2023年7月の音楽

虫籠

この月は、中津川はtocoro burgerにて夏のイベント「虫籠」にDJとして参加しました。虫籠については、インスタでこれでもか!とサウダージたらたらの文章を書いたので、これ以上書きますまいというところではありますが、各々の得意技と創造性がかみ合ったホントに素晴らしいイベントだったと思います。
今回は、自分がやったDJのセットリストをプレイリストにしていますが、なんとなく1曲ずつコメントを書いてみます。

客入れ時間 1~6 ジャズ虫

夜のイベントスタートは18時、DJタイム開始が19時、自分の出番は20時、最初の1時間の音楽はどうするのかな?と勝手に心配して用意したものを勝手にかけて、結局BGMタイムをDJ3人で回した。というよりも、店主がこの日のために作ったDJブースの装飾「虫籠」があまりにもかっこよくて、自分がぶち上ってしまい(ぶち上っているのは見た目には伝わらない)、やり出してしまったのが正しい。
中津川の雄、ヤズカルマの描くイラスト「ジャズ虫」にちなんでなんとなくジャズ。

1.(2016)
ブルーノ・ペルナルダスはポルトガルの多国籍音楽プロジェクト。トロピカルな1st、宇宙な3rd、未来な4thが取り上げられがちな彼らですが、オルタナジャズな愛と暗黒の2ndが自分は好きです。
バナナ大須にて中古購入。
2.(1999)
ラテンプレイボーイズはロスロボスの別プロジェクト。99年リリース時気にはなっていたが手が出なかったこの作品が、先日バナナ岐阜で目が合って購入。世界を旅する音楽で、かつこの曲はオルタナ沖縄。リリース当時では理解できなかったかも。
3.(1972)
アルトゥールヴェロカイはブラジルの名裏方で、名コンポーザー。怪しげに空気を彷徨っていた音が突如として爆発したみたいな愛と哀しみのオルタナジャズ。
タワレコ近鉄にて再発購入。
4.(2018)
アントニオロウレイロは、1stは余りにも新しい音楽で、以後この人はどうなってしまうんだろうと思っていましたが、2ndでは息が止まるくらい緊張感高いピアノトリオジャズ。クロスオーバージャズとかワールドミュージックのジャズとかこのころくらいから発生したんやないかと。
当時HMV新譜購入。

(1987)ミルトンカルドナ

サブスクにはないのですが、間に一曲かけてたのは、このミルトンカルドナの8曲目。プエルトリコのコンガ奏者。この日参加したコンガ奏者の丹羽くんにちなんで。自分的にハイライトでしたが、サブスクになく。
京都の人族レコードで中古購入。
5.(2022)
レチエレスレイチは、ブラジルの名アレンジャー。自身のラージアンサンブルバンドによるモアシールサントスの作品のカバー集。アフロブラジルをコツコツ聴いていた流れで知った、アフロブラジルジャズ。
当時ユニオン新譜購入。
6.(2022)
シェニアフランサは、アフロブラジルにジャズにネオソウルの要素もある現代ブラジルのアーティスト。プロデューサーは、自分が新作をずっと楽しみにしているロウレンソヘベチス。繊細で複雑で美しい音楽。最近の音楽に感じられない、やっぱり楽器で作る曲はいいなあと感じる音楽。
当時ユニオン新譜購入。

本編 7~24 虫籠

キヨシくんから引き継いでの虫籠本編。虫が騒いでる感じを出したく、アフロサンバファンクソウルと陽気に選びましたが、虫がゾンビ化して暴動を起こすイメージも沸いてしまって後半の展開になりました笑

