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暖かい空間を作り出すための導線づくり|株式会社愛起 多久田篤希さん

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\  第八弾はこの方 /


株式会社愛起
四代目 多久田 篤希さん
暖かい空間を作り出すための導線づくり

多久田さん写真



ヴェルディ:本日はよろしくお願いします!!はじめに、多久田さんの家業について教えていただけますか?

多久田さん:はい、弊社は主にケーキ屋さん・お菓子屋さん・パン屋さんやホテルのレストランなどへの包装資材の卸売を行っています。創業当時はお寿司の折箱販売を行っておりました。その後、時代の流れとともに街の洋菓子屋さんの数が増えてきたこと、当時は包装資材販売のライバル会社が少なかったことを受け、洋菓子のパッケージ部門へ参入。それ以来、パッケージ等の包装資材の卸売に携わっています。創業者、先々代、先代と成長する業界を見極める力が大きかったのだなと感じますね。

現在、様々な業界において新型コロナウイルス感染症の影響を受けています。弊社も例外でなく、地域や観光用パッケージ等の販売チャネルによって売り上げ減少につながってしまいました。一方で、街のお店はイートインが減りテイクアウトが増えたことにより、包装資材の売り上げが右肩上がりになるというプラス面も出ています。弊社は路面店への卸売も多く取り扱っていることから、この時期でも堅実にお客様の手に商品をとっていただけてます。また直接お店に足を運ぶことがなくなってしまっても、通販に強みを持つ取引先も多くあることより、以前よりも増して包装資材の需要が伸びてきているのかなと考えています。

多久田さん愛起写真


ヴェルディ:ありがとうございます!多久田さんのバックグラウンドについてお聞かせください。

多久田さん:はい。私は商学部卒業ということもあり、前職では家具販売を行う会社で物流のロジスティクス改善に携わっていました。前職の会社は、内部の改善活動に長けた会社であり、運用改善が会社の利益につながるということを強く学びました。同じ従業員数であるのにも関わらず、内部の効率化などを進めることによって、売り上げを倍にしたりと、肌感覚で改善したことが会社の成長につながることを感じたことは、私にとってとてもいい経験になりました。

それから家業に入ることになったのは、まあ、タイミングが良かったからですかね(笑)
もともと私が家業を継ぐのか継がないのか、ということは曖昧になっていて、私自身も踏ん切りがつかずに結局家業に戻らないままになっていました。そのままあやふやにしている折に父親が病気を患いました。もしかしたら現場に復帰できないかもとなった時に、わたしが家業を継ぐかそれとも会社を売るのかという究極の選択になってしまって。小さいころから家業については知っていましたし、従業員の方とも交流していた思い出もあって、従業員40人ほどを抱える会社をこのままにしてもいいのかと悩みましたね。ちょうどその時に前職での役職アップの話も合って、やめるのなら今なのかな、もしかして神様が呼んでいるのかなと思って家業に戻ることに決めました。

家業に入る前に父親に家業の決算書を見せてもらいました。それは私が家業に入る前年度の売り上げが良かったからみせてくれたのかもしれません(笑)会社の現状を見たとき、先代が守ってきた会社の堅実さを数字でも見ることができましたし、経験が浅い自分が入ってもやっていけるだけの余力がある会社だなと感じましたし、新規投資にかけられるお金もあることもわかりました。このことも私が家業を継ごうと決心する後押しになりました。

親子だからこそ決算等の数字の話もできましたし、話すことができました。親子だからこそ逆に言いたいことが言えてしまいすぎてしまって、不要な言い合いやトラブルが起こってしまうこともあります。でも、父親とは今後この会社がこのまま現状の事業を続けていっても将来を約束できるわけではないという考えや、将来のビジョンなどもお互い似たものを持っていて、大抵の方向性が同じだからこそ協力して進めています。

多久田さん 家業


ヴェルディ:先代と親子だからこそっていうのはアトツギの特権ですね!
今回新規事業開発として、手作りケーキを彩る木製ケーキトッパーを提案されたということですが、詳しく聞かせていただけますか?

多久田さん:はい。この度、長年卸売業に携わってきた弊社からtoCの商品として手作りケーキを彩る木製ケーキトッパーの販売を行うこととなりました。背景としては、卸売業であるからこその売り上げの不確定さの改善があります。もともと商品に付随して販売を行う副資材であるパッケージ部門は自社で売り上げをコントロールできる部分もあればできない部分も多くあり、そこを問題点としていました。そこで自社で売り上げを確実に作っていけるような事業を始めたいと考え、その第一弾として今回の商品を作ることとなりました。

