大谷翔平から見る二刀流の可能性1
二刀流の可能性 前書き
大学野球で二刀流を経験した私が感じた可能性と問題点
2020年シーズン、無類の強さを誇り他を寄せつかせなかった福岡ソフトバンクが4年連続優勝で幕を閉じた。そんな圧倒的強さから[セリーグ弱すぎ議論]まで発展し大変盛り上がったシーズンになったが、そんな最強軍団である福岡ソフトバンクを破り2016年日本一になったチームがある。
そう二刀流大谷翔平選手(現ロサンゼルスエンゼルス)率いる日本ハムファイターズだ。
この年の大谷翔平選手は、凄まじかった。
投手としては10勝4敗と二桁勝利を納め、打者としては.322 22本塁打を放ち日本プロ野球で初めてベストナインとベスト指名打者のダブル受賞をしたかと思ったらクライマックスシリーズで自身最速となる165キロを叩きだし、チームを日本一へ導いた。
そして海をわたり、大リーグで華々しいデビューを飾った。
大リーグでは、この大谷翔平選手効果で二刀流という出場選手登録が追加され、さらに大谷翔平選手以外にもベンチ枠の関係から二刀流をする選手が出てくるようになった。
これによって、投打の二刀流の可能性を示してくれた大谷翔平選手だが、この二年、ケガの影響もあり我々が期待する大谷翔平選手の姿はではないのは確かである。
甲子園でも二刀流の選手がグラウンドを席巻している。
我々ファンは、このまま大谷翔平選手の二刀流に期待した方がいいのかはたまた諦めて1つに絞った方がいいのか永遠の課題になってくるが大学野球時代に二刀流を経験した私が色んな視点から二刀流を分析しその答えを出していきたい。
データ、グランドレベルの話から指導者の目線まで考えていきたい。
そんな大谷翔平選手のこれからや野球界は今後二刀流とどう向き合っていくべきかを述べていきたい。
二刀流の可能性 私の野球歴と二刀流
まず私の野球歴から話していきたい。
私は、小学2年生から兄の影響で地元のクラブチームに入団した。これが私と野球の出会いになる。
人数が少ないことから上の学年の人と混ざって試合することが多かったが、私はセンスがあったのであろうどこでも守れて常にヒットを打っていたと記憶している。
すると高学年になったときその野球センスが買われて投手やるようになったのだ。
投手というのは野球の花形、誰もが1回はやってみたいと思うであろう。
当時の私も同じ気持ちでノリノリで練習したものだ。
しかし、アクシデントが起こってしまう。
アスリートなら誰もが通る道であろうケガである。
投げすぎから来る肘の剥離骨折だ。
小学生ながらとても病んだのを今でも覚えている。
せっかく背番号も1に決まりこれからという時だったからだ。
しかし医者からこんなことを言われた。
[バッティングならやってもいいよ]
肘に痛みを感じないなら多少負担がかかってもいいし筋力が低下することの方が回復を遅らせてしまうというものだった。
今思えば絶対にやらない方がいいだろうと思うが当時の私と母は医者の話を鵜呑みにし普通にバッティング始めたのだ。
これが私の二刀流の始まりである。
少年野球では、さして珍しい訳ではないのだが、やはりセンスがないと出来ないものであろう。
私はそこから野手として才能を開花させ、肘が治った後も投手をやらない日は野手として出場していた。
しかし中学高校とレベルはどんどん上がっていってしまう。
確かに甲子園を見ていると公立の高校とかは特にエースが降板したあと外野手として出場し続けるのを見るが私はそういった域に行くことはできなかった。
いつしか私はバッティングはおろか本職である投手でさえ試合出ることができなくなってしまった。
大学でも同じようにレベルについていけずいつしかベンチを外されるようになったため何か特別な選手にならないとと考えたときに考えたのが二刀流だったのだ。
そして、私は努力に努力を重ね遂に野手として公式試合に出してもらえるようになったのだ。
これから、どのようにして私がこの二刀流を成功させていったのか述べていきたい。
二刀流の可能性 私が二刀流を完成させたプロセス
私が二刀流を始めようとしたのは学生最後の大会の半年前になる。
つまり半年間で実戦レベルまで引き上げないといけなかったのだ。
センスだけでは完全に負けてしまうのは明確だったので頭を常に使って練習していく必要があった。
野球はできないといけないことがたくさんあるスポーツで難しいされている。
打って、走って、投げて、捕る、これを二刀流の場合ハイレベルでこなさないといけない。
でも全て完璧にやる必要はないそれが私の考えだ。
何が必要で何が要らないかこれが二刀流で一番必要になってくることだと私は考えている。
大谷翔平選手はどういった二刀流を目指しているかは置いておいて、私の考えを述べていきたい。
私がやったことを順番に見ていこう。
1.投手としてのスキル
二刀流として確実に問われてくるところになってくるだろう。
正直私はここのレベルアップそこまで必要ではないと考えていた。
投球スタイルを変え短いイニングだけに集中スタイルにすれば十分戦力になれると判断したからだ。
