って話 #5 - ニューカマーアイドル特集的な

第5回。今回は2019年以降に活動を開始したフレッシュなアップカミングからの6曲で。各グループ関心もバラバラなんですが、なんとなく気になっていたり、見たさがあるグループって感じです。アイドルの楽しみ方は人の数だけあるんですが、こと楽曲で言うとやはり演者と作者の分離による発生するねじれ構造、というのがあると思います。つまり、楽曲の音楽性を演者がふわっとアイドルポップにしてしまって、それが絶妙なバランスで成立し、アイドル音楽のユニークな魅力になるというものです。実力派グループでは楽曲のジャンルを超えた新たな景色を見せてくれたりしますし、フレッシュなグループでは拙さによってバランスがキワキワで、ねじれを強くしたりするので、そのあたり、ねじれの強弱なんかを感じてもらえたら楽しいんじゃないかな、なんて思います。

ライナーノーツ的なものもぜひ楽しんでください。

1.りスタート - 豆柴の大群

いま最も有名な新人アイドルといえば、2019年末にデビューした豆柴の大群でしょうか。TVを観ないもので、水曜日のダウンタウン内のMONSTER IDOLという企画がどのようなものだったか知らないのですが、最初のワンマンライブを地下アイドルの目標だったりする赤坂BLITZでやるんですから、やっぱTVってすごいですね。モーニング娘もTV番組連動オーディションからデビューしたアイドルでしたが、それをBiSHが所属するWACKが引き受けるわけですから、この事務所ほんますごいわ。

2.ポプラ - 開歌-かいか-

結成1年ほどのグループですが、2018年に解散したアイドルルネッサンス(このグループの話もしたい)というグループに所属していた百岡古宵ちゃんというバリバリのプロフェッショナルを擁する「鮮やかに咲くような歌声を届けること」をコンセプトにする実力派です。この新曲、ポプラは真正面から歌一本で勝負させる小細工なしの楽曲がめちゃくちゃ良いですね。ここまで真っ直ぐこられるとなんかプリミティブな感動があって、これが歌のチカラか、なんて思ったりします。

3.夜ニトラゼパみゅ - NEMURIORCA

「にんげんをすくいたい」がコンセプトのNEMURIORCA。全部ひらがなってのが適当な感じがしていいですね。対バンイベントで名前は知ってたけど見たこと無かったグループで、Spotifyのアイドルポッププレイリスト(超優秀)で楽曲を聞いて以来Digってる感じ。調べたら2018年12月に活動開始で、今回では1番活動が長いグループ。この、夜ニトラゼパみゅ(絶対おぼられない)はチップチューンなイントロがパーフェクトで、初音ミク以降のエレクトロサウンドって感じがキュートで良いですね。

4.スクエア - NELN

NELNは「目を閉じて、夢は自由。」とわかるようなわからないようなキャッチコピーで2020年4月に誕生したデビューほやほや4人組グループ。コロナ禍がっつりのタイミングで生まれたグループの今後の活動に期待です。メンバー全員2003-2004年生まれというバリバリの新世代。デビューから12ヶ月連続で新曲をリリースしていくらしく、この5月27日リリースの新曲スクエアは、ふんわりしたアイドル歌唱と浮遊感あるエレクトロロックのシナジーがとても気持ち良いですね。

5.無課金ヘイト - SOMOSOMO

結成1年ほどのグループSOMOSOMOは「全身全霊ではしゃぎ倒す」がコンセプト。実直なライブアイドル感があって機会があったら見てみたいなぁと思っています。この無課金ヘイトはメンバーが作詞をしているのですが、SNSネイティブな世代が感じている世界への取り留めのない感覚たちがそのままカタチになっているようで好きです。作詞に参加したツクヨミケイコちゃんはnoteをやってて、真っ直ぐで、だけど年齢相応なナイーブさが見え隠れする良い文章を書いています。引き続きウォッチです。

6.アンサー - 透色ドロップ

さきほどのNELNと同じく4月から活動を開始した透色ドロップ。透明じゃなくて透色。「この世界はきっと、透色に溢れている」というキャッチコピー。透色ってのは、透き通る空が青だけど青じゃなくて、喫茶店のメロンソーダが緑だけど緑じゃない的なイメージだそうです。デビュー音源に収録されるアンサーは坂道シリーズへの意識をうっすら感じる現代的な王道アイドルソング。等身大のアイデンティティを歌う歌詞と楽曲の疾走感の中に、その彩りを含んだ透明感を表現していて良いですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?