7月1日(月)鈴本演芸場 上席 夜の部
十八 狸の札
林家きく麿師の弟子。
伊織 猫と金魚
番頭が発したひとことに客席が凍りつく。
金魚なんて死んでたって見られますよ
アサダⅡ世 奇術
安定のまったり感。
歌奴 近日息子
先回りをして気を利かせたつもりが、マヌケな結果になってしまう。
きく麿 首領が行く
Vシネマに影響を受け、ヤクザ口調になっていた児童二人を注意していたはずの女教師。Vシネマを見て、3日後には自分も影響を受けてしまう。ミイラ取りが岩下志麻になる。
ロケット団 漫才
三浦「今日から7月になりました…と言っても過言ではありません」
菊之丞 棒鱈
飲みに来た二人とおかしな田舎侍。ただひたすらにおかしい。
扇遊 一目上がり
扇遊師が寄席でよくかける一席。
「近江(きんこう)の鷺は見がたく、遠樹(えんじゅ)の鴉は見やすし」
人間の行いの善悪を表す。雪の中、近くで見る白いサギは見分け難いが、遠くの方にいる黒いカラスは見つけ易い。
人間、近くでいくら良い行いをしてもなかなか気づいてもらえないが、遠くのほうでヒョイと悪い事をすると、アッと言う間に知れ渡ってしまう。
肝に銘じたい。
ー仲入りー
小菊 粋曲
「梅は咲いたか」
「並木駒形」
「裏のせどや」
「都々逸」
岡惚れしたのは私が先よ 手出ししたのは主が先
傘を買うなら三本買うてござれ 日傘雨傘忍び傘
「ちゃっきり節」
「炭坑節」
「上げ汐」
三三 三人旅
三三「お客様の中で『今日は月初めで忙しいし、雨降ってるし、本当は来たくなかったな』と思っている方は手を上げて下さい」
(誰も上げない)
三三「あ、私だけですか」
楽一 紙切り
「横綱土俵入り」
「つる子師匠」
「ぐんまちゃん」
「大谷翔平」
つる子 しじみ売り
出てきた途端に涙ぐむ。引き続きタンクを背負っているようだ。
雪の夜のお話。小僧と稲葉屋清五郎とその子分が織りなす、おかしくてやがて哀しき物語。小僧の無邪気さと清五郎の貫禄と子分の間抜けぶりが冬の街にグラデーションを描く。小僧の笑いはやがて涙に変わったが、その涙も春には喜びの涙に変わるだろう。哀しみは喜びに。冬は春に。禍福は糾える縄の如し。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?