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ミヤモトオレンジガーデンの甘平(かんぺい)をとにかく食べほしい。

みなさん大変です。

わたしは甘平(かんぺい)の美味しさに気づいてしまいました。甘平を食べたことない人は、ぜったいに甘平を食べてほしい。そう、

『みんなの人生を甘平を食べた後の人生にしたい』

と、甘平は私をこんな気持ちにさせたのです。決してめんどくさいやつではありません(キリッ☆)。

この記事を書き始めたとき、わたしは甘平を作っている愛媛のみかん農家『ミヤモトオレンジガーデン』さんの凄さを3つ軸に分けて記事を書こうと思っていました。

1、定期便で毎月届く柑橘類が新鮮で、ずば抜けて美味しい。

2、作っている柑橘の品種、さらに加工品の数が多くて、一年中柑橘系を楽しめる仕組みと、遠方からECでも買い物がしやすい環境を提供している。すごい経営努力。

3、GAP(Good Agricultural Practices:農業生産工程管理)という農家の経営管理を効率化する仕組みを、自社開発によってアプリを作成して、品質管理、リスク管理、人財への教育効果、販路拡大などに活用している。そして、さらにそのアプリを農業会全体に広めていて、農林水産省「令和2年度 6次産業化アワード」 を受賞している。

つまり、消費者からも業界からも認められている農業のイノベーションを加速させている会社なのだ。と伝えようとしたのです。

が。。。

そんなことは業界では周知の事実。。。ミヤモトオレンジガーデンさんの商品を食べたことある消費者は、すぐにミヤモトオレンジガーデンさんが只者ではないことに気づく。

なので、農業のことをよく知らず、現場から遠く離れた私が、いまさらそんなことを詳しく書いたとしても、なんの説得力も無く空回るのです。。

そして、わたしは、事前に空回りを察知することに成功しました。自問自答。いいぞオレ。

そこで、いったん白紙にもどして、私ができることをゼロから考えたところ、私はミヤモトオレンジガーデンの甘平を食べて、いたく感動したということが私にとっての一番リアルな体験だったのです。

そうだ。すごかった。私は感動したんだ。ミヤモトオレンジガーデンの甘平はマジですごい。知らない人は損してる。そう、ミヤモトオレンジガーデンの甘平を知っているだけで人生丸儲けなのです。だから、みんなも食べてほしい、人生を甘平後の人生にするために。

前置きが長くてすみません(笑)。ではいきます。

甘平(かんぺい)ってこんな感じ

ミヤモトオレンジガーデンさんから届く甘平はこんな感じです。これで約2キロって感じでしょうか。甘平ひとつの大きさは男性の握り拳よりも大きく、グレープフルーツくらい。

包丁で割ってみたところ、この包丁の入る感触はいままでになかった気がします。

写真でも分かりますが、一番外の皮が薄い柔らかいです。普通に手で皮を剥いてみると、内皮も薄くて、向いた瞬間に内皮が破れて、果肉が飛び出ることもあります。

しかし、果肉から果汁が滴るような感じのジューシーさなのではなく、つぶつぶのまま留まっていて、ゼリー状の果肉が舌に触れた時に、強い甘さがくるんです。

種はほとんどありません。

スマイルカットにして食べてもみましたが、果肉が舌や口内の直接触れる時に、つぶつぶ感と甘みが同時に訪れるんです。

甘平(かんぺい)の特徴は糖度の高さとクエン酸含量の低さ。とても上品で強い甘さです。

手で剥いた感じがこちら。果肉がぷりっぷりです。やはり、つぶつぶの膜がしっかりとしているのが分かります。口の中に入れるまで果汁が維持されます。ちょっと極端ですけど、ザクロとかトウモロコシとか、そういう感じです。よくこんな果実を作れたなと感動します。

絞ってグラスに入れてみると。。。これはヤバい。うますぎる。。。
かなり贅沢な一杯です。

甘平は愛媛の独自品種

甘平(かんぺい)は、愛媛県が独自に育成した、愛媛県オリジナル品種。

愛媛県の果樹試験場にて「西の香(ニシノカオリ)」と「ポンカン」を交配し、2007年に品種登録されたばかりの新品種です。

外皮の薄さから育てるのがとても大変だそうです。夏~秋に雨が少ないと、皮が割れることもあるとか。まだまだ生産数が少なく市場ではレアな状況です。

私が勝手に信頼している東大みかん愛好会による、『甘み⇄酸味』、『とろとろ⇄しゃきしゃき』マトリクスでも、甘平は独特の位置を占めています。


毎月届く頒布会がおすすめ。

こちらは、私が毎月頼んでいる『ミヤモトオレンジガーデン』さんのサブスク、頒布会のラインナップです。

1月:ポンカン
2月:甘平
3月:せとか
4月:清見タンゴール
5月:ニューサマーオレンジ
6月:河内晩柑
7月:みかん、まどんなストレートジュース780ml
8月:みかん寒天ゼリーオールスター食べ比べセット
9月:みかんストレートジュース、みかん寒天ゼリー
10月:極早生みかん
11月:早生みかん
12月:まごころまどんな(愛媛果試28号)

