見出し画像

全日本選手権自転車競技大会マスターズ30〜39歳 6位

6月前半のニセコクラシックに続いて全日本ロードのマスターズクラスに出場。場所は広島中央森林公園で広島空港の周囲を回る12.3km×7lap=86.1kmのレース。結果は集団スプリントの末、6位でした。

レース出発まで

出場を決めたのは5月末。遠征中、家を留守にすると子供の世話を妻にすべて任せる必要があるため躊躇していた。一方せっかくのレベル高いレースなので本心はチャレンジしたい。思い切って相談すると快諾して貰って遠征決定。
広島のコースは自分は初めてである。事前にコース動画や他の方のレースリポを読んでイメージを作っていく。前半はコーナーワークが大事、後半に三段坂があり小集団か逃げ切りで決着することが多い。
坂は短いのでVO2や無酸素レベルが繰り返される?jbcfの実業団レースで走り込んでいる方々よりコース経験が圧倒的少なく不利だなと想像しながら多少レース備えたワークアウトをしつつ本番前日まできた。
機材はvengeにボントレガーのAeolus RSL37、タイヤはパナレーサーのagilest 28CでFr5.8 Rr6bar。ニセコクラシック と同じでコーナーを意識して空気圧だけ少し下げた。

レース前日

愛知在住の私は新幹線で福山まで移動し、レンタカーで会場入り、受付した。試走はマストなので雨でも走る覚悟だったが、見事に雨。ウェットでコーナーの滑り具合確認できるし、それもOKと開き直り試走。想定通りコーナー多く、ハンドル捌き技術差出るなと。そして自分は差をつけられる方だなと。本番までに技術向上し得ないので自分が取れる安全マージンを意識して無理しない。落車なく無傷で終える事が非常に大事と自分に念を押して試走終了。
東広島の宿へ移動しこの日は終了。

レース当日スタートまで

レース8時で起床は4時半頃。試走である程度スリルなコースと認識したので緊張して寝付きは良くなかった。いつも通り糖質多めのパン中心の朝食を食べて出発し6時半会場着。7時から検車と出走サイン始まるので時間余裕はない。準備したジェルとドリンクを搭載して検車へ向かう。

ニセコクラシックでジェル不足を経験したので、2時間レースで4本準備

レースはマスドスタートで右4列目くらいに位置とる。

スタート〜2周目

1周目はとにかくコースに慣れる。
・コーナーで走るライン
・登り返しの詰まる場所(前とハスらない)
・長い下りで伸びる場所(立ち上がりで踏む準備する)
・三段坂のギア選択(負荷最小化するギアは?回す?踏む?の選択)
・シッティングorダンシング使い分け
・どこで補給食に手を掛ける?(コース、展開的に安心してポケットに手を掛けられる瞬間はどこ?)
・このレースの集団の距離感(実業団E1レーサー多いそうだが、そのレースの雰囲気を知らない)

などなどフルに情報収集しながら走る。
2周目は1周目で得た情報を実践しながら走るメンバーの脚力に目を向ける。自分にとって有名人多数。実際どのくらいパフォーマンスあるのか、この時点で分かる情報を仕入れる。ジャージで一目でわかる選手は何人か認識。さすが前々で展開している。きっとその方が楽だろう、リスク回避できるし。後から分かったが最後尾ヒラヒラパターンの選手もいる。中切れリスクあるが真ん中より落車回避は出来る。いざとなったらかっ飛んで前方に行くのだろう。まぁ自分の力量相談すると前方展開が無難だろう。とはいえ簡単に前へ行けない。まだ皆元気でどんどん前へかぶさって行く。ロードレースって難しいなぁと思いつつ2周目終了。

3〜4周目

集団が落ち着いてきて前へ出やすくなる。前半のコーナー区間も前へ。不確かだが逃げが出ているようだ、"20秒"とか聞こえる。前で展開しないとこういう事は分からない。三段坂に入ると自然と前へ出てしまう落ち着いた展開。逃げも吸収されたと思う。ただ4周目の三段坂後の展望所の登りでペースアップが掛かった。ただ前にいたので事なきを得た。

5周目

5周目に入ってすぐにレースに動きがあった。2~3名が逃げを試みている。コーナー区間なので追うのが大変。ペース上げて追う。ところがなかなか追いつけない。なぜなら自分のコーナリングの技量が劣っているから。視界に捕らえているもののじわりと間隔が開く。その時背後から喝が入った。