7.(1994)
ガルコスタはブラジルの国民的女性シンガー。アートリンゼイプロデュースのアルバムの1曲目となるカエターノヴェローゾのカバー。怪しく美しく可愛らしくぞくぞくするアフロサンバ。
今はなきサウンドベイ金山にて中古購入。
8.(2021)
アントニオネヴェスはブラジルのマルチプレイヤー。今のブラジル音楽の中心となっているアナフランゴエレクトリコ他リオ新世代の一派。Summertimeて曲をDJでは多用するのですが、怪しくやんちゃな感じが出したかったので、この曲にしました。
当時輸入盤新譜購入。
9.(1972)
モアシールサントスはブラジルのジャズの名コンポーザー。名前を初めて聞いたときになんつーかっこいい名前だと思って、それだけでずっと気になって探してた。ワクワクするイントロのこの曲が一番かけたかった曲。
廉価版で再発したものをHMVで購入。
10.(2017)
ブラジルアクエリアス?はブラジルのノヴォスバイアースみたいなサイケでキラキラしたバンド。いろんなカバーをやっていますが、結局いつもかけたがるミルトンの名曲を選んだ。2017ではないかと。
アーチレコードのアーカイブインスタで知り、岐阜のディスカバリーで中古購入。
11.(1998)
ジャヴァンは、ブラジルのアフロサンバ歌手。アフロサンバなんだけど、歌謡曲ソウルみたいな感じのこの曲はとても好きです。自分がかけたのは1stから。
廉価版で再発したものをHMVで購入。
12.(2009)
バンガラフメンガは、SSWのホドリゴマラニャオン率いるバトゥカーダ(カーニバルでズンドコやる集団)。サンバファンクにホドリゴのたんたんと低温な歌声が乗っかるとても好きな曲。
神楽坂にあったときの大洋レコードにきた妻に電話で頼んで当時新譜購入。
13.(1980)
バンダブラックリオは、ブラジルのファンクバンド。メロウでリズムが細かくてグルーヴ強め。ブラジル100という5枚組のコンピ盤で知り、こんなの売ってはいないわなーと思っていたら、小牧のペニーレインに「ドイツ盤です」と注記があったものを見つけて中古で購入。
14.(2001)
モレーノ+2は、モレーノヴェローゾのユニット。ブラジル音楽と音響とノイズを組み合わせた美しいアルバムから、ジョルジベン直系のファンクナンバー。いつなんどきでも多用しております。
今池にあったときのグレイトテストヒッツで中古購入。
15.(2016)
マリアバルダイア?は、アフロサンバの歌手?。正直よく分かっていません。なんで持っているかというと、昔ラティーナという雑誌のブラジル音楽ディスク大賞に投票したら、抽選で当たるブラジル音楽のCD詰め合わせが送られてきてその中に入っていた1枚。リズムが特徴的で、オーディエンスのジュン君におしゃれやなーと言われた1曲。
16.(2020)
オルケストラアフロシンフォニカはアフロブラジルのラージアンサンブルのバンド。ロウレンソヘベチスやアートリンゼイのアフロ曲でメンバーが楽器を演奏していたり、ズブズブとアフロブラジルの沼に引きずりこんだ昔のようで現代の現役バンド。
当時HMVで新譜購入。
17.(2017)
アートリンゼイは後期作品は、バイーア・ゴスベル・ノイズの3本柱で作風を貫き通していますが、この曲はバイーア・アフロブラジル色全開のアタックの強い曲で、これもいつなんどきでも多用しております。16.のメンバーもアタバキを確か叩いている。
当時HMVで新譜購入。

