5/19 (新説)FRBが求めているゴール
こんばんはアトレです、先週号ではインフレが強く、経済や雇用が弱ってきているという指摘をさせて頂きましたが、やはり先週出てきた指標は弱めの数値が目立ち、金利低下と株価の上昇をもたらしましたね。CPIについては総合値を0.1%外しましたが、コアの方は当てたという結果でした。まずはCPIの結果から。
●CPI総合値は市場予想を下回る結果で金利低下につながった
●コアは伸びが鈍化した事が好感された。
以下のグラフの通り、CPIは総合値もコアも下落傾向に見えます。
ところが、もう一個下のグラフも見てください。
以下の図はCPIの絶対値を1960年代から現在に至るまで出したグラフです。青線は実際の値で、オレンジは傾きが分かるように点線を引いたものです。
歴史的に見て直近のコロナ以降が異常な速さで上昇している事が分かりますか?
因みに1980年頃からコロナまでは、計算した結果、多少の上下がありながら年率3%程度で上昇してきた事が分かります。
という事はCPIをFRBの目標である「2%」に戻すとどうなるか?
⇒徐々に青線が低下して結果的にはオレンジ点線の軌道に戻る事を指します。
私はFRBの狙いは2%ではなく、この軌道に戻したいのでは?と考えます。
FRBはFOMCの今後の経済予測において、緩やかな経済鈍化とインフレ低下を想定しており(2年以上かかる)、「ゆっくりゆっくり」経済を冷やして、ソフトランディングを目指しているのが分かり、「当面はインフレに付き合いながら、数年かけて是正していきたい意思を感じます。
つまり、FRBはこの上がりすぎたインフレ率をゆっくりと軌道に戻すために、利下げにはかなり慎重になっている様子が見て取れ、CPI後のFRBメンバーのコメントはこの「中期的な目標」をしっかり検討しているようなコメントが並びました。
以下は先週あった各連銀総裁のコメントのサマリーです。FRBメンバーのコメントがここまで揃う事って実は割と珍しい事です。
つまり、FRBは「今のインフレは高すぎて、利下げにはかなり慎重です」という事が分かります。
上記のようなコメントが並ぶ事から、私はFRBは「経済がくしゃみして、風邪をひかない限り」は利下げまで進めないのでは、と考えております。
具体的には銀行破綻懸念、雇用悪化懸念、ローン破綻懸念、これらの事象がニュースに頻繁に取り上げられるまでは高金利指示方針の可能性を考えています。
つまり、インフレは当面継続するかもしれない、というシナリオについて考察してみたいと思います。
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