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編 Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編 Study86_6.揚げる時の衣は何つける?編2 今回もひらきなめこの揚げ実験を行っていきます。前回からの変更はこちら。 この点を踏まえ、本日はこちらの6種類の衣を試していきます!

Study86_6.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには(揚げる時の衣は何つける?編2)

これまでに行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから Study86_1.下調べ編 Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編 Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2 Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編 Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編 前回からやっと「揚げ」の実験に取り掛かり、以下の課題が見えてきました。 この点を踏まえ、本日は7種類の衣を試していきます! 今回は粉を水で溶くことはせず、粉のままでまぶします。粉の水

Study86_5.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには(揚げる時の衣は何つける?編)

これまでに行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから Study86_1.下調べ編 Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編 Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2 Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編 前回の実験では、煮込みの場合「とにかく冷凍するとおいしくなる」「加熱しすぎない方がいい」ということが分かってきました。これまでは、油と共に食べると繊細な味の違いが分かりにくくなるので、「揚げ」以外の方法でひらきなめこの性質を探ってきま