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【理科系夫】食洗機の気持ちになる

1月3日の夜、食洗機が動かなくなった。
スイッチが入るのだが、
5分ほど経つと。

「ピピピピピピ」

耳を刺すような警告音が鳴って
止まってしまう。
電源を入れ直しても同じ。
メニューボタンが忙しく点滅している。

一大事だ。

食洗機は我が家で一番の働き者。
1日3回は使う。
洗濯乾燥機と並ぶ家事のプロなのだ。

あつこは昔から手荒れがひどい。
そのため、食洗機は必須だった。
洗えるものは全部洗ってもらう。

お皿もお鍋もカップも
食洗機に使えるものにほとんど変えた。
現在の食洗機は5台目だ。

よりによって
お正月に故障してしまった。
あーあ。
朝1番でメンテナンスの会社に電話しなくちゃ。

っていうか、この汚れたお皿、私が洗わなくちゃいけないじゃない。
ふにゃ、と気持ちがすぼむ。
ーーーーー

ここで理科系夫が登場だ!

あつこは
身振り手振りを加えて、
この困った状態を訴える。

あつこ「食洗機がね、動かなくなっちゃったの。

電源を入れ直してみたんだけど、やっぱりピピピピって言って止まっちゃうの」

お皿を洗いたくないあつこ
まるで、滝のように
言葉のシャワーを理科系夫に浴びせた。

理科系夫「ちょっと黙ってて」

理科系夫はもう一度電源を入れてみる。

ダメ。警告音が鳴り響く。

お皿を全て出してみる。

そのあとも何かゴソゴソ。

あつこ、あきらめてお風呂に入ってしまう。

ーーー
お風呂から出て、
ほかほかのあつこに
声がかかる。

理科系夫「なおったよ」

あつこ「ホント!すごーい。さすがー」
(ここは、ほめまくるところです!)
ーーーーー

あつこ「だけど…どうやってなおったの?」

理科系夫「食洗機の気持ちになってみるんだよ」

あつこ「は?」

理科系夫「あつこは機械に対して冷たいんだよ。

あー、どうしよう、どうしよう、
サービスマン呼ぼうとしか言わないじゃない」

あつこ「ええっと」

理科系夫「もう少し観察をするべきだろう?
食洗機がかわいそうじゃないか」

あつこ「……」
(意味不明すぎて無言)

理科系夫「ちょっと調子が悪いだけ、故障故障と言い立てる。

もう少し機械の気持ちになって
●どこが具合が悪いのか
●どこが直せば治るのか
観察して考えるんだよ。

ひょっとしたら、頑張ろうとしているかもしれないだろう」

ーーー

1月3日、夜の思わぬお説教

あつこは、
途中から
なんだか悪いことをしているような気になってきた。

結局のところ、給水がうまくいかなくて警告音がなっていたらしい。

我が家の食洗機は、パナソニック製。
最初数分間、蒸気で蒸して汚れを浮かせる時間がある。
そのあと、給水される。

理科系夫「給水をする弁のようなものがうまく連動していなかったんだと思う。

だから電源を何回も入れ直した。
ちょっとした具合で動かなくなるからね」

あつこ「それで動いたの?」

理科系夫「何回も電源を入れ直したら動くようになった。

お皿を全部取り除いても
特に変なところはなかったし。
何が不具合につながっているのか、
とにかく観察するんだよ。」

ーーーーー

観察…あつこは苦手です。
そこで角度を変えて質問。


あつこ「でも、これは基本的な知識がないとだめじゃないの?」

理科系夫「それはそうだね。

だから、日頃動いているときに
様子をじっと見ている。

あ、水が入ったな

あ、動き出したなってね」

あつこ「…」

ちょっと待って。

これ、子育てに通じる?
ちょっと間違ったからって
鋭く指摘したり
騒ぎ立てたりしないで。

観察する。
どんな気持ちか考えてみる。
うーーーーん。

はるちゃんや
なっちゃんが
パパを大好きなのも
こんなところに理由があったのかも。

理科系夫は
声を荒らげることなく
いろいろ説明していたからなぁ
あつこは口うるさいお母さんだったけど。

娘たちの気持ちは、今となってはわからないけれども

あつこは
子育てに対する反省の気持ちはたくさんある。
こうすればよかった、
ああすればよかったって。

食洗機の故障のおかげで
子育て時代の心の痛みを思い出した。

2人とも優しい子に育ってくれてよかった。

ーーーーー

とはいえ、
あつこはやっぱり食洗機の気持ちにはなれそうもない。

あ!思い出した。
以前、チョコレートの箱の気持ちになるって言われたことがあった!

なんだかこれ、つながってる…。

また、何かあったら
「その気持ちになるんだよ」と理科系夫に言われそうで。

続くのか?
うわわわわ。
観察眼0のあつこは、あせってしまうのだ。

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