近くのスーパーでは手に入らない品種も多く、柑橘類の楽しみが広がります。送料込みで3500円です。ECサイトから購入可能です。

よく甘平と対比される『せとか』も届きます。清見タンゴールやニューサマーオレンジなんかも、なかなか近くのスーパーでは手に入らないので、楽しみなんです。

ミヤモトオレンジガーデンさんの活動に対して、少しチップを払うことができるイノベーションアクセルコインで購入することも可能です。


心を躍らすばかり暖な日の色に染まっている蜜柑

スーパーでもいいですし、散歩していてどこかのお家の庭に果実が生っているなるのを発見した時でもいいです。生活の中で、オレンジ色の果実を見つけた時に、何か身体に染み渡る甘酸っぱい嬉しさを予感させてくれます。

植物が果実を実らせ、熟させて甘みを帯びさせる意義は、鳥や小動物に果実を食べさせて、種子を散布してもらうためといわれています。葉っぱと同じ色の緑色の蜜柑の実も、熟すとオレンジや黄に色が変わります。熟していることを外に知らせているのでしょう。

なるほど。人間だって熟した果実を見たら、うれしくなっちゃうわけだ。

いきなりですが、芥川龍之介に『蜜柑(みかん)』という作品があります。その一節には、蜜柑を見た時の味わいが描かれているので、ぜひ紹介したいです。文学アレルギーの方は、ここはすっ飛ばしてください。

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するとその瞬間である。汽車が踏切に差し掛かった時、汽車の窓から半身を乗り出したあの娘が、霜焼けの手をのばして、勢よく左右に振つたと思うと、心を躍らすばかり暖な日の色に染まつている蜜柑を五つ六つ、汽車を見送つた三人の子供たちの上へばらばらと空から降った。

私は思はず息を呑んだ。刹那に一切を了解した。恐らくは、これから奉公先へおもむかうとしている娘は、懐に蔵していたいくつかの蜜柑を窓から投げて、見送りに来た弟たちの労に報いたのである。

暮色を帯びた町はづれの踏切りと、小鳥のやうに声を挙げた三人の子供たちと、さうしてその上に乱落する鮮あざやかな蜜柑の色と――すべては汽車の窓の外に、瞬またたく暇もなく通り過ぎた。が、私の心の上には、切ない程はつきりと、この光景が焼きつけられた。さうしてそこから、或得体えたいの知れない朗ほがらかな心もちが湧き上つて来るのを意識した。

私は昂然と頭を挙げて、まるで別人を見るやうにあの娘を注視した。私はこの時始めて、云ひやうのない疲労と倦怠とを、さうして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅に忘れる事が出来たのである。
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芥川龍之介『蜜柑(みかん)』を少し改変。

『心を躍らすばかり暖な日の色に染まっている蜜柑』という表現にいたく感動します。芥川龍之介のみかんに対する美的な確信を感じます。日常の中で、蜜柑を見つけた時に感じるそれは、みかんが好きな理由の一つなんだろうなと思います。そんな目で改めて蜜柑を食べたら、面白いかもしれません。

また、『黄金色なる中身別々いちいち袋入りなる衛生果物』という、日本人の過剰包装の精神を植物ながらやっているという言い方もあるようです。

マーク・ロスコの絵画なんかにも、美的な確信を感じませんか。ミヤモトオレンジガーデンさんの甘平のことを考えていたら、こんなところまで連れて行ってくださいました。ありがとうございます。


ミヤモトさんを応援したい。

ミヤモトオレンジガーデン代表の宮本さんは現在46歳。家業を継いだのは2013年、早すぎるお父さんの死をきっかけに、37歳のときの家業のみかん農家を継いだそうです。現在は約10人ほどの従業員の方たちと、全国に柑橘を届けるべく、がんばってくださっています。

記事を読んで、甘平やミヤモトオレンジガーデンさんの商品が気になったら、ぜひ一度購入してみてください。改めてリンクはこちらです。


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