商品を作っていく上で、改めて弊社の価値を再定義しました。弊社は主にケーキ屋さんへ、リボン1本からシュリンク機械まで原材料以外なんでもケーキ屋さんに必要なもの全てが賄える会社です。ケーキは特別な日に食べるもの。そのときケーキを食べる人は笑いながら幸せを感じている。じゃあ私たち愛起は、その特別な日の暖かい空間をつくることを手伝っている会社なのかなと感じました。じゃあその付加価値を会社として形で売っていきたいと思いました。
この空間デザインブランドは「LAVAC」と名付けました。家業である愛起の意味も取り入れたくて、LOVE+ACTION=LAVACとしました。ブランドデザインも暖かい暖色を用い、ターゲットを20代後半のママさんと設定し、親子間の暖かさを支えていく想いを込めたデザインになっています。

多久田さんブランド写真①


お子さんと楽しむ空間やお子さんの記念日や特別な日を作る代表的なケーキを通じて、特別なサポートをする商品をつくり、消費者の皆さんの華やかな空間作りのお手伝いを行い、写真などに弊社の商品が残っていればうれしいなと思います。商品を売れるだけでなく、この商品を手に取った人が暖かい空間にいるきっかけになるような導線づくりを、この商品でしていきたいです。

この商品は『自分たちでつくったケーキにこのトッパーを挿せばナチュラルな温かい空間になるアイテム』として販売していく予定ですので、本屋さんで売ったり、レシピ本に入れてみたり、売り場に親子の写真を乗せたりして、ママさんに気づいてもらうような販売方法を今は考えています。その他にも子供服の会社様とも商談をさせていただいていまして、販路を徐々に広げていけたらなと考えています。

多久田さんトッパー写真③


ヴェルディ:暖かい空間づくり、、すごく素敵です!この取組みで家業のリソースが活きた点などありましたか?

多久田さん:うーん、一番は販路の確保ですかね。もともと弊社は1,000件を超える取引先と仕事をさせていただいてます。その中には今回トッパーを作るにあたってかなりの得値で商品開発について一緒に取り組んでくださる取引先もいらしゃって、1から商品開発を行うよりも、よりスムーズに進めていけたかなと思います。販売するという段階になっても家業のリソースはかなり大きいと考えています。物流という観点で言えば既存のものがありますし、自社に大きな倉庫を持っているので、商品の管理という点でも新規事業を進めていくうえですごく助かりました。

でも反対に苦労したこともたくさんありました。今まで卸売を専門としてきた家業ですから、会社として消費者に向けた商品開発をしたことがなく、toCにおけるノウハウ不足を痛感しましたね。商品を世の中に提供していくうえでの注意するポイントなどがわからなかったのです。例えば、トッパーの先を尖らせずに丸みがあるデザインじゃないと、お子さんがもしも飲み込んでしまった時などに危ないんじゃないかという問題を商品完成の間近で気づくなど、お客様が商品を買ってくれた後の「もしも」を考えることが難しかったです。

多久田さんトッパー写真①


ヴェルディ:リソースが活きた点もあれば、初めての取組みという事もあり試行錯誤した点もあったんですね。それでは最後に、多久田さんが考える家業とご自身の未来展望についてお聞かせいただけますか?

多久田:そうですね、新規事業に関してはまだ数値的な目標は打ち出せていませんが、一つの事業として走り続けていけるだけのものにしていきたいと思っています。今回の新規事業開発では、もともとモノづくりの会社ではありませんでしたが、たくさん皆さんから助けていただいて商品の開発につながりました。これからはもっともっと多くの人巻き込んで、ほかの会社・商品とコラボなどを行っていき、ブランドを改造していけたらなと思っています。異業種向けの販路開拓なども進めていきたいですね。


私自身としては、新規事業を起こした経験を今回得ることができましたが、今後はそれを成長させたっていう経験を得たいという気持ちが大きいです。卸売業はこれからどうなるか分からないと予想しています。弊社に関しては多くが街のケーキ屋さんなどの洋菓子店などへの卸売りを行っていますが、ある予想では今後何十年後には半分くらいの街のケーキ屋さんがなくなってしまうのではないかとも言われています。そんな、これからが分からない業界で取り組んできた家業だからこそ、もっと利益率がいい事業を開拓していくことを、会社として求められていると思います。これからも新規事業開発に積極的にと理組んでいきたいと思っています。

多久田さんトッパー写真②


U34のオンラインサロンの印象として、モノづくり企業が多いサロンなのかなぁと思っています。なのでそのモノづくりの会社と販売先を繋げる、卸売のぼくたちがもっと関わっていければ、もっとU34オンラインサロンを熱くさせていけるのではないのかなと感じます。その時には、お互いの想いやコンセプトを乗せて一緒に商品を創っていきたいです。もっともっと、お互い前向きなアトツギ同士で関わっていって、熱量をあげていきたいです。


「LAVAC」について気になる方はこちらから👇
インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/lavac1949
ベース(ショップサイト):https://lavac.thebase.in


(文/田村みらい)

いかがでしたでしょうか?家業の殻を破り新規事業開発に積極的に取り組んでいるアトツギメンバー


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ぜひ!”アトツギU34オンラインサロン”へ!

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