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9/25 FOMCが流れを変えた      ~強すぎる経済~

こんばんは、アトレです、今日もティコさんと書いております。
このnoteでは米国経済の流れをお忙しい人や経済の難しい話が苦手な方の為に極力易しく、初心者、中級者にわかりやすいように解説しております。

先週の相場はFOMCで流れが変わり、一気に下落に傾き、いつもならすぐに相場が戻してくる流れがなく、今年では初めてかもしれない一方的な下落展開で金曜の相場を終えました。

FOMCの後に、「そんなにサプライズなかったのになんでこんなに株価下げたの?」という声を聞き、少し説明させて頂きます。

まずは、FOMCでの結果、何が市場センチメントを変えたか?
SEP(Summary of Projections)において将来の金利予想値を参加メンバーで提示しました。金利の部分は長く、かつ高く、金利が高いところで維持される見込みだとFOMCメンバーの予想値が発表されました。特に「2024年に利下げがほとんど見込めない」と今回明らかになった事が最重要ポイントでした。以下の図は6月時点での発表値と今回の予想値を比較したものです。赤色かけ部分は悪化した部分です。特に24年が高い金利がキープされる事が分かります。
市場は24年の景気減速と利下げ開始を既に織り込んでいた為に、この上半期に株価に割高感がありながらも買われてきました。しかし、今回の金利見通し変更で、24年の利下げはあってもほんのわずかであると分かり、当面の間、割高感(高PER)が許されなくなると警戒した投資家の売りが進み、適正な株価バリューションを目指す展開になりました。

以下は、赤字がナスダック100、青字が予想PERで現在は26.7。コロナ前は20-24で推移していたので、まだ割高であると言えます。尚、実質金利を考慮すると、現在の株価は奇跡というレベルの割高を維持しています。それだけ、未来の利下げ、未来の高業績への期待が強かったのかと思います。

画像引用元:株式マーケットデータ

以下は、同時に発表されたFRBのGDP予測、失業率推移、コアPCE推移です。緑部分が今回、改善された部分です。端的に経済が3か月前の想定よりも良い方向に進んでいると解釈できます。それがゆえに、金利が高く据え置かれるという状態です。

まとめると、米国は経済が強すぎるとFRBは感じており、高金利を長く続けてインフレを退治する覚悟なので、投資家にとって待ち望む利下げは見込み薄となった事から、株式の売りが進んでいるという状態です。
*高金利下では株式が割高になりにくく、実経済でも資金需要を阻害するため、景気悪化を連想させ、株式は売りに繋がりやすい為。


次に、先週発表された、カンファレンスボードの景気先行指数を見たいと思います。この指標は米国経済の景気について今後の方向性を表す指標と言われており、以下の10項目から計算されます。
基本的には、新規受注に関する項目など未来の経済を表す指標が多く採用されており、景気の天井に対しては9か月先行し、景気の底に対し4か月先行すると言われます

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