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11月6日(月)第39回代官山落語夜咄〜話題の抜擢真打が代官山に初登場!〜林家つる子『芝浜』Produced by 広瀬和生

つる子・広瀬和生『ご挨拶』
 真打昇進を来年に控え、大忙しのつる子さん。今日もも同時に昇進するわん丈さんとともに落語協会に用事があったそうである。

つる子『おかみさん目線の芝浜』
 おみつと勝五郎の「なれそめ」から丹念に描く。きっかけは魚の「あじ」だった。あじと同じように澄んだ目を持つ勝つぁんにおみつは惹かれゆく。大家さんのアシストもあり、ふたりは晴れて夫婦となる。大家さんの長屋に住み始めるふたりだが、勝の酒癖の悪さやお得意先との喧嘩もあって、旦那は河岸へ行かなくなってしまう。夫婦喧嘩の後、おみつは大家さんに相談する。大家さんはある提案をする。
 
 つる子さんが挑戦し続けている『女目線シリーズ』。呑んだくれて仕事に行かない勝をおみつはなぜ見限らなかったか?それは「なれそめ」の部分に集約されている。結局、おみつは勝が好きなのだ。「好き」な気持ちが消しゴムとなって、酒に飲まれ仕事に行かない勝の短所を消してしまった。その真剣な想いがホント(勝が財布を拾った事)をウソにし、そのウソがやがてマコトとなり、大きな幸せを呼び込むことになるのである。

つる子・広瀬和生『対談』
 つる子さんが手掛ける『女目線シリーズ』の『芝浜』、『子別れ』、『紺屋高尾』、『妾馬』について語られる。これらはもう古典落語の改作レベルではない。新作落語を創るのと同等である。その熱量はお客にもビンビン伝わってくる。次は『文七元結』を演りたいそうだ。
「女性にしかできない落語」のもっと先には「林家つる子にしかできない落語」が見えている。林家つる子さんは真打のその先をもうすでに見すえている。
 

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