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関西紀行_2024 Vol.2(2日目)
京都編(2024/5/1:水曜)
1.無隣庵
京都2日目は岡崎エリアから。朝飯をすませ開園9時に入口に。
無鄰菴は関西の山縣有朋の別邸。
南禅寺界隈別荘の1つで琵琶湖疎水のそばに位置。
1941年に京都に寄贈され現在に。京都市管理のもと植彌加藤造園が育成管理・作庭を実施。別荘は庭園と母屋・洋館・茶室の3つの建物で構成。
庭園は1894年~96年にかけて、山縣有朋の指示に基づき七代目小川治兵衛により作庭。
作庭における山縣有朋の考えは以下の3つ。
1・「この庭園の主山というは喃、此前に青く聳える東山である」
東山が庭から続くように見える庭で、景観にはほれぼれする感じ。「主山(しゅざん)」という言葉自体山縣有朋の造語だが、その意味がここで見ると、とても理解できる。
2・「苔によっては面白くないから、私は断じて芝を栽る」
普通庭園は苔が主と思うところ、あえて芝を植えるという発想。日当たりの良いところは芝、日当たりが悪いところは苔が優先するそうで、このコントラストが庭園の面白いところとなっている。
3・ 「従来の人は重に池をこしらえたが、自分は夫(それ)より川の方が趣致がある」
池と川を含め水に「流れ」があり、心地よいせせらぎという音を響かせている。琵琶湖疎水があることが大きな理由でもあるが動きがある点が特長の一つになっている。
このような志向を元に作られたこの庭だが、色々考えず、ただ、母屋からのんびり眺めるととても穏やかな気持ちになる。せせらぎという動きのあるこの庭園の志向はとても好きなところ。おすすめの庭園の1つ。
今後も、京都気に来たらなんとか時間を作り今後も訪れたいと思う。
<時間>09:00-18:00(入場は閉場の30分前まで)
<写真撮影> 可
<予約>事前予約要
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2.京都京セラ美術館「京都市美術館開館90周年記念展 村上隆 もののけ 京都」他
疎水沿いを歩き、今回の旅の第二の目的、京都京セラ美術館に到着。
小雨の中、地下エントランス脇にすでに長蛇の列。とはいえ、平日だったこともあり割とスムーズに入館。
大きな阿像、吽像の間を通り、入口すぐには全面の「洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip」。これは洛中洛外図 岩佐又兵衛(国宝)をベースに村上隆さんのキャラクターをちりばめた作品であるが、同室にあった「京都 光琳 もののけフラワー」(尾形光琳の作品をモチーフ)と合わせ現代風へのアレンジに村上隆さんの発想の面白さを感じた。
次の部屋は暗い八角形の室内に四方を四神(霊獣)の大きな作品中央に鐘楼「六角螺旋堂」を配置。京都という土地ならではの展示で迫力のある作品が並んでいた。
その後はこれまでの取組(スーパーフラット)などの概念やキャラクターの展示がありつつ、「マイ・ロンサム・カーボーイ」「ヒロポン」といったフィギュア作品、今回のイベントで展開されたトレーディングカード「Murakami. Flowers Collectible Trading Card 2023」と今の時代に応じた作品があり、「風神図」、「雷神図」、「雲竜赤変図」など今回の展示会に向けて制作された作品が並ぶ。
最後に窓際の通路からは日本庭園の池にそびえ立つ黄金の「お花の親⼦」が見え、飽きの来ない楽しい時間を過ごすことができた。
<気になった作品>
風神図(2023-24)
雷神図(2023-24)
お花の親⼦(2020)
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<テーマ>京都市美術館開館90周年記念展 村上隆 もののけ 京都
<会期>2024年2⽉3⽇(土)-9⽉1⽇(日)
<時間>10:00-18:00(入場は17:30まで)
<展示会場内写真> 可
<巡回> 無し
別会場で「金曜ロードショーとジブリ展」、「パリ ポンピドゥーセンターキュビスム展—美の革命」といったラインナップも同時開催されており、本当に大きな美術館と感心。
3.京都国立近代美術館
ついでではないが、せっかく岡崎エリアに来たら、立ち寄る場所として京都国立近代美術館に。「没後100年 富岡鉄斎」ということで、幕末から明治にかけて文人画家として知られる富岡鉄斎の展示とこの展示に関連したコレクションからの作品展示を鑑賞。朝から鑑賞続きだったこともあり、この建物の1階の疎水向きの大きなロビー脇のフロアーにある椅子の席で休憩。
この場所かなり私としてはお気に入りの1つ。
イベントのできる大きなスペースだが、何もないときはとても静かでがらんとしており、この感じが何か好きな場所。
次にどこに向かうかなど考えるには最適。
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4.昼食
岡崎エリアから烏丸御池に向かうため、地下鉄東山駅方面に移動。
当初昼食は中華で「マルシン飯店」と考えていたが、店前を見ると店横の駐車場スペースも埋まるほどの長蛇の列。
これは無理とあきらめ向かいの「食堂はやし」へ。
ここは普通でもかなりボリュームがあると聞き追加注文などもなしで、「とんかつ定食」を注文。
それでも、かつ2枚のボリュームでこの値段という感じでコスパ最高な昼食をゲット。
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5.京都国際写真祭2024(2日目)
京都の各所で展示を展開する「京都国際写真祭」の見学2日目。
今日はいくつかの場所を移動しつつ鑑賞。
〇京都京セラ美術館の南廻廊2階
・ここでは3名の写真家の展示を鑑賞。
・川田喜久治さんの代表的作品として「TheMAP(地図)」、「ラスト・コスモロジー」、「ロス・カプリチョス」の3シリーズを展示。
なかなか理解するには難しい写真ではあったが、こういう写真の世界を体感できたことは1つの経験。
・次に潮田登久子さんの「冷蔵庫+マイハズバンド」。
大きな冷蔵庫の閉じた写真と開いた写真。冷蔵庫を見るだけでその家の生活が見える感じがとても面白い。
