お加持教室7 皮膚をなでる、スキンシップ

先日、NHKヒューマ二エンスQで、皮膚が「0番目の脳」という別名を持つという、とても興味深いお話しが放映されていました。皮膚は、脳より先に世界を感じ取ることができる。皮膚独自に、目のように光を捉え、耳のように音を聞き、さらには味覚も臭覚もあるということがわかってきたのです。
人や動物は、ひとつの受精卵からそれぞれの形に至るまでの間の発生学で、脳と皮膚は同じルーツを持ち、皮膚に脳のはたらきが内包されていても不思議はありません。それどころか、赤ちゃんの脳の電気信号を調べていて、脳の発達には皮膚を介した体の接触が不可欠だと言うのです。まさに、皮膚が脳を育てている、「0番目の脳」ですね。 

そして、その中でヨシダナギさんというフォトグラファーの方が、いろいろな少数民族を見ていて、上半身裸で生活をする裸族の赤ちゃんは泣きじゃくらない、無駄泣きをしないと言われていました。それは、お母さんと赤ちゃんが、服をまとわないスキンシップをおこなっているためなのだそうです。直接肌を触れ合うということは、そんなにも心が癒やされるのでしょう。      

そして、代替医療であるマッサージは人の手により相手の皮膚をさわります。これは、機械でマッサージされるよりも、自分でマッサージするよりも、やはり相性の良い相手にしてもらうことの方が、心や体は癒やされます。現在の新型コロナのための非接触は、人の心を癒やしから遠ざけてしまいがちです。
ところで、お加持で人のまわりの気を触るということをしますが、これは直接ではないにしろ皮膚に触ります。これって、疑似スキンシップとは言えないでしょうか?なでるということは、前にお話しした肝臓だけでなく、体全体をなでて気を整えることで、体とつながった心の安定と癒しを与えているものだと考えます。
 
お加持をしていて、どこで気が滞っているかを診るために表面を触っている時に、それだけで相手が楽になることが時にあります。特に、背中には全部の内臓のツボが散りばめられているので、背中を触ることはすべての内臓に触れることにつながります。
 
2022年5月17日

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