見出し画像

僕にとっての野球


 今季のリーグ戦を終えて、僕の学生野球は終わりを迎えました。

野球を通じて自分の人生に大きな影響を与えてくれた恩師、最高の仲間に巡り合うことができました。
そして、最後の最後まで応援してくださる方がいたからここまで続けることができました。本当に感謝の気持ちしかありません。

大学では全く勝てない中でもいつも見に来てくれる親御さんやサポートしてくれるマネージャー、後輩の姿がありました。
みんながいたから最後少しだけ結果を出すことができたと思っています。
本当にありがとうございました。


これまでの野球人生


僕の野球人生はすべて、小さなことの積み重ねで成り立っていると思っています。たくさんの指導者の方から教わった野球観、技術、考えが自分の野球道を作ってきました。

 少年野球時代にショートというポジションを与えてもらって、それが僕の野球人生の始まりでした。その時の監督さんには本当に感謝しています。最後、大学までショートを貫き通せたことを誇りに思います。
 少年野球時代は感謝の気持ちを持つこと、5SとKYについて学びました。
「今、野球ができることに感謝」この横断幕を当時掲げて試合に向かっていました。本当に素晴らしい教えを少年野球で学べましたし、今も僕の心に刻まれている考えです。
5Sというのは整理・整頓・清潔・清掃・躾でKYというのは危険予知のことです。この教えは大学になっても変わらず実践してきました。グラウンド整備はしっかりすること、道具を丁寧に磨くこと・扱うこと、カバーリングは抜かりなく行うこと、すべてこの教えが生きたものでした。当たり前かもしれないけど最後の最後までやり抜くことができました。

 中学校時代は本当にきつかった思い出しかありません。しかし、ここでの恩師との出会いは僕の野球人生で一番大きい出来事でした。何の実績も力もなかった自分が初めて全国大会に行けました。
 中学時代はバントや走塁の緻密さ、勝利へのこだわり、何事も一生懸命取り組むこと、特に野球以外のことをたくさん学びました。そして、ここで自分は努力できる力がついたと感じていますし、小さなことにこだわりを持つようになったのもこの時の恩師の影響でした。
当時のコーチは日本一にずっとこだわりを持っていました。日本一になるためには何をすればよいかを常日頃考え、たくさんのものを教えてくださる方でした。結果として日本一になることはできませんでしたが、秋、春は県大会にすら出られなかったチームが最後の夏に全国大会に出ることができました。
その方の影響で、自分も目標のために自問自答し、常に何をすればいいかを考えられるようになりました。それと同時に、成果と向き合うことによって人は成長できるということを学びました。

 高校時代は正直、スタメンで出た記憶がほとんどありません。2年生の夏までB戦にも帯同することができませんでした。自分の役割は何か、どの力であればチームに貢献出来るかを考え、一冬頑張って最後にはメンバーに入り、試合に出させてもらえるようになりました。目標の甲子園は叶いませんでしたが、人生で一番たくさんの人の想いを背負って野球ができて本当にいい経験ができたと実感しています。 
しかし、その想いを結果に結び付けられなかった自分の力不足を痛感し、今の努力ではまだまだ足りないということを思い知らされました。

正直、高校で野球はやめるつもりでいました。しかし、この大学の野球部との出会いが自分の道を切り開いてくれました。
そしてそれは、まだ野球をしていいんだという神様からのメッセージだったんじゃないかなと思います。

 大学野球では野球人生で初めての経験をたくさんさせてもらいました。主将もそうですし、4番を打たせてもらったのも高校時代打席に立つことすらできなかった自分からは考えられないことでした。長良川球場でホームランを打つこともできたし、東海大会に出ることもできました。
2年生の春からずっとレギュラーで試合に出場し、サードやファーストのポジションも経験できました。この4年間はその一瞬一瞬が充実感に満ちていて、美しい日々でした。

