GARMIN UNBOUND Gravel 2021 #6

朝9時ごろにアラームを止める。身体を起こし森本を見るとソナーマンのように巨大なヘッドフォンを装着して眠っていた。ノイズキャンセリング機能が搭載されたそれを見て、僕は鼾をかかない筈だが、なんだか申し訳ない気持ちになりノイズキャンセリング中の彼の横を努めて静かに歩いて洗面所に入った。冷水で顔を洗い、鏡を見る。時差ボケの影響もなく、清々しい目醒めだ。
UNBOUND Gravelは4日間のスケジュールで、初日からAll Things Gravel Expoというグラベルに特化した見本市がスタートし、全てのレースのエントリーが可能になる。翌日に50マイル、25マイルの開催と350マイルのレースがスタートし、3日目には200マイルと100マイルレースのスタート、その後200マイルのレースのパブリックビューイングが開催される。4日目は200マイルと350マイルのカットオフが深夜に行われ、朝から表彰式、フィナーレ、見本市の撤収というスケジュールになっているようだ。今日は2日めということになる。僕たちはバイクを組み立ててUNBOUND Gravel開催地エンポーリアまで移動、昼食の後、レースのエントリーと軽い試走をして見本市の視察を行う予定だ。
身支度を終えると森本は起床していて、おはようと言いながらブラックコーヒーを渡してくれた。カーテンを開けると完璧な快晴だったので、僕たちはコーヒーとパンを持って表の駐車場に出ると、ちょうどよい気温と乾燥した風が気持ちよく、ここで朝食を摂りながらバイクを組み立てることにした。想像を超えた甘さの菓子パンとブラックコーヒーは意外に相性が良かったが、巨大なパンは半分も食べられなかった。
今回の僕たちのバイクセッティングは、SHIMANOのグラベル向けコンポーネントGRXがインストールされたCANYONのカーボングラベルバイクGrizlに、ENVEオールロードカーボンホイールSES3.4AR+PanaracerグラベルキングSKをセット、森本は50C(これはGrizlの最大タイヤ幅だ)を、僕は43Cのタイヤサイズをチョイスした。ほぼ全域グラベルの100マイルレースというのは想像もできないが、バイクはパーフェクトだ。あとはそれぞれフレームバッグやサドルバッグなどストレージを追加する。僕は補給食とハンドポンプ、薄めのジャケットをフレームバッグに収納、パンク修理キットや携帯工具はサドルバッグに収納し、道中の水分補給が不可能というところで、ダブルボトルに加え、ステム横にスナックポーチを追加しペットボトルを携行できるようセッティングした。
前輪を外してSUVに積み込む際にフロントのスルーアクスルは必ずバイクにつけておくように森本に忠告を受けた。確かにそうである。忘れるわけがないと思っていても、レース会場についてスルーアクスルがなければそこでDNSは確定する。こういう細かな行動の積み重ねがレースの結果を左右する。マージナルゲインというやつだ。

>> GARMIN UNBOUND Gravel 2021 #7


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