(1981)ラウンジリザーズ

サブスクにはないのですが、間に一曲かけてたのは、このラウンジリザーズの1曲目。ジョンルーリーやらアートリンゼイやらヤベえやつしかいないジャズバンド。ヤズカルマもジャズ虫にして描いている。アートのギャリっギャリってしたギターが虫っぽいなと思いまして。
1回売ったんですけど、瑞浪にあったときのタネヲマクのわかなちゃんの秘密の小箱コーナーで中古購入。
18.(2016)
メタメタはトリオ3人ともヤベえやつしかいないブラジルのエクスペリメンタルサンバのバンド。途中の奇声のような鳴き声のような音が虫の羽音みたいだったり、なんとなく食虫植物ぽいかなと思いまして。
これは、ラティーナのオンラインでブラジル音楽が超セールしててめちゃくちゃ買ったうちの1枚。
19.(2022)
キキはバンド3人ともヤベえんですが、基本いい人たちの岐阜羽島のバンド。今のところ日本で最強だと思います。実に轟音で緻密で繊細なバンドだと思います。エクスペリメンタルサンバとの相性もよく、ゲストで入っている羽島の先輩方がいい感じでヤベえ虫だと思いまして。
今はなきHMV各務原で新譜購入。
20.(2001)
コーネリアスは丁度新譜が出て自分の中で盛り上がっていまして、いけそうだったらもう1曲ほりこんだろうと思って持ってきた彼得意のメタルナンバーですが、トコロ父娘が盛り上がっているのをみてぶっこみました。丸くなった小山田圭吾は素敵ですが、エッジの利いた彼もえーですね。
HMV生活創庫辞めた後で確か当時美濃加茂の三洋堂で新譜購入。
21.(2004)
ドメニコ+2は、14の同じメンバーでリーダーが変わるとユニット名も変わるユニット。シカゴ音響派やコーネリアスの影響を受け、ブラジル音楽に組み込んだ当時のブラジル音楽新世代。この曲は、今かけても盛り上がるし、よくかける。実験的でポップで開けてビックリ玉手箱な作品。
多分当時タワレコパルコで新譜購入。
22.(1975)
アジムスは、ブラジル好きっていう人は大概マルコスヴァーリとアジムスが好きっていう人が多くて、DJさんに愛されているバンドだと思います。この曲のイントロ聴くとうおー!となるので、21同様多用しておりますし、この日も調子に乗ってぶっこみました。ヤズカルマごめんなさい。
バナレコ岐阜で中古購入。
23.24.(2002)
カエターノヴェローゾとジョルジマウチネルのふたりの共作。当時この作品が出たとき、MPBのフリーペーパーに「カエターノ聴いてますって言って、知的音楽指数上げたいだけのやつらはこれ聴いてもいいって言えるか!」というレビューが衝撃だったのを覚えている。そのくらい変なアルバム。タイトルも「俺は謝らない」だし。23は、21のドメニコがドラム叩いている人力ドラムンベース。24.はヤズカルマへのスイッチがうまくいかなくてそのままかかっちゃったけど、結果としてこれまでの展開から変わって、とてもマジカルな瞬間になった。
当時は怖くて買えず、おじさんになってからネットで中古購入。

アウトロ 25~30 てんとう虫のサンバ

自分が爆音出してから何度となく警察がやってきて、最後のwillfully2と丹羽くんのセッションが終わっても、警察いるなら帰らなねえぞー!みたいな雰囲気になって、キヨシくんから「オノダさんいきましょー!」と突如振られたアウトロタイム。めちゃ焦りながらも、割とお気軽な選曲になりました。
25.(2014)
オルケストラインペリアルは、モレーノもドメニコも所属しているブラジル新世代連中で形成されるサンバビッグバンド。定期的にイベントのようにライブをやっているみたいで、尖ったセンスを全てサンバに転換したかのようにハイブリッドで、ジャケットがKISSなのかプロレスなのかよく分からん感じも含めてごぎげんなバンドです。
バナレコ岐阜で中古購入。
26.(2010)
ヴァネッサダマタは、当時の日本の浜崎あゆみくらいの勢いのブラジルの歌い手さん。当時、円頓寺商店街にあったサンバタウンというブラジル音楽のお店のキャプションに、「まったく思いがけない美人からいきなりアプローチされて困った感じ」と書いてあって気になってしまった作品。そのくらいときめきとキラキラがちりばめられているバイーア作品。
でもHMVでネット購入。

ノヴォスバイアース(下の作品)
上の作品は代表作のアカボウショラーレという作品ですが、これ初めて見たとき、ハスキングビーのPUT ON FRESH PAINTみたいだなと思ったことをいいたくて載せただけ。

27.(1973)
ノヴォスバイアースは、グレイトフルデッドのフォロワーでサッカーと音楽しかできない天才ヒッピー集団が、同郷のジョアンジルベルトからボサノヴァギターを学んだことで、音楽的に大化けしたハイブリッドサンバロックバンド。こんな風に弾けたらめちゃくちゃ楽しいだろうなあと羨む無敵のギターアンサンブル。
タワレコ近鉄で再発盤を購入。
28.(2020)
グスレヴィはブラジルのシンガーソングライター。8.同様今のブラジル音楽の中心となっているアナフランゴエレクトリコ他リオ新世代の一派。
エッジとゆるさの間が絶妙な人。
HMVで当時新譜購入。

これでフェードアウトさせてもらいました。

7月について

46歳のテーマとして、「ひとつしかないからだをいかにして動かしていくか、何を大切にして動かしていくか」というのを上げておりまして、それを体現できたと思います。
ふつうに考えたらおっさんなんだし、仕事忙しくてしんどいんだから休めよって話の月だったんですが、それでも意思を持って動かした結果、大きな力を得たように感じます。
中津川のみなさん、いつも遊んでくれるみなさん、家族みんなありがとうございます。

著者近影とガルコスタ

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