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2018.07.06 街が水没した日のこと。(5)

07.09 06:45

災害発生から三日目の朝、ようやく晴れた朝日を目にする。

昨日までの浸水が、急激に引いていった。

そして日が昇ってすぐ、どこからともなく聞こえてくるヘリの音。

実は月曜日という事もあり会社から、可能な人のみ出勤してくださいと伝達があったが僕は母親の容態が気がかりなため、自宅待機する旨伝えた。
そして付け加えるなら、治安問題も。

おそらく翌日から平日は出勤予定なので、母親には以下の点を確認した。
・必ず戸締まりをする
・万一外出する場合、明かりはつけたまま、テレビもつけたままで
・一人で出歩かない
・スマホを手放さない
とはいえ僕の心配は、結果として杞憂に終わったのだが。


この日は二者の訪問があった。
前者は、自衛隊員。
真備町内の全戸を一軒ずつ周り、安否確認を行っているとの事。

後者は、市の水道局員。
水道の復旧に日数を要する為、各戸を訪問して状況説明していた。


そしてとうとう、まび記念病院の避難者全員が無事救出された事を
僕は知る。
聞けばあの状況下において、医師達は担当患者に個別で電話連絡して
他院への案内を行っていたという。そしてそれは母親のところにも届いた。
頭が下がる思いだ。

とはいえこれ以降、僕に書けることは少ない。

憶えているのは
この日を境に急激に気温が上昇したこと、
回線が重くなったこと、
総社市内への道が非常に混雑したこと、
各所に交通整理のスタッフを見かけるようになったこと、

それに、深夜遅くまでパトカーが巡回するようになったこと。
Amazonで注文した商品が配送不可地域の為キャンセルされたこと。


そして自衛隊による無料浴場の設置には、
もう一日の時間を要する事になる。


僕が書けるのはここまでとなる。

ここでこの数日間のあらすじをまとめたり、災害時の教訓とかアイテムを
ピックアップしたりハザードマップを見返したり、etc.
それは僕の本意ではない。

ただ書き留めておきたかっただけなのだ、記憶が薄れていく前に。

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