6月19日(水)蝶花楼桃花 ・林家つる子 二人会(なかのZERO 小ホール)
「寄席のプリンセス」こと蝶花楼桃花師と「12年ぶりの抜擢真打」の林家つる子師の初の二人会である。話題性じゅうぶんのこの会に、なかのZERO小ホールは満員となった。
東村山 平林
幕が開き、メクリの「東村山」の文字が見えると拍手が巻き起こる。あれ?東村山サンって名人だったっけ?
つる子 ミス・ベター
まだ記憶に新しい真打昇進披露興行の裏話をマクラに振る。桃花師に「あの師匠には気を付けて」とアドヴァイスをされた話。楽屋で鈴々舎馬風師と二人きりになり、気まずかった話を楽しそうに話す。つる子師、馬風師のモノマネが上手い。
「それから5年後の夏」のくだり、みなみとトオルが彼女の会社で再会する場面は省かれた短縮版。二人の前にピストルを持って立ちはだかる女は婚約者ではなく、トオルにつきまとう設定になっていた。それでもじゅうぶん客席を沸かせた。
桃花 お見立て
お得意の一席と言っていいだろう。合掌をして首を左に傾けるポーズで「おねがい」と言って、喜助を翻弄する。客席の多くも翻弄されたし、もちろん私も翻弄された。
ー仲入りー
桃花・つる子 トーク
つる子師が先日の真打昇進披露興行について話すと涙ぐんでしまう。すると、桃花師が「やっぱり泣くでしょう?お披露目の時、ずっと泣いてたんだから! 」と突っ込む。つる子師の真打昇進にあたり、「エロエロ大魔王」(©蝶花楼桃花)こと五明楼玉の輔師のアドヴァイスが親身だったとの事。
桃花師は7月に池袋演芸場で『桃花三十一夜』を開催する。一方、つる子師は7月鈴本演芸場上席夜の部でトリをとる。
桃花 宗論
軽い噺でつる子師につなぐ。師匠である小朝師や兄弟子の玉の輔師もお得意のこの噺。「川村学園に処女は少ない」と桃花師が言うと、ちょっと艶めかしい。
一席終わった後、三味線で「ソーラン節」「おてもやん」を披露し、客席を盛り上げた。
つる子 紺屋高尾
久蔵が高尾に逢うために働き倒した3年間とコロナで自粛を強いられた期間を重ね合わせる。いつまで続くのか?いつ終わるのか?演芸関係者の苦悩を滲ませた。
ラスト、久蔵に「お前の手が汚れちまったなあ」と言われ、高尾は「お前の色に染まって嬉しいんだよ」と返す。客席はつる子色に染まった。