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タイ人はなぜコロナを怖がるのか

日本ではコロナによる緊急事態宣言が出されて、息苦しい生活が続いていると思われますが、タイでも同じく非常事態宣言が発令されていて、色々な生活上の制約が出ています。
5/10周辺で1日の新規感染者が2,000人超、死者数は20人前後での推移と、昨年の新規感染者ゼロが約2か月続いていたという時期と比べると相当悪化している印象。

今のところ宣言は5/1~5/17までの期間だけど、延長される可能性も十分ありますね。
主な制約事項として、飲食店での店内飲食の禁止、公共の場でマスクをしていないと罰金(車の中でも2名以上の場合は着用義務有)、屋内の運動施設や教育施設の閉鎖、公園閉鎖、企業に対するリモートワークの推奨等々。
地域によっては夜間外出推奨令が出されていて、コンビニとかも夜11時~朝4時までは閉鎖というような内容もある。

この制約に違反するものは感染症法と非常事態令のダブルパンチで実刑が課せられるという、日本よりも圧倒的に厳しい。実際にそれに違反した日本人が経営する居酒屋が摘発されて、捕まっていた。タイのニュースはオブラートに包まないので、実名もそうだけど捕まった人全員を映像にさらけ出す。コロナに関しては諸々で日本よりも圧倒的に厳しいスタンスを取っています。
要は人の移動を抑制して感染率を抑える事に注力した施策なのですが、飲食店で飲食が出来ないとは、スタバとかで仕事が出来ないという訳で、自分にとって仕事は家かオフィスのみという事になります。

自宅では集中できないというか、メリハリが効かず生産性も低いと感じるためオフィスに規則正しく出社して、小規模の会議室を独占して仕事場にしていて割と調子がよいのです。
企業としても政府要請に従って、出社割合を30%以下に抑えるようにトラッキングしていることもあり、オフィスで密な感じは全くないですね。

そもそもタイ人はコロナを異様に怖がるとかで、マスク着用は当然の事、コンビニや施設に入る際の検温やアルコール消毒は皆さん機械的にやっていますね。
ドライバーはマスクを2重に着用していて、口元をほぼ見たことがない。毎日バックミラーで入念に空気漏れがないかをチェックしている。相当私がコロナ感染リスクの高い人間だと思っているんでしょうね。この前も外から戻ってくると彼所有のアルコール消毒を使うように勧められたが、そもそもその消毒液のノズルが汚くて、むしろそこから出てくるアルコールの方が気になった。

なんでそんなにコロナを怖がるのかなぁと思い、タイと言えば仏教を深く信仰している国だし、何か関係があるのかなと考えていたら、ふと「ブンミおじさんの森」というタイの映画を思い出した。
アピチャートポン・ウィーラセータクン監督の2010年の作品。内容は詳細には覚えていないけど、死を目前にしたブンミおじさんの近くに、既に亡くなった親しい人が幽霊として出てきて、最後は一緒に森の中に消えていくと言った内容だったか。タイ映画史上初めてカンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞したとかで観たと思う。

タイ人は幽霊の事も怖がると聞いたことがある。実態のないものに恐怖を示すとは、それが存在するものだと無意識的に捉えているわけだし、それが仏教の教えである輪廻転生に結びつくのかと。

タイは釈迦の説いたままの仏教を今に伝える上座仏教(スリランカと同様)であり、出家者(僧侶)を中心とする仏教。なのでアユタヤ王朝時代からスリランカとの交易があったりスリランカ様式の建築物も残る。
中国や日本に伝わっている大乗仏教に比べて、上座仏教は厳しい戒律で律されている事から国民全般の信仰心も強いです。普段の生活をしていても至る所で多くの人が朝から手を合わせてお祈りする光景を見ます。

仏教=輪廻転生で人は何かに生まれ変わる⇒身体は無くなっても魂は存在する⇒魂のような形のないものを信じる⇒(肉眼では)形のないコロナも信じる⇒コロナで人が一杯感染して死んでる⇒コロナ怖い!!

タイ人がコロナを怖がるロジックはこんな感じでしょうか。



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