薬局にて学んだこと11 犬はなぜ尻尾を振るの?
「犬はなぜしっぽを振るの?」という演題で、うちの先生があるところで話しをされたことがあります。犬は、うれしい時にしっぽを振りますね。では、なぜうれしいとしっぽを振るのか?
人はうれしい時に、顔の表情や声の感じやことばで、うれしい感情を表現します。そしてこの時、皮ふは気がめぐりうっすらと発汗しています。では犬はと言うと、やはり目の表情や鳴き声の感じ、そして飛び回ってうれしさを表現します。しっぽを振る理由は、皮ふが毛で覆われているために、人のように皮ふからの発汗ができないための替わりだということです。そして、あまりうれしすぎておしっこを漏らしてしまうワンちゃんもいますね。
「気」というものでこれを考えると、うれしいことも悲しいことも、受けた刺激は残らずすべて、体の外に出さないといけないそうです。その刺激を体の中に溜め込むと、うれしい刺激はまだしも、いやな刺激や悲しい刺激、怒りの刺激などが、体の中で内臓を攻撃して傷めつけてしまうのです。私たちが嫌な音を聞いた時に鳥肌が立つのも、入った刺激を皮ふから表に出しているのです。ちなみに、素晴らしいピアノの音を聴いた時にも鳥肌が立ったということを聞いたことがあります。
私たちが体調を崩す大きな原因は、これら外からの刺激に体が対処できなくなったことによります。受け入れられない思いや腹立ちが収まらない思いを、感情として表に出せない時に、体がそれをどう処理してゆくかということが大きな問題です。皆さんもされていると思いますが、「これはしかたがないんだ」と自分に言い聞かせる。でも、頭でわかっていてもなかなか腑には落ちません。それは、腑に落ちるまで私たちの体を歪め続けます。腑に落ちるまでが、私たちのこの世での修行かもしれません。
この世で生きていくことは、そのようなさまざまな刺激の中にずっと身を置き続けるということです。感情豊かに表現しながら、人を傷つけずに言いたいことも言えたら良いですね。
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