新入社員の皆様へ(28)

関東地方では桜が満開を迎えて、いよいよ、春らしくなってきました。3月も終わり4月を迎えるこの時期は、新卒の皆さんが入社され、学校と会社の接点と皆さんとのご縁に考えを巡らせてます。

皆さんだからできること

採用前後で多く頂く質問は「会社は私(たち)に何を期待しているのでしょうか?」です。そのたび「会社を飛躍させて新たな歴史を作ってほしい」と答えています。(言葉の表現は少し違うかもしれません。)
設立時、ほとんどの企業はベンチャー企業です。例外は、会社分割などの事業再編で生まれた会社や民営化によって生まれた会社ですが、設立された時に最初からお客様がいて、お客様のために活動を営むチームがあり、事業が形をなしています。株主が変わるだけなので、ベンチャーではないかもしれません。一方、大企業の子会社や合弁会社として始まった会社であったとしても、お客様、サービス/製品、組織をゼロから作っていくプロセスは、ベンチャー企業そのものです。
現在、多くのお客様に必要とされ、世界中の人材を雇用し報酬によってその生活を支え、協力会社の経営を支える大企業も、始まりはベンチャー企業でした。そして、その会社が大企業になる過程、大発展を支えたのは、多くの場合、創業者ではなく、創業世代以降の社員たちです。私達も、代を重ねるごとにより力強く、より創造的に、より素晴らしい会社に発展していく、そんな会社を作っています。会社を発展させる人材、組織、社風、文化とこれらを作るべく不断の努力を重ねてきた歴史を作ることは私にとっての情熱の源泉であり、これ以上の豊かな時間の使い方ってなかなか思い浮かびません。いつか自分が現役でなくなる、そんな時、素晴らしい仲間たちのチームがあって将来に対して計り知れないほどの大きな期待を持てることってとても幸せなことだと思うのです。

時間をかける価値

かつて当たり前だった終身雇用はすっかり影を潜めています。終身雇用は日本企業の代表的な特徴のように言われますが、欧米でも20世紀前半までは終身雇用が多く、国々の経済情勢によって、たまたま終身雇用が生き残ったのが20世紀後半の日本でした。終身雇用についてはこれまでもあちこちで語られてきましたが、制度や慣習ではなく、それを活用する会社や経営陣の意図や哲学にこそが良し悪しを生み出したように思います。長期に在籍することが将来の昇進や報酬アップにつながる、という制度は、社員の選択肢を減らして、自由を縛るように使うこともできます。一方、仮に離職してもまだ戻って活躍できるとか、社内に幅広いキャリアオポチュニティがあって様々な経験を積める、ということは、長期的な視野で社員の成長を後押しし、社員の選択肢を広げることにつながります。終身雇用という制度に対しては特段の意見はありませんが、長期的な視野で社員が魅力を感じる会社であり続けたいと強く思っています。
世の中には人生を「年齢を重ねるごとに可能性が狭まる」と表現する人もいますが、私はまったく同意できません。昨日の過ごし方と縁が今日の私たちにつながり、今日の過ごし方が明日の私たちにつながります。可能性が広がるか、狭まるかは、時間の使い方の選択、つまり私たちの問題であり、決して年齢のせいではありません。

今できること

新入社員の皆さんには、できるだけいろいろなことにチャレンジして頂きたいです。会社、チーム、そしてお客様が成長するため、会社、チーム、お客様がよりよい存在となるために真剣に法令に沿って取り組むことであれば、チャレンジの内容、チャレンジのやり方は問いません。チャレンジしている姿は、もしかしたら生意気に見えてしまうかもしれませんし、空気を読めないように見えてしまうかもしれません。思ったよりも難しくて挫けそうになるかもしれませんし、実際に挫けるかもしれません。思ったような結果が出せず、チャレンジが失敗に終わるかもしれません。それでも、会社では、皆さんのチャレンジを全部受け止めてくれる先輩方が皆さんを心待ちにしています。皆さんのチャレンジは、皆さんのみならず、私たち会社全体の学びにつながります。皆さんは失うことなくチャレンジできます。今こそ、皆さんが経験のいっぱい詰まった1年を過ごしてください。そして、来年、後輩を迎える素敵な先輩に成長していることを心から楽しみにしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?