短いイニングのピッチングは、決め球の有無が重要ということは周知の通りだが、もうひとつ重要なものがある。
それは、状況判断能力だ。
これは、野球人なら誰もが経験するであろう難しさを克服するのにうってつけの能力になってくる。
途中出場だ。
どうしたって試合を観ているだけでは、試合の流れを掴むことは難しい。
試合に出てこそ感じることがたくさんあるからだ。
その点二刀流なら試合に出ながらマウンドに上がれるので当事者として、試合の流れを把握し状況判断に優れた試合運びが可能になるのだ。
特にセンターラインに守っていたなら最高だ。
グランドレベルで相手の情報が掴めるし、ピッチャー目線で試合を観れるのでバッターの反応を逐一観察できる。
私はこういった観察能力には自信があったので、とても有利にたてたのを覚えている。
技術と頭で勝負すればある程度の力量をカバーできる目処がたったので、他のレベルアップに時間を費やすこととした。
短いイニングなら野手としても投手としても計算でき首脳陣はとてもありがたいし使いやすいのも理解してほしい。
2.バッティング
これが一番の課題になるであろうと私は睨んでいた。
木製バットだ。
これに関しては時間をかけて慣れていくしかないのだが、二刀流に挑戦している私にとってそんな余裕はない。
ここで必要になってくるのはピッチング同様、工夫になってくると私は考え私がこれまで出会った野球人に片っ端に聞きありとあらゆる試行錯誤を重ねてたどり着いたのが、
バットを細くする
ことだった。
一般的に細いバットは遠心力が働くため長距離打者が使うバットとして、認知されているが、私は飛距離より確実性(打率)を上げるためにこの細いバットにしたのだ。
細いバットの利点はフィンガーグリップをしやすいところだ。
これにあっては、元西武ライオンズで現在メジャーリーガーの秋山翔吾選手が球辞苑(BSNHK)にて紹介していたのを参考にしたので是非見てもらいたい。
フィンガーグリップを試しどんな球も広角に打ち分けられるという感覚が身に付いたのだ。
これによって、初心者同様の私が絶対に苦労するであろうインコースの真っ直ぐに対応できる算段がついたのだ。
その結果
インコースは右に
アウトコースは左に
という私の中にひとつの理論が生まれたのだ。
野球をやったことがある人なら誰しもが(逆じゃね笑)となるだろうがこれが私なりに短期間で打率をあげた成功の理論だった。
どうしてもバットの振り込みが足りずパワーがないので真っ向勝負しても勝てるわけがない。
なので、フィンガーグリップにしバットの操作性を上げ逃げるようにスイングし細いバットの遠心力で打球速度を上げると面白いように間を抜く打球が打てたのだ。
もちろんその分長打は減ったのだが。
そこは、もう捨てきるしかないそれが二刀流としてやっていくためにとても必要なマインドだと私は考えている。
ちなみにアウトコースを引っ張るのはバットをインコース対策で短く持っている関係で変化球を引き付けて打とうとしたらどうしてもボールが遠く感じてしまったので、前で捉えようとしただけで右に打てる技術があるならそっちの方がいい。
3.守備
これに関しては自分の求めるレベルによって、難易度がすごく変わる。
大谷翔平選手のように指名打者ならやる必要はない。
しかし、アマチュアで指名打者を使うのは大学野球からでほとんどのチームが守備も求めてくるであろう。
現に大谷翔平選手もファーストや外野の守備に挑戦するかもしれないと一部メディアが報道している。
私の場合は、指名打者で試合に出ることは、練習試合で何回かあった程度で、無いに等しいものだった。
守備練習で特に苦労したのは、意外だと思われるかもしれないが送球だった。
ピッチャーをやっているので肩の強さは申し分ないのだがどうしてもストライク返球ができなかった。
理由としては、捕ってから投げるまでを短くしないといけないいわゆる野手投げに戸惑ったからになる。
私が投げる球が全て上に浮いてしまいとても試合で使えるレベルの守備を守備をすることができなかった。
これに関しては、日頃のキャッチボールから変えていくしかなかった。
ピッチャーとしのキャッチボールは、この日から一切やらず外野手のためのキャッチボールに切り替えるようにしたのだ。
詳しくいうと、とりあえずピッチャーのキャッチボールは、自分のフォームを確かめるためゆっくりそして誰かに見てもらいながらやっていくのが普通になってくるが私が実践したのは、ボールとグローブをすぐに離すということだ。これを参考にしたのは、甲子園常連で今一番強いと言っても過言ではない大阪桐蔭高校の練習風景を撮ったYoutubeであるので見てもらいたい。
これを意識することで時間はかかったが変な癖がとれスローイング難を克服することができた。
後は、他の外野手と連携を取ればいい。
センターに優秀な選手をおいていた私のチームは、レフト線上を強化すれば足りたので、左中間の球は全てセンターに任せていた。
ここら辺もうまく捨てることが重要になってくる。
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