見出し画像

夫婦喧嘩の負のループはなぜ起こる?背景にある「情緒的飢餓」とは?

夫婦喧嘩になったときって、お互いに相手を責め合いますよね?

「おまえがわるい!」

「いや、あんたがわるい!」

の繰り返しだったり、口には出さなくてもそういうことを思ったりしてます。

ぼくもそういうことがしょっちゅうありました。

数時間後に、(なんであんなことを言ってしまったんだろう…)と後悔するけど、いまさら謝れなくて関係がギスギスしちゃったりするんですよね。

こないだ読んだある本に、「お互いに責めあってしまう夫婦喧嘩」の原因と解決方法が書いてあったんですね。

ぼくとしてはすごい発見だったので、今日はそのことについて書いてみようと思います。

夫婦喧嘩になると、ついお互いに攻撃し合って疲れてしまう。

いったいどうしたらいいの?

というかたの参考になれば幸いです。

参考にした本はこちらです。

(怪しいカウンセラーの本に見えるかもだけど、ちゃんとした心理学者の方の本です)

相手への攻撃の目的は自分を守ることだった

お互いに攻撃し合うときって、「おまえがわるい!」とお互いが思っているんですよね。

これって攻撃しているようにみえて、実はその攻撃は単なる手段でしかなくて、目的は自分を守ることなんですね。

相手から非難されたときってすごく傷つくじゃないですか?

(なんで、そんなこと言うの!)って思いますよね。

これって、安心感が失われた状態なんです。

パートナーとの間にあったはずの絆が見えなくなってしまって、足元の地面がグラグラと揺れて地割れが起こったかのように、急に不安に襲われる。

「安心感が失われた状態」というのは、体が出している「警報」だと、心理学者のスー・ジョンソンは著作の中で書いています。

そして、「安心感を取り戻すため」に人はなんでもやるようになるんです。

たとえ、自分の愛する妻や夫であっても傷つけるようになるんです。まるで飢えた動物のように。

夫婦喧嘩になったときって、まるで自分の理性が失われたような気持ちになったことがありませんか?

まるで、本能で動いているような。あれって、本当に本能で動いているようです。

愛情不足→不安→警報→攻撃

愛する人と敵対してしまう原因は「不安」にあると、心理学者スー・ジョンソンは言います。

愛する人は人生の「安全な基地」だと愛着理論は教える。その人の心が離れてしまうと、孤独でどうすればいいかわからなくなる。怒りや悲しみなどさまざまな感情が湧いてくるが、何にもまして不安になる。

そして、体がその不安を「命の危険」ととらえて、警報を鳴らすそうです。

不安というのは、生得の警報装置で、命がおびやかされたと作動する。愛する人とのつながりが切れると安全の感覚がなくなり、脳内の扁桃核でアラームが鳴り出す。

ニューヨーク大学神経科学センターのジョセフ・ルドゥーが「不安中枢」と呼んだこの部位は自動的な反応を喚起する。私たちは考えない。感じ、行動するのみだ。
出典:「私をギュッと抱きしめて」スー・ジョンソン

1930年代のアメリカの乳児院では、話しかけられることが少なかった赤ちゃんがバタバタと亡くなり、夫婦関係が悪い男女はどちらも心臓発作になりやすいそうです。

不安や孤独というものは命に直結しているともいえそうですよね。

となると、自分の命を守るために本能的な行動を取ってしまうわけですね。それが怒りや攻撃なわけです。

それから、人間って危機的な状況になると長期的な目線が持てなくなって、「今を生き残るため」に短期的な目線で動こうとしますよね。

こないだ超相対性理論というぼくの好きなポッドキャストを聞いていたらそんな話をされていたんですね。

人は危機状態になると、IQ(知能指数)が14ポイント下がってしまうんですって。

14ポイントの低下って、徹夜明けとかアルコール依存状態とおなじだそうです。

徹夜明けってちゃんとものを考えられなくなるじゃないですか?夫婦喧嘩もそれとおなじなんじゃないのかなって思うんですね。

愛する妻や愛する夫からの愛情を感じられなくなって、ものすごい強い不安を感じる。

その不安が情緒的飢餓と呼ばれる「愛情の飢え」を生み出し、それによって「命の危険」を感じたぼくらは、ものごとを冷静に考えられなくなり、相手に怒りをぶつけることで不安をかき消そうとする。

ということなんじゃないのかなって思うんです。

なんだかお腹が空いてイライラするのと似ていますね。

負のループを認識し、それを悪者とみなす

「私をギュッと抱きしめて」の中では、お互いに攻撃し合う負のループから抜け出すには、負のループを認識し、その負のループを悪者とみなすことが大切だと書かれていました。

妻も夫も、どっちも悪者じゃないってことなんですよね。

お互いを攻撃し合っているその行動自体、人間の原始的な反応(怒り)によって永遠に回り続けるそのループ自体が悪者であると、二人が認識するってことですね。

夫婦喧嘩になると、なかなか冷静になれないけど、その裏にはこういう理由があったのかと思うと、なんだか次からはちょっぴり冷静になれるかもしれないなぁって思いますよね。

ポッドキャストでもこの話をしていますので、合わせて聴いていただけるとわかりやすいかもです。

◇◇◇

夫婦関係に関するPodcastもやっています。ご夫婦で聴いていただけると、ものすごく嬉しいです。

Spotifyはこちら

Apple Podcastはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?