12/17 FOMCで見逃してはいけない重要な点
こんばんはアトレです。先週は分析したCPIの結果が当てられず、残念でしたが今一度計算の精度を上げていきたいと思います。
さて、先週はCPI、PPI、FOMCと忙しい週でしたが、インフレの減速の感じが強くなり、株価は上昇、ドルは下落、金利は下落と教科書通りの推移でしたね。先週のnoteではインフレ低下が株価に追い風になりそうと書いていたので想定通りの動きになりました。CPI、PPIの結果を見てFOMC前には株式のロング、ドルのショートを仕込んでいたので一安心です。
さて、先週のカギであったFOMCですが、要点は「どうもハトっぽさがにじみ出た」という事でした。FRBパウエル議長は基本的にスピーチのトーンをあまり変えず、ほんの少しずつ変化を加えて市場と対話して市場にパニックを与えない事を得意としている人です。今回のFOMCでは「利下げの事もそろそろテーマに挙げようかー」とメンバー間で話題に挙げた事がハト的に映り、金利が大幅に差がり、金融引き締めが和らいだ事で株価が上がりました。
ただこれは「そろそろ夏が近づいてきたなー、BBQいくかー」という程度では特段日程や程度が語られるほどではなく、この感じであれば実際に利下げが議論されて実行されるまではまだまだ時間がかかりそうという印象です。
そんな中、気になったのが今後のFRBの市場予測です。
以下はFOMCからの資料抜粋です。
ポイントを解説します。
●FF金利は前回9月の見通しよりも大分下がりました。
→これにより、今後は利下げ局面に入っていくことと、経済に金融引き締め効果が出てきて、もうインフレは大分緩まった事を示します。
●失業率は前回とほぼ変わらず
→経済はソフトランディングに向かっている事が分かります。
●GDPは凸凹での見通し
→23年は思ったより強い、24年はちょっぴり弱めなリセッションが来る、25年以降はなんやかんや持ち直す、という予測が見て取れます。
ここで私が注目するのは失業率です。おそらくこの数字は達成難しいでしょう。FRBには「予防的利下げ」という言葉があり、まだ経済は悪化していないが、念のために下げておくという利下げです。上の図は、「予防的な利下げ」が完璧なタイミングで完璧な塩梅に発動し、失業率が上昇するを未然に防ぎ続ける。というFRBのメッセージと解釈できます。
その根拠が上記の図で、1970年代以降約50年に渡って失業率というのは上がると下がるのフェーズしか存在せず、3年間も数値が安定した事はなく、恐らくはここから失業率の上昇フェーズが始まるものと思われます。
先週号でお伝えしたように、失業率とS&P500は綺麗な逆相関の関係にあります。過去の例を見る限り、なんなら失業率が上がり始めるころが株価のピークをつける傾向にあるようです。
つまり、今月が株価のピークになってもなんらおかしくはないという状況は変わらないです。
株価と言えば、時価総額1位のAppleに不穏な記事が出ていました。
以下の記事よると、中国でのiPhone使用禁止を指定する企業(主に政府系)が増えているようです。しかも追い打ちをかけるように、中国のスマホの元祖であるファーウェイの最新機種:Mate60が中国で大いに売れており、中国での人気が復活しています。最近iPhoneの生産基地を徐々にインドなどに割り振っている事も考えると、Appleと中国の関係が徐々に疎遠になっているようにも見えます。
中国のiPhone使用禁止が拡大、国有企業や政府機関で-関係者 - Bloomberg
尚、生産地だけではなく、Appleは使用する部品も中国製を徐々に減らしており、iPhone15においてはわずか2.5%の部品しか中国品を使用せず、3年間で半減しているようです。
アイフォン、中国製部品の割合が3年間で半分に…アップルも「デカップリング」か(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース
因みにAppleにとってiPhone以外も含めた製品トータルで中国向けの販売比率は約19%を占め、日本向けの約3倍の規模です。つまり、もし中国からの購入量が減ると、大きなインパクトを占める事になります。
次に、米国の消費動向について触れます。
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