・川内倫子さんの「Cui Cui + as it is」は一番身近な家族の表情や姿の変化の一瞬をとらえた写真がとてもまぶしく、かわいく感じられた。
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〇嶋臺(しまだい)ギャラリー
嶋臺は1608年に糸割符商として創業し、江戸中期からは銘酒「嶋臺」を扱う酒問屋も兼業した老舗。
その建物は1883年に建築された伝統的町屋建築で、ギャラリーとして利用。そこでルシアン・クレルグによる「ジプシー・テンポ」を展示。
ジプシーの何か寂しさや生きる力を感じるインパクトのある写真であった。
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「ジプシー・テンポ」
〇京都文化博物館
京都文化博物館では、その別館でクラウディア・アンドゥハルというブラジル人によるヤノマミ(ブラジル先住民)とのコラボによる「ダビ・コぺナワとヤノマミ族のアーティスト」の写真を展示。
ブラジルのきれいな環境とそこで生活する先住民の姿の中に、我々の生活にはない不思議な精神世界が見える。この不思議な感じが写真からも見えてくるように感じた。
別館は辰野金吾と長野宇兵平治(弟子)が設計した旧日本銀行京都支店として1906年に竣工した洋風建築。このシックな室内の雰囲気が写真の印象にも影響しているのかもしれない。
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「ダビ・コぺナワとヤノマミ族のアーティスト」
〇誉田屋源兵衛竹院の間
誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)は江戸時代中期の創業から約280年を数える帯(西陣帯)の製造販売(卸)の老舗。
その店舗は室町通に建つ大きな京町家。
今回はそこにBirdhead(鳥頭)によるWelcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024というテーマの写真を展示。
建屋のにある奥座敷の東西にそれぞれ苔むした美しい庭の雰囲気などとも重なり独特な雰囲気を醸し出していた。今回のイベントはうまく建物の雰囲気を活かした展示が多く楽しく見ることができている。
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Welcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024
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〇京都芸術センター
以前のアートイベントでも来たことがある京都芸術センターでジェームス・モリソン「子どもたちの眠る場所」を見学。
世界の子供たちの普段の生活の場である子供部屋を撮影したもの。
国の違いを色濃く反映しその違いを感じることが世の中の格差を思うとともにそんな中でも子供たちがたくましく生きることのすごさを感じる。
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「子どもたちの眠る場所」
6.正伝永源院
建仁寺に行く前に、春の期間での特別公開があり見学。
大きなお寺ではないが細川家由来のお寺。庭はこじんまりしているものの静けさを感じられる「ほどよく、いい感じ」の景色。
とはいえ、入館に800円という金額はちょっと高めかも。
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<拝観期間>2024年4月6日(土)~5月6日(月)
<時間>09:00-16:30(16:00受付終了)
<写真撮影> 可
<予約>特になし
7.建仁寺
臨済宗の禅寺。俵屋宗達の「風神雷神図屏風」が一番の有名なものだが、海北友松の襖絵(「竹林七賢図」や「雲龍図」など5つの重要文化財)なども必見の絵画。
庭園としては方丈の前にある「大雄苑(だいおうえん)」(枯山水)が目立つところだが、本坊にある方丈庭園「潮音庭」がよかった。中庭を臨む部屋にのんびり足を延ばし、ゆったりくつろげるスペースがある点も魅力。
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<時間>10:00-17:00(16:30受付終了)
<写真撮影> 可
<予約>特になし
8.京都国立博物館
岡崎エリアから南へ下るルートをの最後として京都国立博物館に。
今回「特別展 雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―」として、雪舟の国宝6点を一堂にそろえるということで見学。
それも十分堪能したのだが「モネの連作」の企画展と同様に、同じ構図での作品の比較など雪舟がその後の絵師にどれだけの影響を与えていったのかというところがわかる展示がおもしろかった。
更にその絵師たちが、長谷川等伯、狩野探幽、伊藤若冲など、名だたる方々でありその絵画も展示されているところがさすが京都。
2日目の最後に面白い展示を見ることができた。
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<テーマ>特別展 雪舟伝説 -「画聖」カリスマの誕生-
<会期>2024年4⽉13⽇(土)-5⽉26⽇(日)
<時間>09:00-17:30(入場は閉館の30分前まで)
<展示会場内写真> 不可
<巡回> 無し
9.夕食
京都国立博物館から京都駅に向かうところで、気になるラーメン屋「札幌ラーメン 柳」があり立ち寄り夕食。
単品でのモヤシ炒めを加え味噌ラーメンはおいしかった。
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10.最後に
所要時間:約10時間
京都(08:00)→無隣庵(09:00)→京都京セラ美術館(10:00)→
京都国立近代美術館(11:30)→昼食→嶋臺ギャラリ→
京都文化博物館→誉田屋源兵衛竹院の間→京都芸術センター→
正伝永源院(14:30)→建仁寺(15:00)→京都国立博物館(16:00)→
夕食→ホテル(18:00)
お疲れ様でした
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