午前零時令和のチャイムの響きだす夜空の星のさらに輝く〈国民文学 令和元年5月1日締切分〉
黒縁の眼鏡かけて鏡越し見慣れない顔に今日もおはやう
原稿の傷口より赤裸々の鬼の唇の開きを真似る
業務上の質問に言葉が詰まるからホワイトボードにまず殴り書き
液晶に新卒の同じ顔並んでてスーツの乱れも一切見られず
沖縄に束縛されて口詰まるただの詩人になぜ成れようか
物理的に十分あれば書けるのに三十一文字の結句が見えない
言ひたいことがあるはずなのに空を見る勉強不足で言葉が足りず
改元のカウントダウン元号がただ変はるだけなのになぜだか期待
大雨で鯉のぼりの尾のくたびれて目が泣いてる今日は休まう
午前零時令和のチャイムの響きだす夜空の星のさらに輝く
しわくちやのポスターそろそろ剥がさなきやときめき消えて部屋は殺伐
コスプレの魔法少女の夢を見てアニメが好きな人たちたくさん
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