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妻の心が夫から離れる前に、ぼくらができること

こんにちは。

ぼくには3人の息子(6歳、6歳、2歳)がいるのですが、彼らにまだまだ手がかかる今のうちに、やっておこうと思っていることがあります。

それは、ぼくが妻にとって「ありのままの自分を受け入れてくれる人」という存在になることです。

妻から「この人は自分をすべて受け入れてくれる。自分を承認してくれる。」と、思ってもらえるようになるということですね。

なぜ、そのように思うようになったのか。今日はそのことをお話しようと思います。

「あんた、いいお客さんつかまえたて」

ぼくが呉服屋で働いていた時のことです。

当時23歳のぼくは、町中をローラー作戦(家を一件一件ピンポンして、アンケートを取り、今後販売会の案内をお送りしてもいいと承諾してくれたら、連絡先を教えてもらう)していたときに、40歳になったばかりの女性と出会いました。

彼女は若い頃に産んだ娘さん(当時20歳)がいらっしゃって、子育てから手が離れ、これからの自分の時間の使い方を考えているところでした。

夫はその地域では有名な大企業で働いていて、彼女自身も資格を生かした仕事をしており、収入には困っていませんでした。

その方が初めてお店に寄ってくれた時、先輩の販売員(20年以上働いている50代のベテラン女性販売員)は、ぼくにこう言ったんです。

「あんた、いいお客さんつかまえたて」

夫婦ともに高収入、子どもにはもうお金がたいしてかからない(その方の娘さんは近いうちに結婚することが決まっていました)、自分の時間とお金を持て余している40代〜50代女性。

この属性の方は、当時の呉服業界では「太客(ふときゃく)」と呼ばれていて、5年から10年かけてお金を落としてくれるいいお客さんであると言われていました。

ぼくが出会ったその女性は、まさに当時の呉服業界が言う「太客」でした。

着物の世界は沼のようなところがあって、一度買ってしまうとどんどんハマってしまうんですよね。

100万円のローンを契約すると、次は200万円のローンもたいして変わらないような気がしてくる。

そして、販売員との付き合いが深くなってくると、断りづらくなってしまいます。販売会は毎月あるので、一度買ってしまうとどんどん誘われます。

今では規制が入って厳しくなりましたが、今から15年近く前の呉服業界ではそれが普通でした。そして、ぼくはそんな世界のあり方を疑いもせず、せっせと働いていました。

なぜ、子どもの手が離れた女性が高額着物にハマってしまうのか?

彼女たちはそこまで着物が好きなわけじゃないんです。

多少は着物への憧れはありますが、高額な着物の世界にハマってしまう理由は別なところにありました。

自分を受け入れてくれる世界が存在しない孤独

その方も他のお客様もそうでしたが、家庭の中に「自分を受け入れてくれる人」がいないように見受けられました。

夫とはそこまで仲が良くなく、一緒に何かをしたり、どこかに2人で出かけたりするわけではない。

別に嫌いなわけではないのだけど、「夫には興味がない」という方が多かったです。

子どもがまだ小さいうちは、子どもの世話をしたり相手をすることで、自分の居場所があり、「子ども」という自分を必要としてくれる存在があったのですが、手が離れてくると親を必要とする機会も減っていきますよね。

そうなると、「自分を理解してくれて、自分を必要としてくれる世界」がなくなってしまうんです。

これって、とっても寂しいですよね。突然、「はい、明日からあなたは1人で生きてください。あなたを必要とする人はもういません。」と言われるんです。

その心の隙間を、着物の販売員は突いてくるんです。それも的確に。

いつでも話を聞いてくれて、いつでも自分の話に笑ってくれて、いつでも自分のことを受け入れてくれる。

何百万もするような着物を試着して、夢のような気持ちにさせてくれる。

たった5千円で二泊三日の京都旅行に連れて行ってくれて、夢のような時間を一緒に過ごしてくれる。

しかも40代という若い女性のお客様には、22~23歳の若い男の子の販売員がつくケースが多いから、疑似恋愛も楽しめる。

でも、その見返りは数百万円という多額のローンです。

ぼくは当時、なぜこの人たちがこんなにも着物にのめり込むのか、よく分からなかったんです。

自分の売り上げに応じて給料が決まるので、ぼくは自分に課せられたノルマを達成させることしか頭にありませんでした。

でも、当時のお客様たちと同じ年齢にぼく自身が近づいてきて分かったことは、「自分を受け入れてくれる世界がここ(呉服屋)にしかなかったんだ」ということです。

ありのままの自分を受け入れてくれて、素敵だよと言ってくれて、なにを言っても笑ってくれて、会話を楽しんでくれて、どこにでも一緒に行ってくれて、時には軽い説教もしてくれる。

生きているという実感を感じさせてくれるものの存在

それがなかったんだなって、今では思うんです。

そんな方たちの感情を利用してお金に変える立場にいたぼくには、そんなことを言う資格はないとは思うけれど、今となっては素直にそう思うんです。

そして、だからこそ、ぼくはこうも思うんです。

まだまだ子どもの手がかかる今のうちに、妻との間に強い絆を作っておかないといけないって。

妻にとってぼくが、他の誰でもないぼくが「妻を受け入れてくれる人」にならないといけないって。そう思うんです。

今のうちにぼくらがやるべきこと

ありのままの自分を受け入れてくれて、いつでも話を聞いてくれて、会話を楽しんでくれて、こちらの話に笑ってくれて、一緒に行きたいところに行ってくれて、たまには優しく叱ってくれる。

そんなことは呉服の販売員じゃなくたってできるんです。

自分にだってできるんです。むしろ夫だからこそできることなんです。

まだまだ子どもの手がかかる今のうちに、妻との間に強い絆を作り、妻にとって安全基地のような存在になることで、今後の「妻の孤独」と、その孤独に付け入ってくる存在から妻を守ることができるはずです。

なにより、自分の妻にそんな強い孤独感を感じさせたくないですよね。

あと、もう一つあるのですが、呉服を通して多くのお客様は「新しい自分」と出会ったとおっしゃっていました。

これは、不倫をする女性も同じことを言います。

妻が高額商材や異性との出会い以外の方法で、「新しい自分」を発見できるように今のうちにサポートすることもおすすめします。

それは、自己表現であったり、仕事であったり、趣味であったり、ボランティア活動であったり、人によって色々だと思います。

妻が興味を持っていることをサポートし、心から応援し、その活動や夢を一緒に育てていくことで、妻は「新しい自分」を発見しやすくなります。

そして、そのあなたの行動が、妻との間に強い絆を作りあげるはずです。

もし、この記事を読んでくれているあなたが、妻との関係を改善したいと考えているならば、妻にとって「自分を受け入れてくれる存在」に一緒になりませんか?

きっと、あなたもあなたの妻も、生きているという実感を感じられるようになるはずです。

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3/4の日記

日記 (1)

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