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痴漢冤罪ってそんなにない

最近、痴漢冤罪事件は起こっていません!多分!

筆者は男です。高校生の頃までは満員電車で通学していたので、痴漢冤罪にはそこそこ気を遣っていました。例のごとくバンザイしていることもありましたし、両手に荷物を持つようにしていたこともありました。まぁ、わたし自身がトラブルに巻き込まれたことは幸運なことにありませんでした。

なんとなく「痴漢冤罪って怖いな」と思ってましたし、痴漢事件は実際とても多いので、なんとなく冤罪事件も多いんじゃないかというイメージがありました。

しかし、よく調べてみると冤罪事件の統計などそもそもありません。実数が分からないじゃないか!と言いたくなりますが、裏を返せば「必要ない」ということなのだと思います。(まぁ、被害数についても暗数のことを考慮すれば、統計では正確に把握できないと思いますが)

有名な痴漢冤罪事件としては以下のような事件が挙げられます。

①防衛医大教授痴漢冤罪事件(2006)
②西武新宿線痴漢冤罪事件(2000)
③西武新宿線痴漢冤罪第2事件(2003)
④宇都宮線痴漢冤罪事件(1997)
⑤札幌地下鉄痴漢冤罪事件(2002)
⑥大阪市営地下鉄御堂筋線痴漢捏ち上げ事件(2008)
⑦高田馬場痴漢冤罪事件(2003)

しかし、ここ10年では具体的な事件名の報道は聞いたことがありません。(疑わしい事件は数件あったようですし、暗数の存在には目を向けておくべきだと思いますが、これだけ社会問題化していますから可能性は低いかと……)

どうして減ったのか

もちろん、冤罪は一件でもあったら許されないわけですが、痴漢冤罪事件が少なくなったことには理由があると思います。

一つには「痴漢冤罪の社会問題化」が挙げられると思いますが、それを契機とした警察の対応の変化こそが大きな理由ではないかと考えられます。

朝日新聞のこちらの記事では次のように書かれています。

警視庁の捜査幹部は「申告があれば何でも逮捕するわけじゃない」。申告内容や第三者の目撃の有無などを検討してから判断する、としている。

また、毎日新聞の記事によれば社会生活の妨げとなりかねない「勾留」についても最近ではしない動きが広まっている状況がうかがえます。

捜査段階で容疑者の拘束を解く裁判所の判断が急増していることが明らかになった。行き過ぎた拘束を見直す意識の高まりが背景にあり、東京地裁では痴漢事件の勾留請求を原則認めない運用が定着している。長期の拘束が社会生活に与える影響を考慮した判断で、弁護士らは冤罪(えんざい)の防止につながることを期待している。

むしろ、痴漢冤罪に気を遣いすぎるあまり、警察官の仕事が非常に大変なことになっているくらいという話にも注意しておきたいところです。

すなわち、女性から誤って申告される可能性などは残っていますが、そのまま誤認逮捕につながったり、不当な損害を受ける可能性は下がっていると言えると思います。

おわりに

こうした問題は「メディアバイアス」の影響を受けやすいと思います。少年犯罪の問題などと似ています。あまり「イメージ」だけで語らないように注意したいところです。

また、不確実なネット情報や、古い情報を参考にしてしまう人も多いようですが、時代は確実に前に進んでいます。もちろん、被害者証言が優先されやすいという状況は残っているようですし、冤罪のリスクは依然として残っていますが、ここ数年の記事を読む限り、真っ先に逃げることを推奨する専門家はいないように見受けられます。

また、痴漢対策をすれば冤罪対策にもなります。痴漢冤罪を騒ぐわりに痴漢対策が進んでこなかったのは残念なことです。もちろん「構造的」かつ「物理的」な対策が必要ですね。例えば、満員電車が多すぎるのがいけないかと。

最近では世界に「CHIKAN」という言葉が広がっているなんて話もありますね。もちろん世界にも痴漢被害そのものはあるようですが、日本の痴漢被害が少ないなんて話はなく、むしろ世界的に見ても深刻なようです。対策が急務であることには疑いがないでしょう。

「痴漢で苦しむ女性をなくそう!」
「痴漢冤罪を食い止めるためにも、痴漢を食い止めよう!」

そんな気持ちを持てば目標は同じになります。
痴漢問題、国民が一丸となって対策に取り組めたらいいのになぁと思いました。

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