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何なんw

なにしろTwitterではこういうマイナーな趣味を語るアカウントではないし、リアルで誰かに話してもほとんど誰もわかんないし、興味も示してくれない。


音楽に限らず、好きな小説も、絵画も、植物や鉱物や鳥の話も、家族以外と分かち合える人に滅多に出会わない。たぶんその組み合わせが変わっているのだろう。Amazonでさえも私へのリコメンドはしょっちゅうしくじっているのだから。

とにかく、ゴールデンウィークは藤井風とPenthouseに浸ったらいろいろ思い出したので、自己紹介にこじつけて、私の好きな、誰も分からない趣味を書いてみる。

しばらく音楽を聴いていなかった気がするくらい、久しぶりの感覚を味わえたこのゴールデンウィークに感謝をこめて。


高校の頃、新京極と寺町の間を抜ける細い細い路地にあったレコード屋に通ってた頃の、あの感じ。

レコードがただの実用物だった最後の時代、学校の帰りにそのレコード屋に行くのが日課だった。

輸入盤の12インチで当時せいぜい1,200円くらい。
私はブリティッシュポップというジャンルにハマっていて、しかも日本版の出ないようなアーティストばかり聴いていた。
Rough Trade のものなら手当たり次第買っていた。Specials が好きで、Terry Hall の声が好きで、weekend の drum beat for baby とか、rip rig & panic の i am coldとか、the Smiths のジャケットはどれも今見てもカッコいいし、・・・って言っても当時でさえマイナーで、ごく限られた人としか音楽の話をすることはなかった。

かろうじて演奏する側でもあった。下手なりに、ピアノだったら何時間でも弾いていられた。ギクシャクしている家族のこと、サボってる駿台のこと、本当は理学部に行きたいこと。ピアノを弾いていると全部忘れてのめりこんでいく。
ベートーヴェンやショパンを弾いて、the Smiths 聴いて、下手くそなガールズバンドやって。


誰も知らない音楽を聴き、誰も知らない小説を読み、誰もみない映画を見て、自分だけの価値観世界観に没頭していた。


視聴回数も表示されないし、本屋大賞もない。

自分の青臭い趣味も、意外とミーハーな好みも、
他人からの批評が聞こえてこず客観的なものさしが見えなければ、自分がどう見られているか、気にする方法もなかった。


で、今。
絵が好きな子は絵を描けばいい、って、無責任に言えないな、と感じる。
例えばTwitterの界隈にいれば、自分の位置はそれなりにわかってしまう。
昔とは違って最初っからものさしがあって、将来どこまでやれるか不安になって足がすくめば簡単に追い越され。


そんな中でただ好きなことを好きでいるって、それだけで尊いことだと、心の底から本当に、そう思う。

好きなことをやってるひとたち、がんばれ。
小さなエールを送ります。

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