「コヴェナント/約束の救出」

映画『コヴェナント/約束の救出』公式サイト - 2024年2月23日公開
https://www.grtc-movie.jp/

アメリカが犯した国家的契約違反。

これは一級の作品。
コヴェナント:契約 という意味。
本作品は
アフガニスタン戦争の戦闘を劇的に描いた映画ということ以上に
アメリカが犯した国家的契約違反を
痛烈に、過酷に訴えた力作といえる。

アフガン戦争でアメリカ軍は約5万人の現地通訳を雇っていた、
このことは僕を含めて多くの人は知らない事実だった。
しかも彼らへの雇用条件にはアメリカの永住ビザ発給という契約が含まれていた。
2021年のアメリカ軍全面撤退時に取り残されまいと命を懸けて旅客機にしがみついていた人々のニュース映像を私たちも見た。
そう、彼らの大半がアメリカ軍に協力したアフガニスタン人であり、その多くにまさに通訳契約をした人々が含まれていたんだろう。
事実その後タリバン政権樹立後に300人の通訳が処刑され、今でも数多くのこうした人々が命かながら逃避の生活を続けているという。

本作は
そうしたアフガニスタン人通訳とアメリカ軍人の友情、絆を描いた。
ミッションを遂行すべく現地に向かったジョン・キンリー、彼らの通訳として雇われたアーメッド
待ち伏せに巻き込まれて生死をかけた逃亡、そしてそれだけでは終わらない。
これ以上書くと観る人の興をそいでしまうのでストーリーはここまで。

監督はイギリス出身のガイ・リッチー
長編処女作の犯罪群像劇「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(98)
続く第2作「スナッチ」(00)にはブラッド・ピット、ベニチオ・デル・トロら大物俳優が参加して話題を呼ぶなど、
スタイリッシュなアクションが評価を得た。
僕としては
「シャーロック・ホームズ」(09)
シャーロック・ホームズ : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/54174/
「キング・アーサー」(17)
キング・アーサー : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/83996/
あたりが印象深い。
そうそう
あの女性歌手マドンナの元夫ということで、私生活でもなかなかハードな人のようだ。

主演のジェイク・ギレンホール
僕の印象では何でもこなす演技派。
事故犠牲者の事件発生8分前の意識に入り込み、その人物になりすまして犯人を見つけ出すという
「ミッション:8ミニッツ」
ミッション:8ミニッツ : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/56216/
(この作品
余談だが監督のダンカン・ジョーンズは
あのデビッド・ボウイの息子だったと先ほど知った。。。)
地球規模の大災害を描いた「デイ・アフター・トゥモロー」
デイ・アフター・トゥモロー : 作品情報 - 映画.com
https://eiga.com/movie/1047/
そしてなんといっても2006年アカデミー賞作品賞の
カウボーイ同士の愛を描いた「ブロークバック・マウンテン」では助演男優賞にノミネート
本作でも大いに満足できる演技だといえる。

そして
助演のダール・サリム
1977年、イラク生まれ。デンマークに移住した経歴で
役者としてはあまりなじみがないが
リドリー・スコット監督の『エクソダス:神と王』(14)はじめ多くの作品出演しているようで、
本作が彼の代表作になると僕は思う。

本年早くも
極楽映画大賞ノミネート作。

2024年2月23日 公開

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