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性別による役割分担を「無意識」にしていませんか?

こんにちは。

前回の記事で「性別役割分業(性別によって役割を固定化する概念のこと。男は仕事、女は家事育児など)」について書きました。

今日は、その性別役割分業について、掘り下げて考えてみようと思います。

「男は仕事、女は家事育児」って概念は、今の時代、ほとんどの人が持っていないと思うのですが、でも本当にそうならば、男性の育休取得率が数パーセントでとどまっているはずがないんですよね。

男性と女性の役割を性別で分けていないのならば、男性の育休取得率は女性と同じくらいになってもおかしくないのに、まったくそんな気配はありません。

それはなぜか?

あなたにもぼくにも「性別役割分業」の固定概念が染み付いているからです。

え?そんなことないって?

ぼくもそう思ってました。

でも、気づかぬうちに、ほとんどの男性は無意識に、性別によって家庭内の無償労働の役割を分けているんです。

あなたと妻の「家庭内労働の分担具合」を棚卸ししてみよう

性別役割 (1)

実際、家庭の中の無償労働(家事育児などの賃金の発生しない労働)は、あなたと奥さんでどのように分担していますか?

うちの場合(ぼくがリモートワークのとき)はこんなイメージです。

太字は、リモートワークじゃない時の分担内容です。

ぼく:
朝ごはん作り、朝ごはん片付け、ゴミ集めゴミ出し、天気が悪ければ妻を職場に車で送る、乾燥させた洗濯物の取り込み、時間があれば夕飯作り、風呂沸かす、子どもを保育園に迎えに行く、妻を職場まで車で迎えに行く、子どもを風呂に入れる、子どもの体に保湿剤を塗る、1歳児は着替えを介助、夕飯後の食器洗い、浴槽洗い、洗濯乾燥機を回す、リビング・キッチン・ダイニングの掃除(子どもの食べこぼしがめっちゃある)、翌日のためにパンかご飯を炊飯予約する(パンはホームベーカーリーで焼き上がり予約)


妻:
1歳児の朝食作り、1歳児の朝食介助(全然食べないことがある)、1歳児の着替え(最近、イヤイヤ期で着替えさせてくれない)、保育園準備、連絡帳に子どもの体調などを記載、子どもたちを車で保育園に送る、買い物、リビング・ダイニング・キッチンの掃除、洗濯機を回し、浴室乾燥にかける、昼食作り(たまに外食、たまにぼくが作る)、夕飯の仕込み、子どもを風呂に入れる、子どもの体に保湿剤を塗る、1歳児は着替えを介助、夕飯作り、1歳児の夕飯の介助、(ぼくか妻か先に風呂に入った方が)1歳児の寝かしつけ、5歳児の遊び相手、5歳児の絵本の読み聞かせ

うちの場合、自粛中の預け時間について、ぼくが保育園と交渉して以来、リモートワーク時の保育園への送り迎えは、ぼくの役割になりました。

保育園への送り迎えの件は、自粛期間中の預け時間について保育園と交渉しなければ、きっとずっと妻に送り迎えをお願いしていたと思います。

ぼくがリモートワークで家にいるにも関わらず。

ぼくはリモートワークが始まった当初、そのことにあまり疑問を抱いていませんでした。

当たり前のように妻が「行ってくるね」と子どもたち3人を保育園に送りに行き、その間ぼくは仕事を始めていました。

でも、保育園への送りが終わってからでも仕事は間に合うんですよね。

それなのに、ぼくも妻も(妻は気にしてたかも)、大きな疑問を抱くことはありませんでした。

保育園との交渉の中で、「パパがリモートワーク中は(子どもがまだ保育園に慣れていなくて泣きまくるので)できるだけ早めに迎えに来て欲しい」と言われたことから、ぼくの保育園への送り迎えがスタートしました。

その特定の家事(今回のケースでは保育園への送り迎え)を、夫と妻のどちらかがやるかをどうやって決めたらいいのでしょうか?

何を基準に決めたらいいのでしょうか?

そこを明確にしていないと、「子どもの送り迎えや食事作りはママ」という根拠のない役割分業が発生します。

うちの場合も、根拠がないまま役割を分業していました。

これが、「無意識に行われている”性別役割分業”」です。

ぜひ、あなたの家庭の場合の役割分担を書き出してみてください。

それぞれの分担が、なぜそのように分業されているのか?

合理的な説明ができるでしょうか?

ぼくはできませんでした。

なぜ、性別によって役割を固定化してしまうのか?

性別役割 (2)

なぜ、ぼくらは無意識のうちに、それぞれの家庭内における役割を分業してしまうのでしょうか?

料理は妻が作るものなんて法律はないし、ゴミ出しは夫の仕事とも決まっていないはずです。

ですが、多くの家庭では、料理や掃除や子どもの相手は妻が行い、ゴミ出しなどの仕事は夫が行なっています。

共働きであってもです。

働いているという条件は同じなのになぜ?