4年秋まで野球を続けた理由の一つに後輩やずっと応援してくれる方に勝つという喜びを味わってもらいたいという思いがありました。そして、それがここまで野球をやってきて、先輩と一緒に勝ちを経験してきた自分の使命であると感じていました。
最後は自分の力不足でチームを勝たせるという目標は叶いませんでしたが、ここまで歩んできた日々はかけがえのない財産です。
このチームには入れて、みんなと野球ができて本当に良かったです。

今までの野球人生で関わったすべての監督さん、指導者、マネージャー、仲間、ライバルに感謝します。
みんなのおかげでここまで来れました。
そして、ずっと応援してくれた家族、親御さん、OBの方々にも本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。


野球から得たもの

 僕が、野球から得たものは継続すること、考えることの重要性です。
僕の野球人生、どのカテゴリーでも最後に一番いい結果を出すことができました。これは、どんな厳しい結果でも腐らず、あきらめず、結果が出ることを信じて取り組みを継続できていたからかなと思っています。
特に、大学時代は相手のレベルが高く、なかなか結果が出ない中でどうすればいいかを自問自答する毎日でした。
僕は、1年生の時からずっと積み重ねてきたものがあり、それが正解だと信じて取り組めてきたからこそ最後のリーグ戦で少しだけ結果を出せたと実感しています。そして、練習で頭を使い、試合では頭をフラットにするという思考の整理ができたことが、どんな状況でも自分のプレーをすることにつながったと思っています。

今までの野球人生で小学校、中学校、高校は終わった時に充実感や達成感がどこか感じられず、消化不良だと感じたり、後悔の涙で終わることが多かったです。
しかし、大学では終わった瞬間の達成感が大きくて、もう明日から野球ができなくなるのかと思うと寂しくて、本気で野球に取り組めていたことをそこで初めて実感しました。
最後の試合は全く結果が出ませんでした。準備が悪ったわけでも、いつもと何かを変えたわけでもありません。いつもと同じ気持ちで勝つためのプレーや行動をしようと最後だからと驕ることなくやり通せました。
結果が出なかったのは次のステージに向けて与えられた試練だと思います。

今まで負けてばかりの人生でしたが、今回の負けも僕の心に刻まれた大切な敗戦になりました。そして、最後に野球人生で初めて清々しい気持ちで終わることができました。積み重ねてきたものの大きさや積み重ねることの偉大さがその感情を湧かせてくれたのかなと思います。

人生は敗者復活戦です。勝負事なので勝ち負けはどうしてもあります。そして、負けることの方が多いと思います。そこから何を学び、どう活かしていくかが本当に大切で、最後負けっぱなしで終わらなければ、勝利者になれば、全ての失敗は成功の過程になると思います。

今季の成功体験と野球を通じて得たたくさんの負けを活かして、人生では勝利者になりたいと思います。

他人に影響を与えるということ

 最後に、僕は野球人生でたくさんの恩師に影響を受けてきました。
引退が近づくにつれて後輩に「本当に引退するんですか」「また、練習来てください」「引退している姿が想像できませんよ」と言ってもらえる機会が多くありました。お世辞かわかりませんが、本当にうれしくて自分がやってきたものが少し報われたような気がしました。
大学野球では少しは誰かの心に響くプレーや振る舞いによって影響を与えることができたのかなと思っています。

野球を通じて、誰かが喜んでいる姿を見ることが自分の生きがいであり、頑張る原動力であることに気づくことができました。
「他喜力」これは僕が試合に出始めてからずっと大切にしてきた言葉です。

これから、社会に出て誰かのために頑張り、影響を与えられるような人間になっていきたいと考えています。
そして、たくさんの方が応援してくれる中で結果を出し、恩返しできるような強い人間になりたいです。


野球を始めるきっかけになってくれて、いつも良きライバルであった兄弟、野球を続けさせてくれて応援してくれた家族、たくさんの人のおかげさまで今の自分があります。

これからはどこかで野球界の発展に貢献できるような取り組みをしていき、野球に恩返しをしていきたいです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?