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四月二十九日@バール

四月二十九日

朝起きると同室のロシア人が既に活動を始めていた。私は寝すぎ。寝起きなので軽く挨拶を交わしてシャワールームに行って着替えて歯を磨く。

部屋に帰ると、ロシア人が話しかけてくる。朝食を食べに別棟のキッチンに行くというので一緒についていく。着くと、そこには昨日会わなかった他のボランティアも集結しており、フランス人やもはや何人かわからない人が五、六人ほどいる。英語が母国語の人は一人もいない。

彼らが作っていた朝食にお呼ばれする。ドライレーズン、りんご、ビスケットを食べて出かけることにする。みんな昨日夜飲んでいたようだ。中国人?とそのうちの一人に聞かれて、日本人といったら「日本と中国ってどう違うの?言語も違うの?」という質問をされてちょっとびっくりしたが、なるほどそういう理解の人もいるだろうなと思った(ほとんどの日本人がバルカン諸国の区別がつかないように…といってもバルカン諸国は言語も文化も似ているので中国と日本とは違うが)。

そのあとは市内の方に出て、カフェを探す。市内までは道が汚いからバスに乗った方がいいよ、一ユーロだしと世話人が教えてくれたが、肝心のバスがいつくるかわからないとのこと(一時間に一回くるらしいが、何時に来るのかみんな知らない)。歩いても三十分ほどだし…ということで結局歩いていく。 

まず市内にたどり着くまでに見つけた少し古めの喫茶店のようなところに入る。友達がいっていたように、モンテネグロでは室内でタバコを吸うことがまだ普通なので、中はタバコ臭い。が、インテリアは日本の昭和の喫茶店のような、豪華な感じである。

市内の方は海が近く、新しくできたカフェがいっぱいあった。その中でも特に新しそうなところに入って、電源を確保しWiFiにつなぐ。ホステルのWiFiは全然使い物にならなかった。WiFiを開いてなんとなくプログラムを直す気になったので作業したり、SNSをして画像をあげたりする。

そのあと、ホステルでみんながオススメしてくれたStari Bar(通称オールドバール)に行こうと思って道を調べるが、市内から七キロほど先にある。七キロは歩いていくには遠いなぁと思って公共交通機関を調べるが、どうもバスが走っているようだが、いつ来るのかわからない(時刻表なるものが存在していない気がする)。バス停も街中に点在しているのだが、なんせ時刻表や行き先が書いていないので、どこに連れていかれるのかわからないのも難点だ。

ということでタクシーを拾おうかと思ったが、まぁ歩けるところまで歩こうと思い、歩き続けて結局徒歩で到着した(一時間ちょっとほど)。緩やかに山を登っていく感じで、歩きにくい道もあったが、山を見ながら景色を楽しめた。

オールドバールの近くいくと、いかにも観光地という感じの雰囲気に代わり、バスやタクシーから人が降りて街を散策している。そのまま上に上がり続けて、中に入って見学する(入場料は二ユーロ)。

割と高いところに登るので高所恐怖症の人は怖いかもしれない。なんだか中世にタイムスリップしたような感覚であった。モンテネグロは割と猫をよく見たが、ここは特になぜかたくさん猫がいた(飼ってるのかも)。

三十分ほど見て、市内に帰る(普通は一時間か二時間ほどかけてゆっくり見るらしいが、私は適当に雰囲気だけ探索した)。帰りは歩く気になれないので、タクシーが5ユーロだったら使おうと思ったら、その通り5ユーロだったので即決でOKした(もしかしたら値切れたのかもしれないが)。

ホステルに帰って荷物を取り、駅へ向かう。ポドゴリツァ行きの電車に乗る。電車が向こう側の路線に止まっており、線路を歩いて渡ると、登る時に車掌さんが手を取って引き上げてくれた。お姫様のような気分である。そこから終点までは(本当は海外ではよくないが)爆睡してしまう。

ポドゴリツァに着いたら、ホステルに移動し、色々説明を受けたあと夜ご飯のお勧めを教えてもらう。ポドゴリツァ名物のポペツィという料理(カッテージチーズとハムを牛肉で巻いて、あげたもの)をいただく。ホステルの人が教えてくれて、英語のメニューに載ってないから必ず「ポペツィというか、僕の書いたこの紙を見せてね」と言われる。ポペツィというと通じて無事いただくことができた。すごく太りそうだが美味しい。

翌日は早朝の便で帰る。寝る前に同室のドイツ人(シュトゥットガルトから)と少し話して、アルバニアがすごくよかったと教えてもらう。次回ぜひ行ってみたい。