そして、夫が仕事、妻がパートか専業主婦であっても、料理が妻の仕事となぜ決まっているのでしょうか?

リモートワークになって、時間的には夫でも料理をすることが可能になったはずです。

それでも、多くの家庭では女性が料理を作っています。

以前、別の記事に書きましたが、明治時代の民法を作ったタイミングが、性別役割分業のスタートになりました。

父親を頂点とした家父長制が、明治民法に盛り込まれたのです。

今に時代では非常識な内容が、国の法律に盛り込まれたのです。

子どもの結婚相手は父親が認めた人間でないとだめ(結婚が法的に許されない)だったり、長男以外は財産が分けられなかったり、不倫してできた子どもを妻の許可なしに認知して家に入れることができ、さらに妻は一切の財産を相続できないのに、不倫相手の子どもにはすべての財産が相続されるだとか。

明治時代までの日本社会は90%が百姓であり、家族総出で働いており、女性も男性同様に働き手の一因を担っていました。

また、商人にとっては息子の出来が悪い場合、家業に影響が出るため、娘が生まれ、その娘の婿に出来のいい人間をあてがった方が、息子が家業を継ぐよりも喜ばれたそうです。

自分の息子は選べないけれど、娘の婿なら出来のいい人間を選べますからね。

人口のたった10%の武家社会だけが家父長制だったのです。

明治民法が生まれるまでは、日本の伝統的な家族像というのは、男も女も平等に働く社会だったということです。

ちなみに、女性の貞操観念も明治時代後期に作られたものであって、明治時代の半ばまでは、離婚率や女性の再婚率はとても高かったと言われています。

(なぜ、明治民法ではここまで家父長制(父親を頂点とした厳格なイエ制度)を敷いたのかというと、天皇を頂点とした家族像を作り上げることが目的だったわけですが、その話は長くなるので、また別の機会にお話します。)

その後、第二次世界大戦が終わり、敗戦国の日本は好景気に湧くアメリカを見習い、モーレツサラリーマン&終身雇用システムを日本に採用し、「男は仕事、女は家事育児」という概念を社会に浸透させました。

1898年の明治民法(最終版)の登場以来、120年以上をかけて、じわじわと日本人は思考を変えられ、性別による役割の固定化が当たり前のように生活の中に溶け込んでいったのです。

今の常識は120年前の非常識であり、日本の伝統でもなんでもないのです。

性別にとらわれず、ゼロベースで家庭内労働を分担してみよう

性別役割 (3)

過去の呪いから目を覚まし、自分の頭でゼロベースで家庭内労働の分担を考えてみる必要があります。

今という時代を生きる自分たち夫婦にとって、最適な家庭内労働の分担とはなんなのか?

それを、一人一人が自分の頭で考えるのです。

自分が料理をしたらどうなる?

自分が子どもの寝かしつけをしたらどうなる?

自分が保育園の送り迎えをやったらどうなる?

自分が洗濯や洗濯をしたらどうなる?

自分たち夫婦が気持ちよく過ごせるためには、一体どうすればいいのか?

それは誰かが決めることではなく、自分が決めることなのです。

なにを基準に家事育児を妻と分業すればいいのか?

性別役割 (4)

では、家庭内労働を夫婦で分担する場合、どういう基準で分担すればいいのでしょうか?

家庭にいる時間の割合?

有償労働(賃金の発生する労働)の時間的な割合?

収入の割合?

得意か不得意か?

ぼくは、夫はとりあえずすべて経験してみた方がいいと思っています。

一通り経験することで、妻の苦労が理解できるようになって、共通の言語で夫婦で会話ができるようになりますし、家庭内のなにかを決める時も、意思決定が早くなります。

そして、一通り経験して、一通りできるようになったら、あとはその家事を好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかで決めればいいと思います。

やりたい家事なら「やらされてる感」も感じないですし、改善も思いつきます。

二人ともどうしてもやりたくない家事は外注化を検討してもいいと思います。

宅食、ベビーシッター、シルバーヘルパー、時短家電、色々と外部のリソースはありますので、一部の家事の外注化ならそこまでお金はかかりません。

うちは、洗濯物を外に干すのが、二人とも嫌いだったので洗濯乾燥機を買って、それ以来何年も外に洗濯物を干したことがありません。

また、料理を作っても子どもが食べてくれなかったり、食べてくれるものを作ると毎日同じ料理になってしまうため、今はヨシケイの宅食をお試ししています。

ヘルシオとホットクックを使った方が調理時間は短いのですが、色々なものを子どもに食べさせたいため、試してみることにしました。

ただ、この「なにを基準に家庭内労働を分担するか?」は、それぞれの家庭によって答えは異なると思いますし、家庭環境が変われば基準も変わるわけで、終わりのない問題だなと考えています。

そのため、その都度、夫婦でどうすべきか話し合うべきであり、話し合える関係を常日頃から作っておく必要があるなと思っています。

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産後セックスレス解消奮闘記 第9話

性別役割 (5)

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