キレイに効くお話8 小建中湯に生薬として使われる シナモンやニッキ

 三つめは、小建中湯に使われるシナモンやニッキのお話です。漢薬名は桂皮(けいひ)です。作られたエネルギーを、体の表面にめぐらすはたらきをします。

 シナモンは、お茶の時間にシナモンティーでいただいたり、ケーキなどのお菓子に使って風味をたのしみますね。シナモンは、ちょっと疲れたかなという時の気分転換にとても良いもので、体の表面のエネルギーのめぐりを良くします。

 また、かぜをひいて寒気がするような時というのも、この表面のエネルギーのめぐりが悪くなった時で、そのめぐりを良くすると軽いかぜは治ります。漢方薬に桂枝湯(けいしとう)というものがあって、こんな時に使うお薬です。皆さんよくご存知のかぜ薬の葛根湯(かっこんとう)や、この小建中湯などは、桂枝湯が基本になって他の生薬を足したお薬です。このシナモンの、エネルギーを表面にめぐらすはたらきを必要としています。

 以前、「この子はおかしい、他の子のように遊ばない」と、ある母親が子どもさんを連れてこられたことがあるそうです。何を調べても異常はないし、子どもはどこといって異常をあらわしていないので、先生が母親を帰そうとしたそうです。でも、その話をしている間中、子どもは尼僧のようにじっと座ったまま動きもしないので、「これは、おかしいね」と気づいたそうです。この桂枝湯を使って、表面のエネルギーをめぐらせることで、この子は元気に遊ぶようになったという話です。

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