「前開けるな」

自分の技量ではこれ以上攻めることができない。ちょっとした直線路でパスしてもらうべきと判断し、ラインを外した。抜かれ様に何か一言言われ、睨みを効かされた。悔しいが反論は出来ない。技量が劣る事実は認めざるを得ない。その後集団は一つにまとまって三段坂へ。そこは落ち着いた展開だがその後の展望所の登りはペースが上がる。終盤に向けて足を削りに掛かっている。必死に着いて行った。

6周目

5周目のことがあったので先頭集団の最後尾に着いた。自分のコーナー技量のために後続選手を中切れの道連れにするわけにはいかない。幸い集団も30名ほどになっており、リスクも軽減されている。ところが後方で走っていると脚が攣り始めた。両足同時に太ももの裏が言うことを効かない。これまでかと脳裏によぎる。前を見ると集団からじわりと離れるが急激ではない粘れば戻れる、そして粘って復帰。とにかく手持ちの水分とジェルを補給する。手遅れかもしれないが、回復する思いつく術を尽くす。

その後三段坂と展望所登りへ突入。ペースが上がる。また攣るかもしれない。もう攣ったらそれまでだと割り切る。パラパラと脱落していく選手を掻き分けて先頭に着いていく。何とかクリア。そして最終周回へ入っていく

7周目(最終周回)

この周も集団最後尾に着く。コーナー区間は多少アタックかかるもののペースは落ち着いている。坂勝負かと思う。そしていよいよ三段坂へ突入。1名選手が飛び出す、ただし集団は反応しないのでそれを見て元に戻ってきた。意外にも三段坂は大きな動きなく、展望所の登りへ。ここは流石にアタックかかるだろうと思い、構える。そして、やはり来た。ダンシング全開で行かないと千切れるレベル。ここも粘る。そして残った。前に10名程度か。

ゴールへ向けて下り区間に入るがローテは綺麗には回っていない。登りで遅れた選手が合流してきた。この時点で残り1km。この後S字コーナーの後ゴールだ。

脚はない、集団は殺気立っている。安全にゴールして家に帰りたい。正直そう思った。S字コーナーは20番手くらいの最後尾で通過。ガチャンと接触する音がするが幸い自分のラインではない。そこから立ち上がりの坂道を登り、残り300mのスプリント。坂はダンシングすれば最後のスプリント区間で全く掛からなくなると判断し、ギアを軽くして高ケイデンスで対応する。残り300mで右側が大きく開いている。そして意外に集団に勢いがない。スルスル前へ出ていける。15,14,13番手...と上がっていく。意外だ。これはいけるとこまでやるしかないと気持ちが切り替わる。でも腰が上がらない、脚がない。シッティングでもがく。残り100,前に選手が被さってくる。前へ出れない。そしてゴールライン通過。

左端に自分がいる

無事にゴールした。

まずそれを思った。マスターズとは言え全日本の冠が付くレースの先頭集団で、順位より最初に無傷を喜んだ選手は自分くらいかもしれない。安堵したのか目頭が熱くなった。これは予想外だった。

レース後に思うこと

脚が攣りながらもよく先頭集団に残れたと思う。一方でどうしてこんなに攣り易くなったのか考えて修正する必要あると思った。思い当たることはポジションの変化で動員する筋肉が変わったせいかもしれないと思った。以前よりサドル位置を前へ、それに伴い高く設定していた。ZWIFTで室内トレーニング頻度が増えるとそちらの方が漕ぎやすかった。また120kmを超える長距離練はかなり減ったことと、リアルレースで高強度を経験することも減っていた。これらを修正してどうなるか様子見たい。

コーナー技量も課題、レース経験で磨くのが一番だとは思う。

結果を求めるモチベーションについて、勝つという意志より安全に走る意志が勝っている。これは大事なことだが、必要以上に恐れていないか。そうだとするとロードレース向いていないかもしれない。じゃあ辞めるか?いや、それは悔しいしロードレースの楽しさも同時に味わっている。しばらくリアルレースから離れていたので経験を積み直すことで見え方が変わってくると信じてみる。

今回は実業団E1レーサーが多く、自分との相対比較で技量が高かったと思う。逆に言えばよく学ぶことができた。今後のレースに活かせると思う。

ひとまず大きなレースを1つ終えたので一休みして練習再開しようと思う。

次は乗鞍HC。自己ベストを更新する走りがしたいと思う。

翌日はしまなみ海道散策をした。
途中までは良かったが大三島で熱中症気味になり、自転車積載可のタクシーにお世話になることに。
これからの時期は暑さに気を付けよう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?