交差する、二つの旅/『スローシャッター』雑感
「余儀ない旅」=「仕事」?
読み始める直前、『スローシャッター』の出版関係者から「この本は “仕事” の本」という言葉が投げかけられた。と、 そこで不意に、 ふたつのフレーズを思い出した。 それは、 「夢見た旅」と「余儀ない旅」だ。
このふたつのフレーズは、沢木耕太郎さんの長篇エッセイ『旅する力・深夜特急ノート』の序章「旅を作る」の中で、アメリカの女性作家/アン・タイラーの小説『夢見た旅』『アクシデンタル・ツーリスト』の2作品に言及するくだりで登場する言葉だ。
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