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【お悩み回答】不妊治療とセックスレスと夫への嫌悪

「今までの人生で一番辛かったの。もうあんなことは経験したくない」

流産から三年ほど経ったある日のこと、妻はぽつりとそう言った。

一日のいつのことだったか、場所はどこだったか、よく覚えていないけど、妻の絞り出すようなその言葉は今でもぼくの胸の中に残っていて、たぶん一生忘れることはないのだと思う。

30代になってからぼくらは妊活を始めたのだけど、なかなか思うようにならず、せっかく鼓動が聞こえるようになった小さな赤ちゃんも、結局それ以上育つことはなかった。

なかなか立ち直れない娘を心配した義母が、お寺で供養をしようと言ってくれ、名前まで考えていたその小さな子との最後のお別れをお寺でしたことも覚えている。

ぼくの中では、そのときに流産のことはリセットされたのだけど、その後数年経って、元気な双子が生まれたあとでも、妻の心の中には大きな傷跡として残っていたのだと思う。

今回、いただいたお悩み相談を読みながら、ふとそんなことを思い出した。

妊娠にも、出産にも、そして育児にも、女性側の負担は大きくのしかかる。

ぼくら男性はそのことを正しく認識できているのだろうか?

認識できていないとすれば、どうすればできるようになるのだろう?

どうすれば、妻の視点で世界を見れるようになるんだろうか?

いただいたお悩みにお答えしながら、考えてみたいと思う。

お悩み回答

いただいたお悩みはこちらです。

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「慣れない家事をがんばろうとしてくれたり、私(妻)を中心に考えてくれているのは伝わるのですが、私の視点からするとずれており、やって欲しいことではないのです」

とのことですので、夫さんは自分なりにがんばってはいるのだけど、妻としては「そこじゃないんだけどな」ということですよね。

これは、ぼくも言われたことがありますし、他の女性からも聞いたことがあります。

夫にちょっと言いにくいんですよね。「ちょっと違うんだけど」と言ってしまったら、せっかくやってくれているのに申し訳ないとか、なにもやってくれなくなるかもしれないなって思ってしまいますよね。

では、なんで夫の行動が「ずれて」しまうのかですが、夫としての視点で話しますと、「何をしたらいいのか分からない」というのが本音なんですよね。

「妻のために」「妻が喜んでくれるために」何をしたらいいのか分からないのが、男のデフォルト機能だとぼくは思うんです。

とりあえず、「男は家事をしない」とか「男は愛情表現をしない」とか世間では言っているから、これをやっておけばいいのかと、教科書を読んでテストに挑むようなスタンスなんですよね。

でも、あなた(妻)が夫に望んでいることって、世の中の他の女性とまったく同じではないと思うんですよね。

あなたにはあなただけの悩みがあったり、あなただけの気になることがあったり、あなただけが思っている(これ、やって欲しいな)というものがあると思うんですね。

例えば、ぼくの妻は「愛している」と言って欲しい人で、洗濯物を干したり畳むのは苦じゃないけど、食器洗いは嫌いな人なんです。お皿が溜まっているシンクを見るのも嫌なんです。

ぼくらは結婚して10年経つのですが、これに気がついたのって、ここ2~3年の出来事なんです。

なんで、気がついたかというと、妻が言ってくれたんですよね。

私は愛していると言ってほしい。私は食器洗いが嫌いだと。

ぼくは女性の気持ちを察することに多少の自信があったのですが、妻からするとまだまだの青二才でして、結婚から7~8年経っていてもこんな調子なんです。

ぼくがカウンセリングをしているご相談者さん(男性)のお話を聞いてみても、妻が望んでいることってみんな人ぞれぞれ違うんですよね。

なので、男としては、やっぱり「そこじゃない、こっちなんだ」ということを言ってくれると助かるんですよね。

それを言わないと、女性側の不満がどんどん溜まっていって、夫への嫌悪感が凝り固まっていき、おそらくあなたは数年後には、夫と口も聞きたくない、触れられるなんてもってのほか、離婚も検討したいという心理状況になってしまう恐れがあるなと思うんです。

実際、自分の妻がそのステージに入ってしまい、関係修復に悩んでいる男性からのお話をよく聞くんです。

ですので、男性としては気持ちを話して欲しいなって思うんです。

例えば、こんな感じはいかがでしょうか?

”ちょっと大事な話があるんだけど、聞いてくれる?”

夫の「妻の話を聴く緊張感」を高めさせ、(あれ、これは大事な話なんだな)と思わせる。

”ずっとあなたに言いたくて、でも言えなかったことがあって。いつも、家事をしてくれたり、料理をしてくれるのは嫌じゃないんだけど、本当はそうじゃないの。それが嫌ってわけではないんだけど、本当はもっと別のことをして欲しいと思っていて。こんなことを言ったらあなたに悪いなと思って、なかなか言えなかったんだけど、聞いてくれる?実はね...”

あなたの夫さんは「妻を中心に考えようとしている」とのことですので、はっきりと伝えればわかってくれそうな気がぼくはしています。

あと、あなたの不妊治療の辛さですが、これも不妊治療はどういうことをするのか、診察で医師に何をされるのかを詳しく話して聞かせて、不妊治療のなにが辛いのかを、はっきりと夫にお伝えすることをおすすめします。

これは、男は自分が体験するわけじゃないので、ぜんぜん分かってないんですよね。ぼくもそうでした。

男性がこの辛さが分かるようになるには、外から知識を入れることも重要ですが、自分が愛する妻がこんな辛い思いをしているんだと気がつくことが何よりも効果があると思うんです。

そして、セックスをしたくないと思うようになったきっかけについても、夫に伝えてあげてもらえると嬉しいです。

夫さんは、あなたとの距離が近すぎるんだと思います。

距離を空けすぎるよりはいいと思うのですが、そうは言っても、なんでもかんでも妻が不快に思うかもしれないようなことまで話す必要はないと思うんですよね。

ある程度の距離感は必要だと思うので、その距離感はあけつつ思いやりを忘れないことが大事かなと思うんです。

「こじれたらいろいろ大変そうだな」とのことですが、このままですと、多分あなたは夫のことを本格的に嫌いになってしまうと思います。

そうなってしまう前に、夫に「どうして欲しいのか」「私はどう感じているのか」ということを詳しくお話ししてもらえると、ぼくも嬉しいです。

あなたの夫がこれらに気がつくことはないと思います。

あなたの言葉でないと、夫を変えることはできないと思うんです。

Podcastでもお答えさせていただいたので、合わせて聴いていただければと思います。

あと、ぼくのPodcastを聞いて妻との接し方を変えることができたという方もいらっしゃったので、夫さんにこのPodcastをおすすめしてもいいかもしれません。

うまくいくことを心から願っています。

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