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課題発表までの学習について

はじめに

一昨日学科試験が終わりこれから製図学習が本格化してきます。
ですが、本来開催されるはずだったオリンピックの影響で例年と異なる所があります。まだ課題発表がされていません。何の設計をするのか分からないというのは学習を始めるに当たって気合が入りづらいかも知れませんが、同時に本試験までの時間が2週間長くなっているわけです。今年学科に合格した受験生にとっては準備に使うことが出来る貴重な時間であり、既受験生との差を少しでも縮めるチャンスでもあります。課題発表後10週間で本試験というのは例年通りですが、この異なる状況を如何に活かすか、初受験の方には大事なポイントになってくると思います。

例年の初受験(短期既受験)生

2年目、3年目の方は基本的には既に学習に取り組まれているはずです。長期の人もいますし中期の人もいます。短期の方でも本気で合格を目指している人は準備をしていて当然でしょう。こういう人たちはマラソン等でいう所のウォームアップを終え、身体が温まった状態にいます。それに対し初受験の方や準備をしていない既受験の人はまだ身体が冷えている=すぐに走り出せない状態です。
例年、こうした状況で課題が発表されスタートが切られるわけです。当然身体が温まっている人達は無理のないペースで学習の流れに乗り、多くの場合順調に力を伸ばしていきます(それでも多ければその半数が不合格となる試験です)。それに対して身体の冷えている(製図試験に対して、です)初受験や短期既受験生は身体を温めつつペースを掴むという難しい状況の中で学習していかなければなりません。大体の感覚ですが初受験生の内、2割くらいの人はここでペースを掴みきれないまま本試験を迎える=合格がはじめからから厳しいという状況ではないかと思います。何とかペースを掴む(短期既受験生は当然、初受験生でも半数以上の方は大丈夫です)ことが出来たとしても数週間は要しており、長期や中期の方と同じ練度で最初の模試を迎えることが出来る初受験生や短期既受験生はわずかです。初受験であっても気力が充実しており、学科試験合格の勢いのまま学習出来る方もいますが、多くは学科との学習内容、方法、時間の掛け方の違いに戸惑っているように見受けられます。

合否を分けるくらいの意識で

ただ、今年は上述の通り課題発表=スタートの号砲まで時間があります。具体的に課題内容を受けての講義に入るまでには今から10日以上の時間があることになります。既に入念な準備をしている長期や中期、一部の短期既受験生には及ばないまでも準備をする時間=少しでも身体を温める時間が用意されているのです。これは例年にない初受験生にとっての大きなメリットであると同時に、このメリットを活かせない初受験生は合格が遠のくことになるのでは、と思っています。つまりこの準備期間ともいえる約10日間の学習にいかに意識的に取り組むかが合否を分ける可能性もあり得る、と思っています。

何をするべきか

製図試験において身体が温まっているというのはどういうことか。
言わずもがな、一番大きなものは作図スピードです。作図スピードの重要性については「製図試験に合格する受講生の共通点」でも触れていますが速く書けるということは作図以外の学習に当てることが出来る時間が増える、ということを意味しています。早い時期に作図スピードを習得していればいるほどエスキスや記述の学習に時間がさける=本試験を解くための本質的な学習が出来る、というのは自明でしょう。ただ、これまでに本試験を体験している既受験生はともかくとして、初受験生がいきなり作図学習に取り組むのは難しいと思います。二級の試験を経ていない方は製図板をはじめとした道具の使い方もままならない方もいるはずです。合理的でない手順で無理やりトレースを頑張っても身になる可能性は低いと思います。初受験の方は今週末からの第一回目の講座を終えてから本格的に作図に取り組めばいいのではないかと思います(それでも例年と比べて丸1週間の学習時間があります。そして取り組むべき内容は担当の講師が指導してくれます。)。対して既受験の方は少しでも作図の勘とスピードを取り戻すべく作図学習を開始すべきです。

では初受験の方がこれから数日でやるべきことは何か。0回目講義やガイダンスなどでも言われているでしょうし、既に取り組まれている方もいるでしょうが製図試験に関わる設備・構造の知識を出来るだけ習得することです。記述の定型文暗記も出来ることの一つですが、まずは製図試験に関わる必要な設備構造の知識が何なのか確認しそれが分かるのか分からないのか、分からないならば何処が、何が分からないのか、それをはっきりさせるだけでも今後の講義や学習の意味が変わってきます。「製図試験に必要な力」でも書きましたが記述力というのは「国語力」と「設備構造の知識」から成っています。僕は国語力のある方が定型文暗記をするのはナンセンスだと思っていますし、仮に必要であっても暗記はまだ先のことです。知識があり自分自身のエスキスをまとめることが出来るようになると記述も書くことが出来るようになります。なぜならば、エスキスをまとめることが出来る=自身の計画を説明出来るという関係が成り立つからです。少し脱線しますが記述がいつまでもうまく書けない人は結局エスキスが出来ていない、出来ているように見えるだけ、という人であることがほとんどです。
ということで、今確実に実施出来、かつ今後必ず必要で役立つこととして今の間に設備構造の知識を習得(習得できなくても項目や範囲、必要な量の把握)しておくべきでしょう。

さいごに

もう一つ大事なこととして、学習そのものはもちろんですが、学習時間の確保、そのための周りからの協力は合格に必要不可欠です。今後本格化して行く学習の前にこの数日間の中でその態勢づくりも行っておきましょう。



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